◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
ディジタルシネマ・コンソーシアムなど3団体は2日、都内で「デジタルシネマ・シンポジウム2003」を開催、その中で解像度3,840×2,048ドットのD-ILAプロジェクタによる「超高精細ディジタルシネマ」のリアルタイム配信をデモンストレーションした。 ディジタルシネマコンソーシアム(DCC)、デジタルシネマラボ/デジタルシネマ研究コンソーシアム、デジタル映像事業委員会(DCAj)などが主催するイベントで、超高精細ディジタルシネマを紹介したのは、DCCに参加するNTT未来ねっと研究所のメディアネットワーキング研究部メディア処理システム研究グループリーダーの藤井哲郎工学博士。
映像は各色10bitの800万画素(3,840×2,048ドット)、24fpsで、DCCでは水平方向の解像度から「4Kディジタルシネマ」と呼んでいる(HDTVは2K)。圧縮フォーマットはMotionJPEG 2000を採用し、その理由を「RGB10bitや多重解像度に対応しやすいため」と説明する。 フィルムスキャン後、電子透かし刻印を付加することも可能で、MotionJPEG 2000に変換・圧縮された映像は、配信サーバーからIPネットワークへ流される。配信先でデコードされた映像を、専用のD-ILAプロジェクタで表示する仕組み。 今回は、TAO幕張ビガビットリサーチセンターからIPベースでリアルタイム配信を行なった。経路は幕張から大手町までがJGNのATMベース(622Mbps)、大手町から会場の銀座までをメトロイーサのI/PGbE(Giga bit Ethernet、1Gbps)。
映画「スター・ウォーズ エピソード 2 クローンの攻撃」などのような撮影から配信までをデジタル化するアプローチとは異なり、DCCでは35mm映画フィルムで撮影してスキャン、配信するシステムを目指している。1080p(HDTV)を超える解像度3,840×2.048ドットに挑戦したのは、35mm映画フィルムの高解像度をそのままデジタル化するためだという。 すでに、ハリウッドでの評価実験も実施している。まず、2002年6月にパラマウント映画から招待を受け、インターボジフィルム(作品はブレイブ・ハート)からのデジタル化を実施。パラマウントのLewellen社長は「プロトタイプとして満足いく結果。デジタルで困難な緑の色再現がよく、カットによってはフィルム以上の品実を実現している」とコメントしたという。また、「黒の表現力が良く、DLPより優れている」との評価も得たとしている。
DCCによると、デジタルシネマの標準化作業は、SMPTE、ITU-R、MPEG(Moving Picture Expert Group)の各団体にDCIが絡み、DCIとITU-Rとは主導権争いで対立中。また、DCIはMPEGにMPEG方式の動画圧縮を使用しない旨を通告している。DCCでは標準方式のハイエンドとして、DCIがDCCの4K方式を本年末にも策定すると見込んでいる。
なおDCCは、5月にNPO(特定非営利組織)に認定された。藤井氏は一連のデモンストレーションの後、「ようやく技術が完成した。次はビジネスモデル構築のフェーズ」とプレゼンテーションを締めくくった。
□NTT未来ねっと研究所のホームページ (2003年6月2日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
|