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シャープ、過去最高の売上・利益を達成した中間決算
-液晶パネルの生産力強化が急務、2004年春には低価格化も


佐治寛副社長
10月29日発表


 シャープ株式会社は29日、2003年度の中間決算を発表した。連結売上高は、前年同期比112.6%の1兆938億円。国内の売上は同104.4%の5,502億円、海外は同122.2%の5,436億円。営業利益は同119.8%の585億円、経常利益は同136.3%の522億円となり、純利益も同122.1%の279億円。いずれも過去最高という、好調な結果となった。

 佐治寛副社長は「最も好調なのは、AVと通信機器関連だった」と述べ、具体的な商品としては「液晶テレビ」や「カメラ付き携帯電話」を挙げた。また、IC分野でも、国内外で太陽電池の販売が好調だという。

 液晶テレビの売上げは、前年同期比201.6%の680億円となり、年間予想も80億円増の1,600億円に上方修正された。「大型モデルに販売比率がシフトしている」(佐治副社長)という。また、液晶ビューカムも同102.3%の158億円、携帯電話・PHSも同141.8%の1,651億円と堅調だった。

 また、液晶パネル全体では、液晶テレビだけでなく、携帯電話、カーナビなどに搭載するシステム液晶も需要が高まり続けており、「フル稼動で生産しても、供給が追いつかない状態」(佐治副社長)だという。

 こうした状況を改善するため、三重の第3工場に、2004年3月までにシステム液晶用の第2期ラインを導入すると発表。これにより、月産400万台の第1期ラインと、月産570万台の第2期ライン、月産250万台の天理工場を合わせ、従来の約2倍となる月産1,220万台の生産能力を得るという。

 また、2004年の1月にはハイビジョン対応の大型液晶テレビを主に生産する、亀山工場も完成予定。こうした状況を踏まえ、中期の設備投資も前年同期比127.7%の1,135億円となり、年間では当初の予測より420億円多い、2,200億円を予定。2,200億円の内、1,500億円を液晶関連の設備に割り当てるという。

 佐治副社長は「現在は液晶パネルの生産が追いつかない状態なので、年内は液晶テレビなどの価格はあまり下がらないだろう。しかし、2004年の春頃になれば、価格もこなれてくると思う」と、今後の見通しを語った。

 また、液晶パネルの外販については「液晶テレビで自社のライバルになるとしても、力の強いメーカーにもどんどん売って行きたい。急成長しているとは言え、全世界のテレビに占める液晶の割合は数%に過ぎない。世界に普及させ、大きな市場を作ることが大切だ」とし、今後もパネルの外販に力を入れていく考えを明らかにした。

 そのほかの分野では、カメラ付き携帯電話用のCMOSや、デジタルカメラ用のCCDが好調で、全体で前年同期比239.6%の291億円。携帯電話向けのCMOSでは、40%のシェアを獲得し、デジタルカメラ用のCCDでも、18%のシェアを達成したという。

 PC部門は、前年同期比86.7%の259億円となり、年間予想も同81.7%の500億円と、厳しい内容となった。これについて佐治副社長は「厳しい状況と言うよりも、値段を下げれば売れるが、儲からないので規模を縮小している状態」と説明した。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース(中間決算情報)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/kessan/h15_tyu/index.html
□ニュースリリース (三重第3工場ライン増設)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/031029-1.html

(2003年10月29日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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