共信テクノソニック、コーデック内蔵のHDD録画用システムLSI
―1チップ化により3分の1の価格を実現


ケーティーエス・テクノロジー、LSI商品開発部統括部長、武居泰照氏
サンプル出荷:10月

サンプル価格:2,500円


 ソニー系の電子部品、電子機器商社の共信テクノソニック株式会社は、子会社のケーティーエス・テクノロジー株式会社が開発したコーデック内蔵のHDDレコーダ用LSI「KTS8401F」を発表した。デザインサンプル出荷は10月、エンジニアリングサンプル出荷は2003年の1月を予定している。サンプル価格は2,500円。量産次期は2003年5月。

 KTS8401Fは、コストパフォーマンスを重視したD1(720×480ドット)サイズ映像用のLSI。エンコーダやビデオDAC、オーディオDAC/ADC、ATAバス制御など、民生用HDD録画機器に必要な機能を世界で初めて1チップに集約した。ユーザーインターフェイス用のホストマイコン、ビデオデコーダ、SDRAMと合わせた計4チップでHDDの録再システムが構成できるという。主に安価なHDDレコーダに使用されるほか、DVDプレーヤーやVHSデッキ、TVなどに安価にHDDレコーダ機能を追加できる。

 最大の特徴は、JPEG2000などで使われる「DWT(Discrete Wavelet Transform ~ 離散ウェーブレット)」を利用した、独自のWavelet変換コーデックを搭載したこと。これにより、コーデック用の外部フレームメモリを省略できるだけでなく、ライセンス使用料も発生しないとしている。また、1チップ化したことで複雑なタイミング設定が不要になり、画像と音声を記録する場合の同期合わせも簡略化できる。

 さらに、ホストマイコンを搭載して外部からの制御を容易にするなど、設計者が扱いやすい仕様だという。また、「ITU656」と「I2S」の2系統のインターフェイスを持ち、MPEG-2デコーダと接続も可能。NTSC/PAL規格に対応し、輪郭補正機能も搭載。消費電力は1.2W。

 画質については「あえてVHSレベルの画質にすることで、冗長部を切り捨て、コストパフォーマンスを重視した」(ケーティーエス・テクノロジーの武居氏)とし、チップとしては従来の3分の1の価格を実現した。具体的には5万円台のHDDレコーダの価格を、3万円台にまで下げることができるという。

コーデックについては、Motion JPEG2000が一番近いイメージとのこと 「KTS8401F」の外観 リファレンスボードの「KTS8404-AP」

共信テクノソニック、代表取締役社長、水島陸洋氏

 商社である共信テクノソニックが、独自の製品を開発することについて代表取締役社長の水島氏は「デジタル技術の発展で、アナログ時代に持っていたアドバンテージが通用しない時代になった。新しいベンダーを獲得するためにも、独自の技術を持った商社として事業を展開していきたい」と、今後の計画を語った。

 共信テクノソニックは今後、HDDレコーダ用のLSIの開発を続けるほか、カメラ系のLSIなどの新製品も開発していくという。



□共信テクノソニックのホームページ
http://www.kytec.co.jp/
□ニュースリリース (PDF形式)
http://www.kytec.co.jp/pdf/02091301.pdf

(2002年9月17日)

[yamaza-k@impress.co.jp]

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