三洋電機とバング&オルフセン、デジタルアンプで協業契約


セミコンダクターカンパニー副社長の田端輝夫氏とB&O Icepowerのカーステン・ニールセンCTO
5月28日発表



 三洋電機株式会社の社内カンパニー、セミコンダクターカンパニーと、デンマークのBang & Olufsen Icepower(B&Oアイスパワー)は28日、ホームユースおよび車載用Dクラスアンプ(デジタルアンプ)に関する包括的な協業契約を締結したと発表した。協業範囲は開発、製造、販売で、製造品の投入を2003年に予定。2005年には世界シェア30%を目指す。

 開発するのは4~200Wの小・中電力デジタルアンプ「STK ICEpower」。デジタル入力とアナログ入力の2種類を開発し、アナログ入力版を2003年第1四半期、デジタル入力版を2003年第3四半期に投入する。Icepowerの持つ「ICEpowerアナログ」、「同デジタル」という2つの技術ライセンスを、三洋電機の得意なモノシリックICなどのオーディオチップ技術と融合させ、最終的には、200W~1kWのシステム製品を市場投入する。

発表会のデモで使用されたブレッドボード。これを大きさはもっと小さくなるという 左がアナログ接続、右がデジタル接続の「STK ICEpower」構成図。デジタル接続用の「PEDEC」は、主に出力変調とエラー修正に使用する独自回路で、AD、DAコンバータの搭載を不要にするという。PWM、ΔΣといった従来の回路より優れるとしている。ボリューム回路「IVC」も同社の特許技術

 開発後は三洋電機が製造を行ない、マーケティングは三洋電機が4~200Wのコンシューマ分野、Icepowerが200W以上を担当する予定。契約期間は2002年1月から4年間。2003年に製品を投入、2003年度に1億円、2004年度10億円、2005年度30億円の売上を見込んでいる。

 三洋電機は、オーディオ・パワー・モノシリックIC分野でラジカセ50%、ミニコンポ40%、テレビ30%、カーオーディオ15%のシェアを持っている。また、パワー・ハイブリッドICのシェアは、ミニコンポ60%、レシーバ20%と高占有率を誇る。

B&O IcepowerのCEO、Jens Peter Zinck氏 発表会では、Icepowerアンプ搭載のB&O製品を使ったデモが行なわれた

 一方、Icepowerは、'99年に設立されたB&Oグループの1社。250W~1kwのアンプを製造しており、B&O製品以外にも20以上のオーディオメーカーに供給している。三洋電機ではIcepowerを「デジタルアンプのテクノロジープラットフォームとして、最強、最大」と評価している。

 IcepowerのCEO、Jens Peter Zinck氏は「現在、マスマーケット向け製品を開発しているので、三洋電機との協業は大変な喜び。Icepowerの技術と三洋電機の開発、製造、販売力がマッチすると大きな期待を抱いている」とコメントした。

 また、三洋電機では、今回の提携を「インテリジェント・パワー・コンバージョン技術のイノベータ、Icepowerと組むことで、両社の強みとコンピンタンスを相互補完するもの」と位置付けている。また、Icepowerはこれを機に、ゼネラルマーケットへの進出を考えているという。

□三洋電機のホームページ
http://www.sanyo.co.jp/
□B&Oアイスパワーのホームページ
http://www.icepower.bang-olufsen.com/
□ニュースリリース(三洋電機)
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0205news-j/0528-1.html

(2002年5月28日)

[orimoto@impress.co.jp]

I
◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】

00
00  AV Watchホームページ  00
00

ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.