◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ソフト・オン・デマンド、「あじさいの唄」でアニメ市場に参入
-ジブリに対抗。子供達に希望を与える作品を


8月19日より順次発売

標準価格:「第1巻」2,079円

品番:「第1巻」CRBD-2030
    「第2巻」CRBD-2031
    「第3巻」CRBD-2032


 ソフト・オン・デマンド株式会社は29日、東京の「お台場・大江戸温泉物語」にてアニメDVD「あじさいの唄」の記者発表会を開催。高橋がなり代表をはじめ、俳優の蟹江敬三氏ら出演者一同が登場。タレントの島崎和歌子さん、眞鍋かをりさんも応援にかけつけ、同作品の魅力を語った。

第1巻「~うすあさぎ~」
(C)森栗丸/小学館・ソフト・オン・デマンド 2004

 ソフト・オン・デマンドは、実写のアダルトビデオを中心に、Vシネマやアダルトアニメなどを手掛けるソフト制作会社。今回は新機軸として、大人から子供までが楽しめる一般向け作品を目指し、小学館のビッグコミックオリジナルで連載中の漫画「あじさいの唄」(森栗丸著)をアニメ化した。

 構想8年、制作1年、総制作費2億円という本格的なプロジェクトで、全3巻を予定。発売日は第1巻が8月19日、以降第2巻が9月後半、第3巻が10月後半を予定している。なお、第1巻「うすあさぎ」の価格は、収録時間60分のアニメでありながら2,079円という低価格設定になっている。

 同社の高橋がなり代表は、一般向けのアニメを制作するに至った動機として「様々な職を転々として借金王と呼ばれたこともあったが、アダルトビデオで成功して急に金持ちになってしまった。根が貧乏なのためか、金が入ると落ち着かない。沢山あれば、億単位で使わないと我慢できない。かといって、外車や豪邸を買う趣味はない。そこで、自分の作りたい作品のために金を使おうと考えた」という。

高橋がなり代表。「テリー伊藤氏の下でテレビ番組を作っていた時は、テリー氏に喜んでもらえる映像。アダルトビデオでは、お客さんに喜ばれる映像を作って来た。しかし、自分の作りたい作品を作ったことがなかった」という

 「作りたい作品を考えた時、頭に浮かんだのは6歳になる息子のこと。彼は何回も何回も飽きずにスタジオジブリのアニメを観ている。それを見ていて、同じ映像クリエイターとしてジブリに凄いジェラシーを感じた」と話す。そして「ジブリに対抗できるような、子供達に希望を与えられる作品を作るため、自分と妻が大好きな“あじさいの唄”をアニメ化しようと考えた」と語った。

 「あじさいの唄」の舞台は江戸時代。母を亡くしても、明るく元気に生きる男の子・栗太郎と、彼を見守る優しい浪人の父上、捨て犬の栗之助の日々を温かい視線で描いた作品。ビッグコミック誌上で10年以上に渡って連載され、漫画家協会賞も受賞。笑いあり、涙ありの人情物語で幅広い層に親しまれている。

栗太郎と愛犬の栗之助 家族の生活をほのぼのと、情感豊かに描いている
(C)森栗丸/小学館・ソフト・オン・デマンド 2004

 父上役の蟹江敬三氏は、今作が声優初挑戦となる。「事務所から漫画の単行本と脚本が届いて、最初は漫画が原作のドラマに出るのかと思って読んでいた。しかし、どうもいつもの台本と違う。中にイラストも入っていて、もしかしてこれはアニメか!? と気づいた」という。「この歳で初挑戦というのも難しく感じたが、台本を読んだだけでほろりときてしまう素晴らしい作品だったので、ぜひチャレンジしようと考えた」とのこと。

 栗太郎を演じた宮谷恵多君は、栗太郎というキャラクターについて「すぐ泣いてしまう男の子」と説明。「演技でも泣くシーンが難しかった」という。栗太郎の小さい頃と、愛犬・栗之助を演じた声優の坂本千夏さんは「栗之助はワンという泣き声だけですが、言葉を語るように、泣き声で様々な感情を表現した。こういう役が頂けるのは声優としては名誉なことだと感じた」と話す。

左から蟹江敬三氏、宮谷恵多君、坂本千夏さん 監督の外山草氏は「爆発などのインパクトのあるシーンは無いが、大切なことをきっちりと描きたい」と作品にかける想いを語った。なお、制作を担当しているグループ・タックは、まんが日本昔ばなしや銀河鉄道の夜なども手掛けた名門スタジオ

 また、母親を演じた和久井映見さんもビデオレターを寄せ、「女優としてだけでなく、子供を持つ母の1人として、こういう作品を見せていただき、参加させていただき光栄に思う」とコメント。主題歌として「僕の胸でおやすみ」、「おまえが大きくなった時」の2曲を提供したかぐや姫の南こうせつ氏も「美しい映像を通して、人生の中で何が大切なことかを教えてくれる作品」と絶賛した。

母親を演じた和久井映見さん、主題歌を担当したかぐや姫の南こうせつ氏もビデオレターを寄せた。なお、原作者の森栗太郎氏からは、イラストと文章が贈られた

 ほかにも、音楽面では「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」を手掛けた大川正義氏がプロデューサーとして参加。こうした豪華なスタッフの起用について高橋氏は「アニメの世界では新参者なので、がむしゃらにチャレンジし、スタッフ面でも理想を追求した。アダルトビデオメーカーということで良い返事をもらう自信がなかったが、良い作品を作りたいという信念で動いたところ、小学館や森栗丸先生、蟹江敬三さんなど、様々な人に出会え、皆が参加を快諾してくれた」と感謝の気持ちを示した。

 なお、60分で2,079円という、アニメとしては異例の価格設定について高橋氏は「オタク向けの一部の人しか観ない作品ではなく、一般の人、特に子供を持った家族すべてに見てもらいたいという気持ちの表れ。最初から2,079円で売ると決めていた」という。記者から採算性について質問が飛ぶと「12万枚でペイするとか細かい話はあるが、作品が優れていれば売れるし、何かが欠けていれば売れないだけ」と言い切り、あくまで理想を追求した作品作りに徹している。

発表会の最後には、「あじさいの唄」のファン代表として島崎和歌子さんと、眞鍋かをりさんが登場。作品の魅力について語り、高橋代表やスタッフに花束を贈呈した

家族の絆を描いた作品ということもあり、自然と(?)島崎さんの結婚について話がそれていった…… 発表会はお台場の大江戸温泉物語で行なわれた。巨大な湯船や足湯などを用意するほか、マッサージサービスや食事も可能。館内は江戸をイメージした作りになっており、ゆっくりくつろげる


□ソフト・オン・デマンドの公式サイト
http://www.sod.co.jp
□アニメ「あじさいの唄」の公式サイト
http://www.ajisainouta.jp/

(2004年6月29日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.