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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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米国で10月にスタートした音楽配信サービス「Napster 2.0」に関する説明会が開催され、Roxio Napster部門のMichael J.Bebel COOがサービスについて解説した。 「Napster」はPeer to Peerのファイル交換ソフトして広く知られていたが、レコード業界からの度重なる訴訟の末、2002年6月に破産申請を行なっている。その後、競売にかけられ、Roxioが買収。Napsterブランドをいかした合法的な音楽サービスとして10月にスタートした。現在、Roxioによる新しいNapster 2.0のサービスは米国在住者に利用が限られている。 Bebel氏は、Roxioの戦略として、「あらゆるデジタルメディアを扱える、デジタルメディアカンパニーを目指す」というテーマを掲げ、その中核としてNapsterを位置づけた。
Napster 2.0は、Sony Music EntertainmentとUniversal Music Groupの合弁で設立された会員制音楽配信サービス「Pressplay」の技術をベースにしており、PressplayをRoxioが5月に買収し、Napster 2.0としてスタートした。Bebel氏は、SonyやUniversal、EMIなどのコンテンツフォルダがRoxioの株主として参加しており、それぞれと良好な関係を築いていることを強調。合法的なサービスとしてNapster 2.0が多くのパートナーに支持されていると説明した。 また、Napsterのブランドについては、「オンライン音楽のブランドとして、消費者の認知率は非常に高く、73%はNapsterのブランドをポジティブなモノと考えている」と、ブランドイメージの高さを強調した。
Napster 2.0のサービスは、同社が「Store」と呼ぶ、1曲0.99ドル/1アルバム9.95ドルの楽曲販売サービスに加え、Pressplayの技術をベースとした「Subscription」の2つのサービスが統合されており、「複合型のビジネスモデルが特徴」という。 Subscriptionは月額9.95ドルの購読料を支払うことで、Napster 2.0のライブラリから好きな曲を好きなだけストリーム再生/ダウンロードできるというもの。Storeサービスであれば、「iTunes Music Store」や「MusicMatch」など、Subscriptionサービスであれば、「Rhapsody」などの競合があげられるが、両者を統合したより充実した音楽配信サービスとしてNapsterを展開していくという。 なお、Subscriptionでダウンロードしたコンテンツに関しては、Windows Media 9のDRMが利用されており、他のデバイスへのコピーやCD-Rなどへの書き出しが制限されているほか、購読を停止すると再生不可能となる。 10月29日のNapster 2.0サービス開始以来、1週間で30万曲の販売を行なったほか、Subscription会員は数千人規模となっているという。年末までに8万人の会員獲得を目指しているという。
また、専用クライアントである「Napster 2.0」ソフトウェアのユーザーインターフェイスについて解説したほか、Microsoftと協力し、Media Center Edition用のインターフェイスや、Windows Media PlayerでNapsterサービスを利用するためのプラグインを用意していることを説明。さらに、Samsungと協力して開発したHDDオーディオプレーヤーを紹介し、パートナーとの良好な関係を強調した。 実際にNapster 2.0ソフトを使い、検索機能やインターネットラジオ機能などを解説。また、Napster 2.0では、ライブラリをユーザーが公開できる機能も搭載している。これは、サービス開始前のユーザー調査で、「ほかの人のコレクションが気になる」という意見が多かったためという。 従来Napster 2.0サービスを利用するためには、米国内のクレジットカードが必要だったが、11月中旬より14.85ドル/15曲ダウンロード用のプリペイドカードを利用したサービスも実施。カードは米国内の約14,000の小売店で購入できる。なお、米国で同カードを購入して、日本に持ち帰ってもサービスの提供は受けられない。
なお、日本での展開については、既にレコード会社などとの話し合いを開始しており、「今後、12カ月以内にサービス開始したい」という。日本でのサービス開始における課題についてBebel氏は、「知的財産の制度の違い」をあげた。また、EUなどでも同じく12カ月以内のサービス開始を目指しているという。 □Roxioのホームページ(英文) (2003年11月25日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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