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「映画テレビ技術・Digital Production 2004」開幕
-BHAがHD対応XVDハードウェアエンコーダを展示


会期 6月2日~6月4日

会場 東京ビッグサイト西3ホール


 映画テレビ技術、コンテンツ制作に関する展示イベント「映画テレビ技術・Digital Production 2004」が2日、東京ビッグサイトで開幕した。期間は4日までの3日間。入場料は1,000円。主催は、社団法人日本映画テレビ技術協会および社団法人日本能率協会。出展は70社150小間。


■ XVDのリアルタイムHD変換デモを行なったBHA

 BHAが参考出展したのは、映像圧縮フォーマット「XVD」を利用したHD伝送システム「XVD CAMCAST HD」。1080i/720pの映像をDSP4個を搭載したハードウェアエンコーダに入力、3.5~8Mbpsに圧縮して出力する。今秋に発売する予定。

 会場では、MPEG-2 TSの1080i映像を4MpbsのXVD形式にリアルタイム変換するデモを行なった。同社が導入イメージとして紹介していたのは、撮影現場のHDカメラからIEEE 802.11gで中継車に送信、中継車内のレシーバから放送局までは衛星回線やインターネットで送信するというもの。NAB 2004で参考出品され、国内の展示は今回が初めてという。

 デモではD-VHSからIEEE 1394で出力したMPEG-2 TSをデジタルチューナでデコードし、DVIでXVD CAMCAST HDに入力・変換している。1秒ほどの遅延はあるものの、映像品質を極端に落とすことなく送信できるとあって、来場者から注目されていた。

 また、同じくNAB 2004で発表したIEEE 802.11gユニット内蔵エンコーダ「XVD CAMCAST PROFESSIONAL」も展示した。こちらはSD映像用となる。

XVDでのリアルタイムHD変換をアピールしたBHA 今秋発売予定のXVD CAMCAST HD


■ デジタル版アリフレックスが参考出品

 デジタルシネマ関連では、ソニーが24Pカムコーダの「HDW-F900」(CineAlta)、松下電器が「AJ-HDC27F」(VariCam)といった主力製品を中心に、実機を実際に操作できる状態で展示した。また、松下電器はVariCamなどDVCPRO HD対応機材が2005年春公開の「あずみ2」に採用されたことをアピールした。

 フィルムカメラメーカーでは、ARRI(Arnold & Richter Cine Technik)が、バリアブル撮影対応のデジタルカメラ「D-20」を参考出品していた。すでに開発発表されている機種で、発売時期など未定。

 35mmフルアパチュアと同サイズのCMOS単板センサーを採用し、解像度は2,880×2,160ドット。1秒あたり1~72コマの可変撮影が可能で、出力はHD-SDIを3系統備える。光学ファインダーや回転ミラーシャッターも搭載。

ソニー「HDW-F900」 松下電器「AJ-HDC27F」 ARRI「D-20」


■ コダック、シネアド向け配信・管理システムをアピール

 コダックは映画カラーネガフィルム「VISION2」ファミリーを中心に紹介。また、「ルックマネージャーシステム」も参考出品した。撮影したフィルムをスキャンし、プリプロダクションからラボなどの各セクションで、フィルムのルックを共有するためのカラーマネジメントシステム。

 プリント時のシミュレーションを行なえるほか、設定数値のファイルエクスポートなどが可能。撮影監督が撮影前に決定したルックを、ラボまで一貫して統一できるという。また、カメラテストのような試行錯誤を必要とする作業にも利用できる。各セクションのモニターキャリブレーションを行なう「ディスプレイマネージャーシステム」を内包。市場投入時期は未定。

 さらに、シネアド(劇場広告)供給業者向けのデジタル配信システム「デジタルシネマプリショーシステム」のデモも実施した。すでに米国のシネアド大手、シネマスクリーンメディアへの導入が5月に発表されている。

コダック ルックマネージャーシステム デジタルシネマプリショーシステム

 プリショーとは、映画本編の前に上映する予告編や広告宣伝などのことで、同システムはプリショーの配信と管理を行なうもの。シネアド供給業者がPCで作成した「プレイリスト」を使い、映像をコダックが配信、劇場でのプロジェクターごとの上映スケジュールを設定する。上映は「一度だけ」、「繰り返し」などの属性を設定でき、プロジェクタの異常を知らせる機能もある。

 基本的な機材は劇場に1台のサーバー、プロジェクタ1台ごとにクライアントPCといった構成。サーバーは170~180万円程度。国内でも関東の一部の劇場で採用済みという。


ソニー「LMD-320W」

 そのほか、ソニーが32V型の業務用液晶モニター「LMD-320W」を展示した。8月10日に発売し、価格は821,100円。

 パネル解像度1,280×768ドット、上下左右の視野角85度(コントラスト10:1の場合)の液晶ディスプレイで、入力ユニットの「MEU-WX1」が付属する。SD信号入力時の表示ディレイを軽減する「PIC遅延最小モード」などを搭載。映像入力はオプションスロット(コンポジット/Y/G、S-Y/YB/B、S-C/YR/R)によって異なる。0%、5%のオーバースキャン表示も可能。

 同時に21V型の業務用液晶モニター「LMD-210」も発売する。価格は399,000円。パネル解像度は1,024×768ドットで、32V型と同じく入力ユニットが付属する。

□映画テレビ技術・Digital Production 2004のホームページ
http://www.jma.or.jp/dp/movie_tv/
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【2003年5月16日】「映画テレビ技術・Digital Production 2003」開催
-NECビューテクがDLPシネマ用プロジェクタを参考出品
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030516/dp.htm

(2004年6月2日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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