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松下、2003年度通期の見通しを修正し、利益を3割増し
-3QはPDPとDVDレコーダが好調、増収増益に


川上徹也常務取締役
2月6日発表


 松下電器産業株式会社は6日、2003年度第3四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比105%の2兆313億円、税引前利益は同169%の830億円と増収増益を達成した。

 これらを踏まえ、2003年度通期の業績予想のうち、税引前利益を33.3%増額し、1,200億円から1,600億円に上方修正した。会見で経理担当の川上徹也常務取締役は「潜水艦でいえば潜望鏡が出たところ。V字回復を目指し、更なる飛躍に結びつけたい」とたとえた。

 また、構造改革費用も当初の500億円から800億円に増やすと発表した。川上常務は「800億円に対して300億円の効果が見込める。2年で取り戻す」とコメントしている。

第3四半期業績 上方修正後の通期見通し

 第3四半期における商品部門別の売上をみると、全体の50%を占めるAVCネットワーク(映像・音響機器、情報・通信機器)が1兆134億円(同110%)と堅調。AVCネットワーク中の映像・音響機器は4,571億円(同103%)。アプライアンス(3,069億円、同101%)、その他(1,837億円、111%)も増収となった。V商品の売上は4,300億円。

 AVCネットワークの商品部門のうち、最も伸びた商品がPDPテレビで同148%の410億円となった。次いでDVDプレーヤー(レコーダを含む)が同121%の533億円。対して、ビデオは同79%と減少した。パナソニックブランド全体の国内シェアは金額で22%、前年同期比で0.1%上昇している。

 PDPおよびDVDレコーダの2003年度における台数予想は、それぞれ45万、221万としている。2006年度にはそれぞれ240万、680万を予想している。なお、DVDレコーダについては「短期的にシェアを落としたものの、長期的にはシェアをとりに行きたい」(川上常務)との発言もあった。

 一方減収は、デバイス(3,014億円、同96%)、日本ビクター(2,259億円、同98%)の2部門。

 デバイスは一般電子部品、モーター、電池が低迷し、半導体の伸びをカバーできなかった。日本ビクターはフラットテレビとDVDレコーダが好調だったものの、CRTテレビとビデオ機器が落ち込んだ。

第3四半期における売上高の推移(左からAVCネットワーク、デバイス、日本ビクター)

 なお、松下電器全体の海外販売の地域別実績は、米州が前年同期比94%、欧州が同101%、中国が128%、アジアが107%。

 川上常務は、市場の価格低下について「前年比で3.6%、731億円低下した」と発表した。「価格低下は2004年も止まらない。価格の下がらない(昨日決算発表のあった)トヨタ自動車さんがうらやましい」とコメント。価格低下には合理化で対処し、特に在庫日数は前年より4日短縮し37日になったという。また、「一番の合理化は付加価値の高い新製品を出すこと。あわせて、調達なども工夫したい」と述べた。

 また、価格低下については、アナログ商品、特にCRTテレビでの低下が厳しかったことを明かした。一方、デジタル商品では、品不足から供給不足になったという。「中でもDVDレコーダが激戦となり、チャンピオンメーカーがドラスティックな価格で提供した。これが価格低下に影響した」と語り、年末におけるソニーの存在感を認めている。

 今後は「半導体の力が勝敗を決するだろう。システムLSIなど、デジタル商品で部門共通のプラットフォームを作りたい」との方針を示した。

 なお、営業外損益の1つとして、厚生年金基金代行返上による396億円の利益が生じた。川上常務は「年金問題はこれで山を越えた」と話している。同社の年金積立不足は、2003年度で約1兆円、2004年度には約4,000億円になる見込み。同社では代行返上に加え、制度の変更、運用利回りの良化を増減要因に挙げている。

営業利益分析 棚卸資産の推移 設備投資

□松下電器のホームページ
http://matsushita.co.jp/
□ニュースリリース(2003年度第3四半期連結決算概要)
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040206-2/jn040206-2.html
□ニュースリリース(通期業績予想の修正に関するお知らせ、PDF形式)
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040206-3/jn040206-3.html
□関連記事
【1月9日】松下、新中期経営計画「躍進21」。営業利益率5%を目指す
-2004年のDVDレコーダ世界市場でシェア40%が目標
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040109/pana.htm
【2003年2月20日】松下、第3四半期決算を発表。純利益は209億円
「一応、V字回復を達成」-川上取締役
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030220/pana.htm

(2004年2月6日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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