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松下、第1四半期の最終利益は前期比1,216%
-65V型PDPテレビやホームネットワーク製品の発売を予告


川上徹也専務
7月29日発表


 松下電器産業株式会社は29日、2004年度第1四半期の連結決算を発表した。デジタルAVの成長やアテネ五輪特需が貢献し、売上高は前年同期比119%の2兆1,020億円と増加した。

 利益面では、営業利益が同217%の435億円、税引前利益が同319%の805億円、純利益が同1,216%の328億円。300億円以上の純利益は、'91年以来、13年ぶりとしている。

2004年度第1四半期連結業績 2004年度上期上方修正の内容

 部門別では、AVCネットワーク(映像・音響機器と情報・通信機器)が8,353億円(前年同期比99%)、アプライアンス(白物家電)が3,173億円(同109%)、デバイス分野が2,906億円(同109%)、松下電工・パナホームが3,362億円、日本ビクターが1,722億円(同89%)、その他が1,504億円(同88%)。日本ビクターとその他を除くすべての部門で前年以上、もしくは前年並みの水準を達成した。

 同時に、2004年度の中間業績予想を売上高2.2%増、税引前利益27.6%増、純利益60.7%増に上方修正した。通期の見通しは変更していない。


■ PDPとレコーダが好調、ただしDIGAのシェアは下落

 商品分野別では、PDPテレビが前年同月比220%、売上高453億円と2倍強の伸びを示した。現行VIERAの発売日、6月1日の直前に店頭展示用の2万台を揃え、代表取締役専務の川上徹也氏は「秀吉の一夜城のごとく一気にディスプレイした」という。国内シェアは30%強で、当期の投資額は14億円。

 DIGAシリーズを含むDVDプレーヤー・レコーダーは、前年同期比107%、369億円と堅調に推移した。ただし、前期のプレーヤーは主要3社に限られていたのに対し、当期は11社と参入が増えた結果、「20%ほどシェアが落ちた」としている。DVカメラもシェアを落としており、川上専務は「巻き返しを図りたい」とコメントした。

 商品分野別で売上が減少したのは、前年同期比85%のビデオ(540億円)、同85%の音響機器(555億円)、同86%の通信機器(21,48億円)。パソコンなどを含む情報機器は前期比横這いで推移した。

AVCネットワークの業績推移 日本ビクターの業績推移

 川上専務は、好調の要因として、デジタルAV、アプライアンスの販売状況、電工・パナホームの加算、コスト減に取り組んだ構造改革の成果などを挙げた。アプライアンスで好調だったのは、ドラム洗濯機、食器洗い乾燥機、換気扇など高付加価値商材。系列店によっては65%増の実績が出たという。なお、当期より統合した電工・パナホームは、売上高3,505億円、営業利益57億円となった。

 また、「ホット(猛暑)、デジタル、オリンピックの3つが重なったのは貴重。テレビとエアコンが同時に売れることは少ない。今後もホットが続くのでエアコンは期待できる」と笑みを漏らした。夏から年末に向けては「五輪が終わってもデジタル特需はしばらく続く」との見解から、引き続き注力する。

 具体的な策として、今夏にブルーレイディスクレコーダ「DMR-E700BD」、3in1レコーダ「DMR-E150V」、400万画素CCD搭載のDVカメラ「NV-GS400K」といった高付加価値製品を投入。さらに、国内最大の65V型のプラズマテレビを年末に向け発売することを明らかにした。現行VIERAの発表会で参考展示したものを指すと考えられる。

 さらに「イージーネットワーク」と呼ぶ、家電を中心とした「ネットワークを簡単に構築できる環境」を提供することも示唆した。川上専務は、VIERAを中核にDIGA、デジタルカメラ、プリンタなどをネットワークで結ぶ構想を述べた。

 なお「すでに危機は脱したのでは」という質問に対し、川上専務は「危機が終わったとの認識はない。危機意識を全社員のDNAに徹底させ、構造改革を進めていきたい」と答えた。

□松下電器のホームページ
http://matsushita.co.jp/
□ニュースリリース(2004年度第1四半期連結決算概要)
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040729-1/jn040729-1.html
□ニュースリリース(中間期業績予想の修正に関するお知らせ)
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040729-2/jn040729-2.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040428/pana.htm

(2004年7月29日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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