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松下電器産業株式会社は28日、2003年度の中間決算を発表した。連結売上高は前年同期比101%の3兆6,397億円、営業利益は同159%の796億円、純利益は同132%の231億円となった。なお、2002年5月に撤退したHDD部門を除くと、売上高の前年比は102%となる。 冒頭、挨拶に立った中村邦夫社長は、「4月1日から実施したドメイン体制が成果となって現れた」と述べ、全社的な構造改革の成果を強調。さらに「グローバル連結体制、ドメイン体制ともに、予想よりも早いスピードで定着した」と、上半期を振り返った。また、同社の創立85周年を記念し、1株あたり1円50銭の記念配当を実施することを明らかにした。
事業分野別では、特にDVDレコーダやプラズマテレビ、デジタルカメラなどのデジタルAV製品が好調。重点戦略商品である「V商品」も、デジタルAV関連で計17品を投入し、シェアを増加。具体的には、国内のブランド別シェアで、パナソニックが前年同期比0.2%増の23.1%、ナショナルが同1.4%増の20.9%となった。
なお、上期のV商品全体の売上高は5,650億円。V商品の構成比は、AVCネットワークが42%、アプライアンスが8%、デバイスが50%となっている。 DVDレコーダについては2003年4月から7月までのフォーマット別統計で、日本ではDVD-RAM対応DVDレコーダが70.7%を占め、北米でも58.4%を超えており、トップシェアを獲得。しかし、欧州ではDVD+RWの67.7%に次いで、28%のシェアに留まった。川上徹也常務取締役は「イギリスやドイツでDVD-RAMの巻き返しが始まっている。使い勝手の良さや機能の魅力などをアピールすることで、欧州でもトップシェアを目指したい」と語った。
また、プラズマテレビでは9月から発売されたプラズマテレビ「VIERA(ビエラ)」が好調。「“地上デジタル放送”と“薄型の魅力”のどちらが起爆剤となったかはわからないが、デジタルテレビは非常に元気が良い」(中村社長)という。また、中国・上海に年間生産力15万枚のパネル工場を建設。茨城にも2004年4月に第2工場を建設予定で、年間のPDP生産量を2004年に100万台、2005年に150万台を実現するという。 これらを踏まえ、パナソニックAVCネットワークス(PAC)の売上は5,813億円、営業利益140億円を達成。そのほかの主要ドメイン会社の概況は、パナソニックコミュニケーションズ(PCC)が売上2,445億円で、営業利益が57億円、パナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)が売上2,876億円で、営業利益98億円となった。PCCは光ディスクなどが堅調、PMCでは阪神タイガースモデルの携帯電話なども話題となり、年間の営業利益目標である70億円を半期だけで大幅に超えた。 なお、各ドメイン会社は、デバイス分野のモーター事業を除き、いずれも黒字になったという。また、「CCM」(Capital Cost Management:資本収益性)がプラスになったドメイン会社も全14社中5社となった。「今後はCCMプラスの会社を8社に増加し、モーター事業の改革も進めていきたい」(中村社長)という。
連結商品部門別売上高は、AVCネットワーク全体が前年同期比104%の1兆7,265億円、アプライアンス部門は同98%の5,862億円、デバイスは同97%の5,627億円、日本ビクターの売上高は同95%の4,037億円、その他が同111%の3,606億円となった。 今後の計画について中村社長は「昨今の円高や、販売価格の下落などに対応するためには、更なるコスト削減と構造改革が必要」と述べ、販売価格が低下する中、営業利益の獲得には合理化が不可欠という考えを示した。そして、「今後も各ドメインの改革を迅速に進めると同時に、キャッシュフロー重視の経営を引き続き行なっていく」とした。
■ PSXはゲーム機の延長だ 中村社長はソニーの「PSX」について、「PSXはあくまでゲーム機の延長上にあるものだと考えている」と述べ、DVDレコーダと競合する製品ではないという見解を示した。また、同社としては今後「生産力の強化を続け、DVDレコーダーの使いやすさを世界的に訴えていくことが重要」とし、PSXの発売を見越したDVDレコーダの価格の引き下げなどは考えていないことを明らかにした。 さらに、同日に発表された、ソニーとサムスン電子が液晶ディスプレイパネルの製造会社を合弁で設立する件については、「パネルの調達はインチ別に考えているが、今まで通り、東芝松下ディスプレイテクノロジーとの関係を基礎にしながらやっていきたい」とし、サムスンとの関係についても「特に変化はない」と答えた。
□松下電器のホームページ
(2003年10月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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