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Silicom Image、日本法人「シリコンイメージジャパン」を設立
-デジタルRGB伝送規格「HDMI」など国内市場の開拓を担当


HDMIのロゴ
6月7日発表


 米Silicon Imageは7日、日本法人「シリコンイメージジャパン株式会社」の設立を発表した。国内での市場の開拓と事業全般を行なう。社長は田溶吉氏。

 都内で実施した発表会では、会長兼CEOのデービッド・リー氏、家電製品担当バイスプレジデントのジョン・ルモンチェック氏が登壇。国内で採用機器が増えつつある家電向けのデジタルインターフェイス「HDMI(High-Difinition Multimedia Interface)」を中心に、今後のビジネス展開を解説した。

 HDMIは、DVIと同じく、TMDSリンクを用いたデジタルRGB伝送の家電向けインターフェイス。VGA~SXGA、480i/576i/480p/576p/720p/1080i/1080pといった解像度をサポートし、デジタルRGBを非圧縮で伝送する。さらに、S/PDIFやDVDオーディオなど、デジタル音声の伝送も同時に行なう。DVDプレーヤー、ハイブリッドレコーダ、各種デジタルテレビなどを対象としており、HDCPによるコピープロテクションにも対応している。

 国内では2003年から薄型テレビ、プロジェクタ、DVDプレーヤーの一部に搭載されているが、関連技術のHDCP対応DVIと共に、普及はこれからといった状況。

HDMIのメリット 対応機器によるシステム概念 ケーブル1本で映像と音声を伝送する

2004 International CESで展示されたMonster CableのHDMIケーブル

 ジョン・ルモンチェック氏は、HDMIのメリットとして「非圧縮デジタルRGBの高画質、接続の簡便化」を説いた。「家庭内の伝送システムが複雑化しているが、それを解消するのがHDMI。家電のデジタルハブを提供したい」(同)。

 また、日本市場について、「HDMIの策定に関わり、牽引しているのは日本メーカー。世界初の製品化も日本メーカーだった」と語り、デジタル放送の品質や液晶テレビの普及を挙げ、「日本市場は特に品質に関心が高い。デジタル伝送による高画質化をアピールできる」と期待を述べた。

 Silicon Imageでは、PC市場向けの「PanelLink」(DVI)、エンタープライズ向けの「SATALink」(シリアルATA)と共に、家電業界へは「PanelLink cinema」というブランドネームでHDMIチップをプロモーションする。また、小売やユーザー向け教育についてMonster Cableとアラインスを結んだことを明らかにした。今後はコンテンツの互換性に関する消費者向け規格基準を推進。さらに常時アクセス環境でのセキュアなど、機能改善を進めるという。

デービッド・リーCEO(左)、ジョン・ルモンチェック家電担当バイスプレジデント(右) 日本法人シリコンイメージジャパンの田社長

 またリー社長は、家電製品へのSATAの導入について「外付けのSATAインターフェイスについて標準化を進めており、STBなどに組み込めるだろう」とコメントした。

 一方、新会社の田社長は「数年来、日本でのマーケティング活動を行っていたが、現地法人の設立により顧客との信頼関係が充実する。コミュニケーションに力をいれ、顧客とは誠意もって接したい」と挨拶した。

 なお、当日配布された資料によると、480i~1080pの映像と同時に、32~96kHz PCM×8ch、192kHz PCM×2ch、DVDオーディオを伝送可能な「Sil 9030」(送信用)と「Sil 9031」(受信用)が2004年第2四半期に提供されたという。

日本ビクターの幸田和雄AV統合システム推進部長

 また、日本ビクターのAV統合システム推進部長兼VHS標準センター所長、幸田和雄氏が顧客代表として挨拶した。同氏によると、JVC(ビクターの米国および欧州ブランド)ではD-VHS規格を利用したパッケージソフト「D-Theater」の開発・導入に伴い、非圧縮HD映像のコピープロテクションの問題に突き当たった。アナログコンポーネント出力に対するハリウッドからの強い懸念を受けてのこと。

 すでにアナログコンポーネントのコピープロテクションとしてはCGMS-Aが存在していたが、「将来的に通用しない」(同)と判断し、次世代のコピープロテクションを求めたという。

 JVCが結果的に行き着いたのがDVI。「伝送量を考えると、一般の家電には不必要なスペック。しかし、これこそが解だと思った」と話す。2001年10月には世界初のHDCP対応DVI入力付きのテレビを発表、小売やユーザーからも好評だったという。その後、HDCP対応のD-VHSやD-Theaterを展開し、現在、D-Theaterのリリース数は100タイトルに上る。

 HDCP対応DVIについて同氏は「当初はセキュリティの面から採用した。しかし、その後は画質で評価されはじめた。『シアター市場ではデジタル伝送でないと』という風潮も生まれた」と説明し、「ディスプレイのデジタル化にあわせて入出力もデジタル化される。(DVI/HDMIが)世界標準になると確信している」とコメント。「良いチップを低コストで供給していただきたい。日本法人に期待している」と締めくくった。

□Silicon Imageのホームページ(英文)
http://www.siimage.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.siimage.com/press/06_07_04.asp
□関連記事
【2002年12月11日】次世代テレビ向けのインターフェイス規格「HDMI」の仕様を公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021211/hdmi.htm

(2004年6月7日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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