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MPEG-2およびMPEG-4に関するライセンス事項を定めている米MPEG LAは10日、都内でMPEG-4についての会見を開いた。同社からはチーフエグゼクティブオフィサーのBaryn Futa氏と、Lawrence A. Hornバイスプレジデントが出席し、MPEG-4のロイヤリティなどについて触れた。 この会見はMPEG LAが4日(現地時間)、「MPEG-4 Systems Patent Portforlio License」(MPEG-4システム特許ライセンス)を正式発表したことを受けたもの。すでに発表済みの「MPEG-4 Visual Patent Portforlio License」(MPEG-4ビジュアル特許ライセンス)と合わせ、すべてのライセンスが揃ったとしている。
MPEG-4ビジュアルは、ビデオカメラなどで記録された「Recorded Data」、ストリーミングなどの「Internet Data」、携帯電話向けなどの「Mobile Data」、そのほかケーブルテレビや衛星放送などの「Unique Use Data」、1年間に20回以上視聴可能な「Stored Data」のカテゴリーに分かれている。 それぞれに発生するロイヤリティは、エンコードが0.25ドル、デコードが0.15ドル。ただし、Stored Dataのデコードや、Internet Videoに含まれるストリームの場合、時間による設定もありうるという。例えば、ストリーミングなら1分あたり0.000333ドルなどの選択もできるという。 ただしこれらのロイヤリティは、「コンテンツが収益を目的としない限り発生しない」のが原則。エンドユーザー同士のデータの受け渡しなどにも適用されない。エンドユーザーに費用が発生しなくとも、コンテンツに広告が入っていればコンテンツ提供側にロイヤリティの支払い義務が生じるという。
一方、システム特許ライセンスは、一連のストリームの圧縮や送信、パッケージデータの送信などで適用されるMPEG-4のツールのセットとし、データを送信した後、Javaなどと同時に使用する技術がこれにあたるという。 システム特許ライセンスのロイヤリティは、ビジュアル特許ライセンスとほぼ同じ。ただし、支払い上限が年間10万ドルに下がる。Thresholdsはビジュアル特許ライセンスと同じ5万台。 なお会見の前、ビジネスユーザー向けの説明会があった。その中で多かったのがビデオプロバイダーに関する質問で、特にロイヤリティの発生について、個々の状況をケースに尋ねる人が多かったという。また、ロイヤリティのもたらすマーケットへの影響も危惧されたという。これに対しHorn氏は「すべての市場で公正になるよう、同等の影響になるよう設定した」と答えている。 また、「この条件ではサービスプロバイダーに厳しい。コンテンツの数が増えないのでは?」という声もあったという。これについては「年間の上限設定や、Thresholdsの説明が安心感を与えたと思う」と語った。 さらに、「MPEG-4はオープンな規格。一部の特許権者が支配するものではなく、民主的に提供されたい。ある日突然、特許権者の都合の良いように変えられるのも困る。MPEG-2のときから特許権者が増えているのに、ロイヤリティ率はむしろ減っている。(MPEG LAの存在が)セーフガードになり、ユーザーの権利を保護できる」とまとめた。
□MPEG LAのホームページ (2003年2月10日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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