このイベントは、通信モジュールや各種スイッチ類のOEM販売で大きなシェアを持つ同社が、顧客向けに開催した製品展示イベント。AV関連では高周波ユニットやテープヘッドなどで有名な同社だが、今回は100Vの電力線を通信網として使用するPLC(Power Line Communication)用モデムが展示の目玉となった。
■ 「千と千尋の神隠し」を使ってPLCとIEEE 802.11aモジュールをアピール
同社は2001年11月に株式会社きんでん、イスラエルのItran、株式会社マクニカと合弁で「株式会社プレミネット」を設立。以後、PLCによる広帯域通信の開発を行なっている。今回のイベントでは、モデムとモジュールの実動品を参考展示した。 電力供給に使用されている一般的な100Vの電灯線を利用し、帯域は最大2.5~2.4Mbps。電機機器からのノイズや妨害を受けやすいが、Itranの技術で問題をクリアできたという。いまのところ、電波法の規制があるため9.6kbpsに限定されているが、今後の電波法改正を見込み、開発を続けていくという。
会場ではMPEG-2による「千と千尋の神隠し」の映像を送受信し、動画コンテンツへの適用を訴求した。また、5月下旬からサンプル出荷されるIEEE 802.11a用モジュールでも、「千と千尋の神隠し」を使った送受信デモを行なっていた。
■ デジタル放送用の各種モジュールを出品
放送関連では、地上波デジタル放送の開始に向けて、チューナなどいくつかの出品があった。中でも精力的にデモを行なっていたのが参考出品のダイバーシティ受信チューナと車載用テレビアンテナ。 通常の屋内用チューナとの比較を10MbpsのMPEG-2画像で行なっていた。ステージデモも実施され、アンテナをさえぎると画像が乱れる屋内用に比べ、ダイバーシティ受信チューナは安定している点を強調した。 また、地上波デジタル放送用のアップコンバータとデュプレクッサを1つにしたモジュールも参考展示された。MPEGデコーダなどと組み合わせることで、双方向通信が可能なセットトップボックスなどが設計できる。すでに欧州で出荷済み。そのほか、出荷が開始されたばかりのBS/CS対応用のシングルスイッチも展示された。 なお、現行地上波用チューナとしては、14日に発表された40×20×5mm(幅×奥行き×高さ)の小型のIF内蔵型を出品。容積が現行品の50%減で、消費電力をは100mW低減したという。ノートPCや、PDA、HDDレコーダへの搭載を見込んでいる。出荷開始は2003年春頃を予定。
■ Bluetoothの音声送受信デモなど
オーディオ機器向けの参考展示としては、Blutoothを使った音声伝送デモが人気を呼んでいた。ソースはMP3で240kbps。 また、ポータブルオーディオのリモコンとして使う「ストラップ型スイッチ」も来場者の目を引いていた。これは、再生、一時停止、早送り/早戻し、音量調節などのスイッチをストラップ内に仕込んだもの。コントローラ回路は内蔵せず、単にスイッチだけが入っている。 ハンドストラップ型とネックストラップ型が展示され、ネックストラップ型は、ストラップ部をなでることで音量調節を行なう。製品化は未定。
そのほか、AV機器向けとして、メモリースティックとSDメモリーカード用の電動ローディングタイプのスロットを発表した。メモリースティック用はすでに出荷済みで、SDメモリーカード用「CMCBシリーズ」が参考出品となっていた。
(2002年5月16日) [orimoto@impress.co.jp] |
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