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総務省、電波利用料の見直しを検討し、無線LANへの課金も検討
-JEITAは反対意見を表明


7月22日発表


 総務省は、7月15日に開催された電波有効利用政策研究会における電波利用料制度の見直しの報告書(案)をまとめ、意見募集を開始した。

 中でも注目されるのは、不要免許局からの利用料徴収が検討されていること。'93年の電波利用料制度の導入当時は、コードレス電話やラジオマイクなどの狭い範囲で利用されていた免許不要局だが、最近では無線LANやPHS、電子タグ、ETCなどの利用分野が拡大。さらに、割り当てられている帯域幅も、利用料創設時の約90MHzから約100倍の9,500MHzに拡大し、今後の電波の逼迫状況を深刻化させる要因のひとつになっているという。

 研究会では一定の免許不要局からは応分の電波利用料を徴収すべきとの見解と、自由な電波利用環境を維持すべきとの意見が出されているが、免許不要局の電波の利用形態に即して徴収の適否の検討が必要と判断したという。

 そこで、現在免許が不要な各種小電力無線システムについて、周波数割り当てにおける電波の占用の有無/程度を勘案して、「帯域占有型(情報家電専用帯域等)」と「帯域非占有型(微弱無線局/ISM帯域/すき間利用型等)」に分類して検討を進めるという。

 このうち帯域占有型では、「電波利用料負担の公平性」や、「経済的価値を勘案した利用料額を徴収し電波利用活用を推進する」、「電波利用社会の発展のため必要な財源を広く薄く利用者全体で負担するのが適当」、「電波監視などの利益を受けている」などを理由に、利用料額の応分の負担を求めることが適切という意見が出ているという。

 ただし、既存周波数帯域において既に開設されている免許不要局との負担の公平性や、逼迫地域と非逼迫地域の区別が困難などの指摘もあり、「IT進行の観点や徴収コストの観点から、運用において政策的な配慮や特例を設けることなどの検討も必要」としている。

 また、徴収方法についても、携帯電話のようにユーザーからではなく一括して事業者から徴収する例や、機器製造メーカーが出荷時に課金する方式、基準認証の実施者等に課金する方式、流通段階で課金する方式なども検討するという。

 なお、同研究会の報告書(案)をうけて、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は21日に正副会長会議を開催。免許不要局からの利用料徴収に反対することを決議したと発表した。

 JEITAでは「電波の有効活用の重要性は認識している」としながらも、「わが国が目指しているユビキタスネットワーク社会の重要な担い手となる、免許不要局からの利用料徴収はIT産業の発展/普及の阻害要因になる」と、危惧を表明。

 さらに、「免許不要局は国民が自由に利用すべきもの」、「e-Japan戦略基本方針に反する」、「IT投資促進税制の政府方針に反する」、「電波利用料の使途を拡大すべきでない」、「小電力無線局から電波利用料を徴収している国は無い」など10項目の問題、課題を指摘している。

 総務省による意見募集は8月24日午後2時まで受け付けており、郵送やFAX、電子メールでの提出が可能となっている。

□総務省のホームページ
http://www.soumu.go.jp/
□「電波有効利用政策研究会 最終報告書(案)」に関する意見の募集
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040722_1.html
□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□ニュースリリース
http://www.jeita.or.jp/japanese/press/2004/0721/index.htm

(2004年7月22日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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