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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日本ビクター株式会社は、初のホームシアター向けD-ILAプロジェクタ「DLA-HD2K」を5月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は240万円前後と見られる。 DLA-HD2Kは、解像度1,920×1,080ドットの0.8型D-ILAパネルを採用したホームシアター向けプロジェクタ。1080iのハイビジョン映像(HD映像)をリアル解像度で投写できるのが特徴で、国産のフルHD対応モデルとしては、ソニーの「Q004-R1」(クオリア)に続く製品化となる。 民生用モデルには珍しく、投写を行なう「プロジェクションヘッド部」と、映像入力やスケーラなどを備える「デジタルビデオプロセッサー部」に分離したセパレート構造を採用する。プロジェクションヘッド部は、2003年10月発売の「DLA-HX1D」とほぼ同じ筐体を使用している。
デジタルビデオプロセッサー部はファロージャと共同開発。DCDi技術も盛り込まれている。プロジェクションヘッド部とはデジタルRGBで接続し、接続距離は通常タイプのケーブルで推奨5m、光伝送タイプで15~50mとなっている。 セパレートにした利点として同社は「すっきりとした屋内配線とプロジェクション部の小型化による設置の容易さ」を挙げている。
搭載するD-ILAパネルはホームシアター向けに新開発したもので、2003年8月に開発を告知している。ハイエンドホームシアターやポストプロダクションなどでの使用を想定しており、パネル単体でのコントラスト比は5,000:1。従来のD-ILAパネルに対し、高精細化とワイド化を施したほか、画素電極部分を平坦化することで映像の乱れをなくし、コントラストを向上した。 光源に250WのNSHランプ(超高圧水銀)を搭載し、コントラスト比は2,000:1、明るさは500ルーメン。レンズは光学1.3倍ズームで、新設計の10群13枚構成のオールガラス、オールアルミ鏡筒となっている。 また、絞りを猫目や楕円ではなく、矩形開口(スクエア)にすることで、フレアやコントラストの低下を抑えたという。ズームポジションによって絞りを最適化し、テレからワイドまで同じレベルのコントラストを実現した。ズームおよびフォーカスは手動。
なお、超高圧水銀ランプ特有の分光特性を解消するため、照明光学系にRGBごとにF値を調整するカラーフィルター付きの集光レンズ「Optimum Color Illumination」を内蔵。また、フィルターによるトリミングなどで、SMPTEのHDTV規格を越える色範囲を実現したという。 プロジェクションヘッド部の外形寸法は298×360×134mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6kg。 デジタルビデオプロセッサー部の入力端子は、RGBHV(BNC)×1系統(コンポーネントと兼用)、アナログRGB(D-Sub15Pin)×1系統、デジタルRGB(HDCP対応DVI-D)×1系統、コンポジット(BNC)×1系統、Sビデオ×1系統となっている。出力端子は、デジタルRGB、RGBHV(BNC)を各1系統備える。外形寸法および重量は438×303×45mm(幅×奥行き×高さ)、6.3kg。
発表会に出席したILA副センター長の成瀬常秀氏は、2004年におけるホームシアター用プロジェクタの市場規模を、世界52万3,000台、国内13万台と解説(富士キメラ総研の予測)。 その中でハイエンド向けは北米1万台、欧州5,000台、国内2,000台の規模と見られる。ハイエンド向け市場において、DLA-HD2KとDLA-HX1で「世界シェア15%を目指す」とした。日米欧の出荷比率は、国内25%、北米50%、欧州25%を予定し、2004年度に計800台を販売する計画。 また、Intelの参入などでLCOSが話題を集めていることについて、「D-ILAもLCOSの一種だが、高解像度、高開口率、高輝度などはD-ILAが優れている。さらにLCOSは量産が難しいとされているが、D-ILAは'97年からの量産実績がある」と、優位性を強調した。 会場では、D5素材にテレシネした映画「シカゴ」や、HDカメラで撮影した屋外ライブの映像を120型16:9スクリーンに投写した。また、今回のデモのために、HDMI出力を特別に設けたD-VHSレコーダも持ち込まれていた。
□ビクターのホームページ (2004年3月10日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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