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2004 International CESレポート 【東芝編】
HD DVDプレーヤーや、高速メニュー搭載メディアサーバーなど


開催期間 : 1月8~11日(現地時間)

会場 : Las Vegas Convention Center
     Las Vegas Hilton Hotel
     Alexis Park Hotel


HD DVD/DVDプレーヤー

 東芝のブースでは、DVDフォーラムで2003年11月18日に承認された「HD DVD」の再生専用機が参考展示されている。

 1つのレンズで赤色LDと、青色LDの2種類のレーザーに対応した新しいピックアップ機構を搭載しており、会場ではHD DVDと通常のDVDビデオを入れ替えながら再生するデモを行なっている。なお、同ピックアップ部は、NECが2003年の12月に発表したものではなく、東芝が新たに開発したもの。

 なお、HD DVDには2層で容量が30GBのディスクもあるが、展示機は2層ディスクの再生には対応していない。

新たに開発されたピックアップ部。1つのレンズで赤色LDと青色LDの2種類のレーザーに対応する 通常のDVDビデオとHD DVDを交互に再生するデモを行なっている 各社のHD DVDメディア。なお、Memory-Techとcinramによれば、現行のDVDメディア製造ラインを若干の変更するだけでHD DVDメディアの量産が行なえるという

HD DVDレコーダ。展示機では録画はできないが、ドライブ部に新開発のLSIを搭載している

 また、記録型(RW)規格に対応したレコーダも参考出品している。実際に録画することはできないが、ドライブ部にはDVDフォーラムでの規格策定を受けて開発された主要基盤をLSI化したものが搭載されているという。なお、同LSIを搭載することで5インチベイサイズを実現した、PC用のHD DVDドライブも展示されていた。

 PC用ドライブは東芝に加え、NECも出品していたが、東芝製のドライブはモックアップで動作しないモデルだった。また、NECのドライブは2003年12月に公開されたものと同じで、HD DVDの再生デモを行なっていた。

主要基盤がLSI化されたことでドライブが小型化。展示はモックアップだが、5インチベイサイズを実現した

NECが開発したHD DVDドライブと、5インチベイサイズのモックアップ HD DVDの仕様一覧


■ ハイビジョン映像配信が可能なメディアサーバー

ADMSのコンセプトモデル

 デジタルメディアサーバのコンセプトモデルとして、Intelが提唱するIPベースの家庭内映像配信規格「UPnP AV」に対応した、ADMS(Advanced Digital Media Server)のデモが行なわれている。

 大容量のHDDを内蔵し、ハイビジョン(HD)映像の記録・再生が可能。さらに、Ethernet経由でHD/SD映像をネットワーク上の端末に配信できる。IEEE 802.11a/b/gに対応しており、ワイドバンドレシーバと組み合わせることで、無線LAN経由の配信にも対応。また、Net-Tuneもサポートしており、オンキヨーの「NC-500」や「NC-500X」などへ音楽を配信することも可能になるという。

ADMSの機能概要図 HD映像の無線伝送を可能にするウルトラワイドバンド通信ユニット オンキヨーの「NC-500」や「NC-500X」などのへ音楽を配信することも可能

 CPUはCeleron 733MHz、チップセットにIntel 835を使用し、HD映像表示時を含め、メニュー画面の描画速度は従来の家電製品より格段に高速化しているという。TOSHIBA AMERICAのYoshi Uchiyama副社長によれば「誰にでも仕える操作性を実現したEasy-Naviというメニューを搭載する。開発陣の話では、PSXのメニュー画面より速い」とのこと。

 なお、同社は2003年のCESで、TiVoと提携するDMS「SD-H400」などを発表しているが、「TiVoを利用したレコーダの次世代機や、ハイブリッドレコーダの新機種という位置付けではなく、映像配信機能や操作性などの要素を取り入れたADMSという新路線の製品」(同氏)と、製品の位置づけを説明する。

試作段階のEasy-Navi。高速レスポンスと使いやすさを目指して開発しているという Yoshi Uchiyama副社長 SD-H400

 製品化の時期や価格はについては未定で、映像配信に利用する動画フォーマットやHDD容量など、細かい仕様も決定していない。展示されたモックアップには、RDシリーズの筐体を利用しているが、記録型DVDドライブなどを搭載するかどうかも未定という。

digital! experienceで展示されたMSIとWyseのDMS

 なお、CES会場の近くで開催されているデジタル家電、PC、ゲーム関連の展示会「digital! experience」でも、同コンセプトモデルが展示されていた。また、UPnP AVに対応したレコーダとしては、MSIとWyseが同様の製品を開発している。Wyseのモデルは2003年秋に発売済みで、MSIのモデルは2004年の第1四半期に発売予定。

 どちらのモデルもCeleron 733MHzを採用しているが、チップセットがIntel 815となっている。また、Wyseは無線LAN機能を内蔵し、VoIPにも対応している。


■ HDMIのサポートを強化。ユニバーサルプレーヤーも179ドルに低価格化

 DVDレコーダの新製品は、日本で既に発売されている「RD-XS32」と、HDDを搭載しない低価格モデル「D-R2」が発表された。発売時期はどちらも3月で、XS32が599.99ドル、D-R2が399.99ドル。XS32の仕様は日本向けモデルとほぼ同じだが、リモコンとメニュー画面の一部が異なる。D-R2はDVD-RAM/-R/-RW対応のマルチドライブを搭載。3次元Y/C分離回路や録画DNRなども装備している。

D-R2 RD-XS32

 なお、開幕前日に行なわれたプレスカンファレンスでは、DVDレコーダのラインナップ強化に加え、2004年にHDMIのサポートを強化することや、低価格DVDプレーヤーにSACD、DVDオーディオ再生機能を追加し、ユニバーサルプレーヤーを主流にしていくことなどが発表された。それを受けて、同社のブースには各新製品が並べられている。

 HDMIを搭載した機種としては、DVDプレーヤー「SD-5960」、VHS/DVDプレーヤーのコンボデッキ「SD-V592」を展示。SD-5960は3月発売で199.99ドル、SD-V592は7月発売で価格未定。さらに、低価格ユニバーサルプレーヤーの新製品として「SD-4960」と「SD-6915」も発表されている。薄型の「SD-4960」は6月発売で179.99ドル、5枚チェンジャを搭載した「SD-6915」は5月発売で価格は199.99ドル。

SD-5960 SD-4960 SD-6915

 ほかにも、15インチ(4:3)のTFT液晶ディスプレイを搭載したポータブルDVDプレーヤー「SP-5000」なども発表された。パネル解像度は1,024×768ドット。DVD-RやCD-Rに記録したMP3やWMAファイルの再生にも対応する。最大の特徴は壁掛けに対応していることで、プレーヤー底部をとめ具で固定できる。4月発売で価格は799.99ドル。

SP-5000。本体底部に金具をつけることで壁掛けに対応 8.9型ワイド液晶ディスプレイを搭載したSD-P2600。プログレッシブ再生にも対応している

ブースではリアプロジェクションテレビが人気を集めていた digital! experienceの東芝ブースでは、2003年12月に発表された0.85インチHDDが展示されていた。秋頃の発売を目指しており、携帯電話やポータブルHDDプレーヤーなどに組み込まれる予定


□2004 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/

(2004年1月9日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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