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KDDI、光ファイバで映像を配信する「光プラスTV」を開始
-DVD並みの操作性と画質を実現。ネットやIP電話との同時利用も


12月12日サービス開始


 KDDI株式会社は、同社が提供する光ファイバを使ったブロードバンドサービス「KDDI光プラス」のサービスの1つとして、VODによるビデオコンテンツや、多チャンネル放送を配信する「光プラスTV」サービスを12月12日から開始する。

 光プラスTVは、IP電話やインターネット接続などと同様に、KDDI光プラスの契約者にサービスプランの1つとして提供される映像配信サービス。なお、KDDI光プラスのサービスは10月10日から既に開始されており、光プラスTVの開始によってすべてのサービス環境が整うことになる。

 KDDI光プラスは、主に百戸単位の大型集合住宅をターゲットにしたサービスで、マンションまでは最大1Gbpsの光ファイバを使用。建物内は最大70MbpsのVDSLなどを利用する。IPネットワークとは別に、専用のクローズドなCDN(Contents Delivery Network)を構築し、品質とセキュリティを管理。コンテンツの分散制御や優先パケット制御も行なっている。

KDDI光プラスの概要 様々なサービスをセットにすることで、低価格化を実現したという

 光プラスTVの映像フォーマットはMPEG-2で、ビットレートは4Mbps。IPマルチキャスト技術を導入しており、映像を見ながらインターネット接続やIP電話などを同時に利用しても、映像の品質やレスポンスの低下が起こりにくいという。

 ブロードバンド本部 ブロードバンド企画部 商品グループリーダーの圓谷道成氏は、「STBをもう1台追加して、最大2チャンネルの映像を同時に観ながら、IP電話やネットサーフィンをしても問題ない」と述べ、実際に同時利用のデモも行なった。同氏によれば、1戸のマンションに利用する1Gbpsの回線で最大480世帯まで対応できるという。

ブロードバンド企画部 商品グループリーダーの圓谷道成氏 2台のSTBで別々の番組を受信しながら、ノートPCで動画をストーリーミング再生、さらにIP電話を使用するデモ。映像が途切れたり、画質が低下することはなく、スムーズに再生されていた 多チャンネル放送とVOD、カラオケの3個のサービスを用意。「マイリスト」では、カラオケの楽曲を含む、任意のコンテンツへのリンクを登録できる

価格表

 チャンネル放送は、「ディズニーチャンネル」や「ディスカバリーチャンネル」、「MTV」などのベーシック25chと、「スター・チャンネル」などのオプション3chを合わせた計28chを用意。さらに独自コンテンツとして映画「アルマゲドン」など、約2,000作品のVODと、約3,000曲のカラオケも用意する。なお、カラオケは第一興商の協力による「karaoke@dam for KDDI」。

 月額料金は、IP電話とインターネット接続、光TVをセットにした場合、VDSL形式の「タイプV」が6,950円、Ethernet形式の「タイプE」が6,550円。なお、別途初期費用が3,000円かかるが、「光プラスネット」か「光プラス電話」と同時に申し込むと無料になる。また、月額680円を追加することでSTBをもう1台レンタルすることもできる。

 月額料金には25chのベーシックチャンネルの視聴料と、オンデマンドコンテンツ3作品、STBレンタル料(1台)が含まれており、毎月番組表を収録した小冊子も配布される。

 STBは松下電器製で、映像出力はコンポジット/S映像と、アナログ(RCA)音声出力を1系統用意。多チャンネル放送の録画は基本的に可能だが、VODコンテンツにはマクロビジョンのコピーガードがかかる。

 また、操作性はDVDに近い性能を実現しており、5/10/20倍の早送り・巻戻し機能や、10分間隔のスキップ機能、視聴年齢制限機能なども用意。視聴を途中で中断した際にはレジューム機能も利用できる。なお、2カ国語のコンテンツにも対応する。

STBは松下電器製。スリムな筐体を採用している 背面の端子部 視聴を途中で中断すると「しおり」が登録され、次回にレジューム再生ができる

 また、携帯電話との連携機能も装備しており、auの携帯電話向けに「EZweb」上で専用サイト「EZde光プラス」が開設されている。これにより、携帯電話からお勧め番組の検索や、プロモーション動画の閲覧、有料チャンネルの購入などが可能。さらに、VODの利用略歴や、STBに登録したお気に入りのチャンネル情報、カラオケの楽曲情報なども参照できる。

 サービス提供エリアはKDDI光プラスに準じ、2004年3月までに札幌市、仙台市、千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、名古屋市、滋賀県、京都府、大阪府、奈良市、兵庫県、高松市、広島市、北九州市、福岡市の一部エリアでの提供が予定されている。

 10月10日のサービス開始から、現在までの獲得利用者数は数百世帯だという。今後は2004年までは集合住宅を中心にしたサービス展開を続け、2005年度からは一戸建て住宅へのサービスも提供する予定。

 なお、今後の予定について圓谷氏は「メジャーなハリウッドスタジオなどとの交渉を進め、コンテンツも拡充したい」とし、同サービスを使って地上デジタル放送の再送信を行なう可能性についても「具体的な計画はまだないが、ユーザーからのニーズは多いと思うので検討していきたい」(同氏)と回答した。

携帯電話との連携も実現している PC用と携帯電話用の専用サイト。各チャンネルのサンプル動画などは、携帯電話からも閲覧可能。また、STBに登録したお気に入りのカラオケ楽曲コードを携帯電話から参照し、カラオケBOX(第一興商のDAM)で入力することで、同じ楽曲を楽しめるなどの連携機能も備える


□KDDIのホームページ
http://www.kddi.com/
□光プラスTVのホームページ
http://bb.kddi.jp/ftthservice/about/tv.html
□ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/1212/index.html
□関連記事
【10月8日】KDDI、最大1Gbpsのアクセス回線で提供する「光プラス」サービス (BroadBand Watch)
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/2875.html

(2003年12月12日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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