ユーリード、MICROMV対応の「MediaStudio Pro6.5」
―カノープスから営業権を移管、VideoStudioからの乗換え版も


Plutinum Edition、Video Edition
11月1日発売

標準価格:「Platinum Edition」65,000円
       「Video Edition」24,800円

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 ユーリードシステムズ株式会社は、統合型ビデオ編集ソフト「MediaStudio Pro6.5 Platinum Edition」を11月1日に発売する。対応OSは、Windows 98 SE/Me/2000/XP。価格は通常版が65,000円。

 通常版のほかに限定3,000本生産の「乗り換え/アップグレード版」、「アカデミック版」(ともに29,800円)を用意する。乗り換え対象は、すべてのビデオ編集ソフト、DVD Workshop、DVD MovieWriterシリーズ、VideoStudioシリーズ。カノープス製品にバンドルされた旧バージョンのMediaStudioも対象となっている。さらに、一部のヘルパーアプリケーションを省いた「MediaStudio Pro 6.5 Video Edition」も24,800円で発売する。

 MediaStudio Pro6.5 Platinum Editionは、「Video Capture」、「Video Editor」、「Video Paint」、「CG Infinity」、「Audio Editor」を組み合わせたビデオ編集ソフト。同バージョンで追加された主な新機能は、NEC製MPEGエンジンの採用、DVDオーサリングソフト「MovieWriter 1.5」との連携機能。DVDビデオへのリニアPCM出力も可能になった。

Video Editor
 出力ディスク形式は、DVDビデオ、ビデオCD、SVCD、MiniDVDに対応する。メディアはDVD-R/RW、DVD+R/RW、CD-R/RW。

 また、MICROMV形式の取り込みにも新たに対応した。MediaStudio Pro6.5単体でキャプチャが可能で、MovieShakerは必要ない。単体でMICROMVに対応するソフトは業界初としている。MPEG-2 TSのMICROMV形式を、MPEG-2 PSに変換してキャプチャする。

 取り込みはDV、アナログ両方をサポートし、ダイレクトMPEG-2キャプチャも行なえる。4GB以上のキャプチャやバッチキャプチャにも対応。入力可能な動画フォーマットは、AVI、MPEG-1、MPEG-2、QuickTime。なお、DirectX 9やWindows Media 9はサポートしていないが、今後のバージョンで検討していくという。


 編集作業を行なう「Video Editor」は、タイムライン、プレビュー、ソース、プロダクションライブラリの3ウインドウで構成。タイムラインには、トランジション専用トラックを設けている。このため、同社製の下位ソフトに当たる「VideoStudio」と比べ、動画をつなぎあわせたときに長さが変化しにくいという。また、プロダクションライブラリでは、フィルタやトランジションの効果をサムネイルで確認できるほか、設定画面でもほぼリアルタイプのプレビューが行なえる。

 タイムラインへのソース取り込み時には、取り込み部分の指定が可能。また、オーバーレイオプションを搭載し、エフェクトとしてクロマキーやルミナンスキーが適用できる。複数のトラックをカットする「マルチトラックリップル編集」も可能。

 ヘルパーアプリケーションの「Video Paint」は、動画のフレームに直接イラストや文字を書き込めるペイントソフト。文字を書いている状態をマクロで記録し、動画で再現する機能も搭載している。また、電柱などを消すことができる「クローン機能」も使用できる。

 「CG Infinity」は、タイトル文字や回転ロゴ、立体的なオブジェクトを作成するツール。44種類の移動パスを選択できるほか、移動パスの作成や、ベクターベースのオブジェクトの作成にも対応している。作成した文字は、アルファチャンネル付き静止画ファイルとして保存し、Video Editorで合成できる。

 「Audio Editor」は、2トラックの波形編集ソフト。読み込んだ音声ファイルに「エコー」、「逆転」、「フェード」などの各種エフェクトを適用できる。なお、エフェクトはVideo Editorでも直接使用できる。

Video Paint CG Infinity Audio Editor

 MediaStudioはこれまで、カノープスが主にノンリニア編集システムなどにバンドルして販売していた。同バージョンからはユーリードシステムズに営業権が移管される。ユーリードシステムズ社長の下村慶一氏はその理由を「ユーリードが国内市場でブランディングを得たため」とし、「カノープスとしてもユーリードのソフトを持つことにあまり意味がなくなった。エンドユーザーのことを考えると今回の決断になった」と説明した。

 また、今回の発表にあわせて来日したUleadのBill Hsiun社長は、「ハードとのバンドルは、ビデオ編集という市場の導入時に、ソリューションとして提供するため必要だった。しかし、市場がある程度成熟した今、その環境も必要なくなったのでは」と補足している。

 MediaStudio Proは、対象ユーザーを「ミドルからプロシューマー、あるいは1万円台のビデオ編集ソフトをすでに使っている人」に据えている。今回の移管により、入門者向けのVideoStudioと合わせて幅広い層をターゲットをカバー、「統一感のあるサービスを提供できるのでは」(下村社長)としている。また、「VideoStudioからのクロスアップグレードを含め、市場を拡大できる」との期待を語った。

UleadのBill Hsiun社長 ユーリードシステムズの下村慶一社長

 競合製品となる、Adobe Premiereについて、「MediaStudioの有利な点は操作性にある。設定がすぐ反映されるので、生産性が高く、思考も途切れない」(松延俊英プロダクトプロモーション部長)と、その優位性を述べた。さらに「専用ハードウェアを備えたノンリニアシステムではPremiereの方に分があるが、そうでない場合はソフトウェアベースのMediaStudioに一日の長がある」(同)と、自信の程を伺わせた。

□ユーリードのホームページ
(9月13日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.ulead.co.jp/
□ニュースリリース(PDF形式)
http://www.ulead.co.jp/aboutulead/PressPDF/0209/MSP.PDF

(2002年9月13日)

[orimoto@impress.co.jp]

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