松下、イメージやTPOをもとに選曲する「ミュージックソムリエ」
―今春以降に業務システムで展開、年末にはSD-Jukeboxへの搭載も


デモで使用されたソフト。J-POP240曲を検索対象とした
3月11日発表

連絡先:マルチメディア開発センター
     企画推進グループ
     Tel.06-6900-9676



 松下電気産業は11日、聴きたい曲のイメージを指定するだけで楽曲を自動選曲するシステム「ミュージックソムリエ」の開発を発表し、都内で会見を行なった。2002年春以降に放送用業務システムで実用化の見込み。その後、コンシューマ用途への展開を図るとしている。

 ミュージックソムリエは、楽曲からテンポやビートといった音楽特徴量(感性イメージ)を抽出してデータベース化するシステムで、これをもとに、好みの曲を自動選曲できるというシステム。具体的には、その曲の持つ「テンポ」、「ビート白色性」(リズムの揺らぎなど)、「基本ビート」、「ビート強度1」、「ビート強度2」、「ビート強度比」、「平均音数」、「スペクトル変化度」の8つの特徴を数値化し、マッピングを実行。そのマップをもとに、さまざまな抽出を行ない、ユーザーの設定に合わせた選曲を実施する。

イメージ選曲とシチュエーション選曲の設定部分。このほかにも「類似選曲」ができる 適合曲の分布図。各曲のうち、最も適合度合いの高い曲名が中心に表示されている キーとなる要素は、楽曲の基礎となるリズム関連のものが多い

 記者会見では、音楽CDから取り込んだ200曲あまりのデータベースをもとに、「イメージ選曲」と「シチュエーション選曲」、「類似選曲」の各デモが行なわれた。イメージ選曲は、「激しさ」、「躍動感」、「爽快感」、「素朴さ」、「ソフトさ」といったパラメータの大小をスライダで指定。適合した楽曲がリストアップされるというもの。

 一方、「シチュエーション選曲」は、「騒ぎたい」、「踊りたい」、「和みたい」、「眠りたい」の4つのパラメータをもとにする。「類似選曲」は、元の曲と良く似たリズムパターンの楽曲を抽出する。

 当初は、BGMの選択用途といった放送局向け業務システムで展開。その後は家庭用オーディオ機器や、EMD、キオスク端末への転用を視野に入れている。また、今年末には同社製ポータブルメモリオーディオプレーヤーなどの付属ソフト「SD-Jukebox」への搭載も検討されている。

 同社ではこのシステムを「ユビキタス・ネットワーク時代における音楽データベースの構築に対応するもの」と位置付けている。これまでの「アーティスト名」、「アルバム名」といった書誌的な選曲とは異なる「感性イメージをもとにした新しい選曲法が求められる」と予測し、そのニーズに応えるものとしている。

 なお、現段階では「一番正確に抽出できる」という点から、リズム関連のパラメータを中心にしているが、コード進行やメロディといった他の要素を取り込む方向性も考えているという。

□松下電器のホームページ
http://www.matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.ricoh.co.jp/release/cd-r_rw/mp5125a/index.html
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(2002年3月11日)

[orimoto@impress.co.jp]

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