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MontaVista、InterVideoと共同でLinux用DVDプレーヤーを発表
--Embedded Technology 2002で展示


「Embedded Technology 2002」は20日から22日まで開催される

11月20日発表


 モンタビスタソフトウェアジャパン株式会社は、20日より開催されている「Embedded Technology 2002 組込み総合技術展」の会場で、同社の組込向けの最新OS「MontaVista Linux Professional Ver.3.0」の新機能の解説や、同社の最新動向などを紹介した。

有馬仁志社長

 同社の有馬仁志社長は、「組込み向けLinuxは2000年に市場シェア1%だったものが、2003年には14%に届く。市場は拡大しており、さらに日本の市場はより早いペースで成長している」と述べ、「去年、一昨年とLinuxがブームのように言われていた。(その後は落ち着いたように思えるが)組み込み/家電の中では、Linuxが確実に浸透している」と説明した。

 組込み向けでLinuxが躍進してる要因については、「なんといっても開発期間の短縮が挙げられる」とし、インターネット接続環境やGUI、マルチメディア機能などがあらかじめ用意されており、また、開発環境の充実によりテスト期間も低減できることをアピールした。

 また、新たなトピックとして、ソニーのコクーンのほか、NECのEthernet搭載HDDレコーダ「PK-AX10」にもMontaVista Linux 2.1が採用されたこと明らかにし、先進的な機器のプラットフォームとしてMontaVista Linuxが最適であると強調した。

組込み市場におけるLinux 次期プロジェクトでのOSの選定について MontaVista Linux 2.1を搭載したNECのHDDレコーダ「AX-10」

 また、InterVideoのLinux用ソフトウェアDVDプレーヤー「LinDVD」のMontaVista Linux上での動作検証が承認されたと発表した。これにより、Linuxを採用したセットボップボックスやビデオレコーダなどで、ソフトウェアによるDVD再生が可能になり、同社では、LinuxベースのAVシステム開発のコアとしてOEM供給していくという。

 なお、LinDVDは、MPEG-1/2やRealPlayerのほか、Windodws Mediaにも対応しているため、LinDVDを搭載したMontaVista Linux上で、Windows Mediaファイルのデコードも可能になる。現在は、MontaVista Linux 2.1での動作を確認しており、今後3.0でも対応していく予定という。

MontaVista Linux 2.1上でのLinDVDのデモ

 また、有馬社長は、「日本の家電メーカーのほとんどに、MontaVista製品を評価していただいており、多くの製品で取り入れられている」とし、組込みLinux市場での同社のシェアは「把握している範囲では6~7割」という。

 その後、組込み向けの最新OS「MontaVista Linux Professional Ver.3.0」についても解説が行なわれた。

従来バージョンからの変更点

 従来バージョンの2.1から、Linuxカーネルが2.4.18に、GCCが3.2、GDBが5.2になるなどの変更が行なわれ、ジャナリングファイルシステムとしてXFSを新たにサポートしたほか、IPv6への対応が行なわれた。

 また、対応プラットフォームも増えており、従来の6アーキテクチャ/60以上のボードから、8アーキテクチャ/80以上のボードに対応した。また、カーネルやリアルタイムスケジューラの改善により、リアルタイム性能も向上しているという。

 なお、ライセンスはユーザー(開発を担当するエンジニア)単位で、3ユーザー400万円、5ユーザー600万円程度となるとしている。

 なお、「Embedded Technology 2002」の会場では、MontaVista Linux Professional 3.0や、LinDVDを搭載したMontaVista Linux搭載PCなどのデモが行なわれている。

MontaVistaブースに展示されていたイノマイクロのMPEG-1/2/4対応のセットトップボックス「ECCLE5000」。デコーダチップはSigmaDesign製のEM847xを採用している。既に販売開始されており、マンションのマルチメディア端末などで導入が決まっている マクニカのホームサーバー用リファレンスデザイン「MARBO-1」。CPUはAMDのAu1500を搭載している TIのオーディオDSP「TM53200A610」用の開発用評価ボード「Mozart II」。音場再生プログラムなどのテストが行なえるほか、ツールキットも付属する
NECエレクトロニクスブースに展示されていたインフォシティのHDDレコーダ「RadicalTV」。CPUにNECのVRを採用している。MontaVista Linuxをベースにしており、タイムシフト再生やEPG録画などにも対応する
MPEG-1/2やAACのほか、WMA9に対応したデコーダチップを製造するEquator Technologiesの展示。Windows Media 9は720pまでの再生に対応する。既に各社にサンプルを提供しており、Microsoftの正式発表と同時に搭載製品も発売される見込み
新光商事のEthernetカメラ。TI製のDSP「TMS320C6415」を搭載し、MPEG-4でPC側から閲覧できるほか、アプリケーション用のDSPによりさまざまなアプリケーションに応用可能となっている。会場ではミニカーによるナンバー識別のデモが行なわれていた

□モンタビスタソフトウェアのホームページ
http://www.montavista.co.jp/index.html
□ニュースリリース(AX10)
http://www.montavista.co.jp/news/2002/02nov20a.html
□ニュースリリース(LinDVD)
http://www.montavista.co.jp/news/2002/02nov20.html
□ニュースリリース(MontaVista Linux)
http://www.montavista.co.jp/news/2002/02nov19a.html
□Embedded Technology 2002のホームぺージ
http://www.jasa.or.jp/et/index.html
□関連記事
【11月5日】ソニーのコクーンにMontaVista Linuxが採用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021105/monta.htm

(2002年11月20日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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