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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ソニーは8日、現行のMDとの再生互換を確保しながら大容量化を実現した「Hi-MD(ハイエムディー)」規格を策定したと発表した。Hi-MD規格の対応製品は6月より発売される。
Hi-MDの特徴は以下の4点が挙げられる。
大容量化は、記録方式が効率化されたことにより高密度化が可能となり、現行のMDディスクでも「Hi-MD」でフォーマットすれば、従来の約2倍の305MB容量となる。さらに、DWDD(Domain Wall Displacement Detection/磁壁移動検出方式)技術や、トラックピッチの変更などを行ない、より高密度化した1GB容量の「Hi-MDディスク」も用意される。 また対応オーディオフォーマットにも、新たにATRAC3plusを追加。さらに、リニアPCMにも対応するほか、ATRAC3plusのビットレートにも、従来の48kbps/64kbpsに、高音質モードの256kbpsを新設し、「高音質を実現した」という。 Hi-MDのファイルシステムには、パソコンとの親和性の高いFATを導入。Hi-MDフォーマットのMDディスクでは、テキストファイルや画像などのパソコンのファイルを記録できるPC用のデータストレージとして利用できる。また、著作権保護技術については、Net MDと同様にOpenMGとMagicGateを採用している。
発表会では同社ネットワークCE開発研究所 5グループ 研究部長 荒瀧裕司氏がNet MDの技術仕様について解説した。 荒瀧氏は、「MDは、'92年の発売からちょうど12年で大きな進化を遂げた。2000年のMDLP対応による記録時間の増加や2001年のNet MD対応などに続く、MDの進化の流れの中にHi-MDは位置づけられる」と説明した。 ファイルシステムについては、「今頃ですがFATを導入します」と話し、パソコンからのアクセスにはFAT領域を開放。ATRAC3plusなどのAVコンテンツもFAT領域に格納するが、転送時に暗号化が施される。Hi-MDフォーマットでは、著作権保護に必要な情報を記録する「Proprietary Area」を設け、その領域内の情報は保護される。そのため、パソコンからはデータの存在は確認できるが、コンテンツとして利用することが出来ない。
また、データ変調方式を従来のEFMから1-7RLLに、データ検出方式をBit by BitからPRMLに変更することで、約2倍の高密度化を実現。従来のMD(177MB)を305MBまで拡張した。 さらに、Hi-MDフォーマット専用の1GBディスクでは、レーザーをディスクに照射することによって生ずる温度差を用い、レーザービームよりも小さい記録マークを一時的に拡大して読み出す「DWDD」の採用や、トラックピッチの変更などで高密度化を実現。従来のMDと同じディスク径64.8mmで、1GBの記録が可能となった。 しかし、レーザー波長780nm、レンズ開口数(NA) 0.45と、従来のMDから光学系の変更は無いため、Hi-MD対応のハードウェアも「コスト構造を大きく変更すること無く実現できる」という。
また、Hi-MDではコーデックとしてATRAC3(65/105/132kbps)、ATRAC3plus(48/64/256kbps)とリニアPCMを採用する。荒瀧氏は「時間が経つにつれ、コーデックのアルゴリズムの進化や、半導体のムーアの法則(半導体の進化)などにより、低レートでも高いクオリティが実現できるようになる」とし、「ATRAC3plusの64kbpsは従来のMDクオリティ、256kbpsは従来のCDクオリティに迫る品質と自負している」と音質への自信を語った。 なお、Hi-MD対応機器では、従来のMDフォーマットのディスクの再生互換が必須となるため、従来機器で作成したディスクも完全サポートとなる。これはライセンシーにも必須項目となっているという。ただし、Hi-MDフォーマットのMDディスクを従来のMD再生機器で再生することはできない。荒瀧氏は「Hi-MDの特長を活かし、MDとしてのマーケットを拡大、ワールドワイドな存在にしていきたい」と意気む。 なお、発表会では6月に発売予定のHi-MD対応機器やHi-MDディスクもあわせて展示され、実動デモが行なわれた。
□ソニーのホームページ (2004年1月8日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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