ジャパンミュージックデータ、デジタル試聴機の展示会
―試聴データのオンライン受信、予約機能など多機能化



 パッケージソフトのプロモーション用データを提供している株式会社ジャパンミュージックデータは5日、店舗に設置される音楽CD向けの業務用デジタル試聴機の展示会を開催した。

 ジャパンミュージックデータは、日本レコードセンター株式会社と株式会社ジャパン・ディストリビューションシステムが出資し、各レコード会社の協力を得て設立されたパッケージ商品のプロモーション企業。主にオーディオ、ビデオ、ゲームソフトなどの商品カタログデータや試聴音源、ジャケット写真などのプロモーション用データを提供している。

 同社は、店舗のデジタル試聴機にオンラインで試聴音源を供給するサービスを10月1日に開始する予定で、今回の展示会ではオンライン化の利点を生かした試聴機を見ることができた。なお、今後はインターネットの通販サイトで行なう試聴サービスにも注力していくという。

 以下の製品は、すべて同社の店頭試聴用音源を使用したもので、試聴時間は1曲あたり45秒となっている。提供データは、6月末の時点で約7万タイトル。曲数は94万曲以上にのぼる。


■ プレクスター

Listning Station

 プレクスターは、CD裏のバーコードで試聴ができる「Listning Station」を展示していた。試聴機下部に、CDのジャケット裏に印刷されたバーコードを読み取らせると、店内に設置されたサーバーから、音楽データが無線で端末に配信される仕組み。

 パッケージを開封することなく試聴ができるほか、読み取りから再生までの処理も瞬時に行なわれる。また、盗難防止用のプラスチックカバーが付けられている場合でも、バーコード欄に書かれた数字を手入力することで試聴が可能。

 このシステムには、試聴端末のほかに、LinuxベースのLISS(ストアサーバー)の設置が必要となる。LISSには80GBのHDDが内蔵されており、約15,000タイトル(18万曲以上)の試聴データを収録できるという。なお、LISS1台に対して、試聴端末8台での使用を想定しているが、最大40台まで増やすことも可能。

 また、無線でネットワークが構築されているため、店内のレイアウト変更などにも柔軟に対応できるとのこと。現在は登録データのアップデートをCD-ROMで行なっているが、今後はインターネットを通しての更新を予定している。

 なお、試聴機はヴァージンメガストアや新星堂などの一部店舗に設置されているほか、9月6日にリニューアルオープンした、JR東京駅前の丸ビル内、山野楽器にも置かれる。

端末下部にバーコードをかざすだけで、瞬時に試聴できる 読み取りが上手くいかない時は、手入力にも対応 実際の店内を想定した設置例


■ ソニー・ミュージック・コミュニケーションズ

インターガイドEX II

 ソニー・ミュージック・コミュニケーションズの「インターガイドEX II」は、スタンドバージョン(-S2)と壁掛けバージョン(-W2)の2種類を用意。壁掛けバージョンには別途サーバーが必要となるが、1台のサーバーに最大20台までの端末が接続可能。また、従来機よりもビデオ再生能力が向上しており、ネットワーク上のディスプレイにビデオクリップなどの映像を、数種類同時に配信することもできる。

 また、端末本体にサーマルプリンタを内蔵。試聴して気に入った楽曲の情報をプリントアウトできるほか、空欄に名前などを記入することで、予約の申込書としても使用できる。

 ほかにも、オリコンのランキングデータを表示し、その中から試聴をしたり、各レーベルのおすすめタイトルの閲覧なども可能。もちろん、ユーザーがアーティスト名などを入力して、検索することもできる。

 随所にプロモーションビデオやインタビューなどの映像が使用されており、アーティスト情報も充実しているという。また、邦楽や洋楽、DVDに加え、インディーズの情報にも対応していく予定。


インターガイドEX IIの壁掛け版 プリンタを内蔵。手軽に予約ができる オリコンのランキングデータも表示される


■ ブイシンク

リスニングポッド

 ブイシンクの「リスニングポッド」の特徴は、専用のADSL回線を使用して、リアルタイムにジャパンミュージックデータのサーバーの試聴データにアクセスできること。そのため、店内に専用のサーバーを用意しなくても運用が可能となっており、リアルタイム更新される新譜などの情報にも有利だという。

 タッチパネルを搭載し、バーコード試聴に対応した「親機」と、無線でネットワーク接続された「子機」のセットで構成されており、両機を連携して使うことで機能の幅が広がるという。

 例えば、クラッシックコーナーに設置した子機に、親機からクラッシックのお勧めタイトルをコピーして登録したり、試聴回数などのログデータを集計することも可能。


子機には無線LANカードが内蔵されている もちろんバーコード試聴にも対応 6つのメニューを用意、お勧めタイトルはカスタマイズ可能


■ プラネット

HOTNAVI

 プラネットの「HOTNAVI」は、PDAを使用した携帯型の試聴機。PDAに無線LANカードと、試聴用のバーコードリーダを搭載する。店内を持ち歩きながら試聴することができ、店員が携帯するほか、利用者に無料で貸し出すことも想定しているという。

 メニュー画面には、ランキングやお勧めタイトルの情報が表示されるだけでなく、ドラマやCMで使われた曲目の検索ができるなど、独自のコンテンツも搭載している。

 さらに、試聴用のストアサーバーだけでなく、店舗の在庫情報などを管理するPOSシステムとリンクできるのも大きな特徴。検索したCDの在庫の有無を、探し回ることなく瞬時に知ることができる。


無線LANカードと、バーコードリーダを搭載 利用者が落とした場合に備え、大きなプラスチックケースの中に入っている 在庫の有無をすぐに確認できる


■ レーベルモバイル

mコード

 レーベルモバイルでは、エイベックスやソニー・ミュージックエンタテイメント、ビクターエンタテイメント、東芝EIMなど、11社が参加する携帯電話用の試聴サービス「mコード」を展示していた。

 mコードは、携帯電話から5桁のコード番号を打ち込むだけで、試聴ができるというサービス。携帯電話では、アーティストを検索したり、各音楽レーベルのサイトにアクセスするのが困難なため、コード番号を入力するという方式が考案された。

 具体的には、同社が運営する携帯サイト「レコちょく♪」にアクセスし、コードを打ち込むこんで試聴ができるほか、楽曲の情報も表示される。コード番号は店頭に置かれたPOPに表記されるほか、「CDデータ」や「ムーディ」など、音楽情報誌にも掲載されている。なお、このサービスは無料で、通話料金のみで利用できる。


店頭には、このようなPOPが置かれる mコードのサイトにアクセスし、コード番号を打ち込むと試聴できる 各携帯電話からのアクセスの仕方



□ジャパンミュージックデータのホームページ
http://www.jmd.ne.jp/

(2002年9月6日)

[yamaza-k@impress.co.jp]

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