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日本電信電話株式会社(NTT)は8日、家庭の電話、PC、テレビ、インターフォンなどの異なる分野の家電、およびネットワークを連携させるサービス制御プラットフォーム「ホームサービスハーモニー」を発表した。
最大の特徴は、家庭内の異なるネットワークを統括的に制御できること。
現在各社が開発しているホームネットワークシステムは、PCやTV、デジタルレコーダなどの情報家電を繋げてネットワークを構成するものや、冷蔵庫や電話、インターフォン、照明など、旧来の家電をネットワークに対応させるものなど、様々なアプローチがある。しかし、家庭内にあるこうした複数のネットワークには互換性がなく、ネットワークを越えた連携サービスの提供は難しかった。
そこで同社は、OSGi(Open Service Gateway initiative) Allianceによって策定されたオープンプラットフォームを利用し、各種ホームネットワークを統括する独自のサービスゲートウェイを試作。ハードウェアとOS、Javaバーチャルマシンで構成されており、必要なプログラムモジュールをダウンロードすることで、オープンな規格であれば、様々なネットワーク規格に後付けで対応できるという。 これにより各家電の連携が実現。具体的には、TVやビデオを鑑賞中に電話がかかると、自動的にTVの音量が下がり、電話が聞き取りやすくなるといった機能が実現できる。 さらに、ユーザーのプロファイルを記憶したゲートウェイが、電話相手の緊急性・重要性を自動的に判断。重要な場合は電話を受けるとTVのタイムシフト機能が効いたり、再生が一時停止になる。また、知らない相手の場合は着信音を鳴らさず、留守番電話に切り替わり、そのまま視聴を続けられるといったサービスも実現できるという。なお、ユーザーの認識は無線ICタグ「RFID」で行なう。
発表会場ではほかにも、インターフォンの来客対応をテレビで行なったり、テレビに表示した動画・静止画コンテンツを、IPネットワークを経由して知人の家のテレビやPCに表示するといったデモも行なわれた。
こうした連携を実現するため、サービスゲートウェイは各家電の機能をオブジェクト化して認識。「TVは絵を表示し、音を出す」、「人間は目で見て、耳で聞き、口で話す」などの情報をもとに、「電話は耳を占有するが、目は空いているので、TVの音を消して画面は表示し続ける」といったサービスを、オブジェクトを自動的に組み合わせて生成し、提供するという。
■ 1~2年後の実用化を目指す
ホームサービスハーモニーの開発動機について、NTTサイバーソリューション研究所 ホームネットワークサービスプロジェクト プロジェクトマネージャーの藤井伸朗氏は、「ホームネットワークの研究は各企業が進めており、デジタル家電だけでなく、白物家電、電気、ガスといったサービスもネットワーク化されつつある。しかし、各ネットワークの連携がとれていないことが気がかりだった」と述べ、メーカーの枠を超え、ユーザーの利便性を追求することが重要だとの考えを示した。 しかし、家庭内に複数のネットワークが導入されている事例は少ない。藤井氏は「実際にこうしたサービスを受けるためには、まだ1~2年の時間がかかるだろう」とした上で、「今後は様々なネットワークプロトコルに対応する資源バンドルの開発、サービスバンドルの開発、サービスバンドル製作支援ツールの開発、OSGiなどを通じた技術仕様の標準化・オープン化を進めていきたい」とした。
□NTTのホームページ
(2004年3月8日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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