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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ブルーレイディスクを推進する13社は、「Blu-ray Discインフォーメーションセミナー」を開催した。Blu-ray Discの標準フォーマットの確立と、普及促進を目指した「Blu-ray Disc Association(BDA)」の設立を10月に控え、「Blu-ray Disc Founders(BDF)」の13社がBDAへの参加者を募るとともに、BD-ROMやBD-Rのロードマップを紹介し、ブルーレイディスクの魅力をアピールした。
プレス向けの説明会に出席したソニー株式会社の西谷清常務は、「ブルーレイディスク(BD)は、映画向け、録画用、PC用のデータディスクなどさまざまな用途で実用化の時期に近づいている。ピックアップなどのデバイスや、量産装置関連各社などにもすばやく対応できる体制を整えたいということで、BDAの設立を決めた」とBDFからBDAへの移行理由を解説した。 また、「DVDはSDの世界ではDVDは整合性が取れたすばらしいフォーマット。BDは、今後のHDや高速CPUに最適なフォーマットとして開発を進めてきた。光ディスクはCDから始まり、DVD、ブルーレーザーを使った記録/パッケージメディアと進化してきた。12cmという統一されたフォーマットをベースに、あらゆるフォーマットを読めることが重要になる。CD/DVD/BDと一貫性を持ちながら、10~20年周りの技術進歩に対応できるフォーマットとして確立していきたい」と意気込みを語った。
セミナー会場ではTDKの鹿内雅俊執行役員が、「CE/ITを光メディアで接続できる、コンバージェンスに対応できる新システム。それがブルーレイディスク」と切り出し、フォーマットの柔軟性や拡張性などをBDの魅力として紹介。 「BDはユーザーのニーズに必ず応えられるフォーマット。BDには技術革新に対する、健康な信頼がある。ユーザーニーズを一番に考えている媒体」と語り、10月よりスタートするBDAへの参加を呼びかけた。 また、質疑応答では、26日のHD DVDの説明会でマイクロソフトの矢島利勇シニアエグゼクティブアドバイザーが、「(BD-ROMのスケジュールが遅れており)次世代WindowsのLonghornに、ブルーレイを搭載できない」と発言したことについて質問が及んだが、「アドバイザーはそう言ったようですが、マイクロソフトの社員からはそう言った話は聞いていない」とした。 ■ RE/R Ver.2.0ではファイルフォーマットをUDFに変更
BDA Joint Technical Committeeの大原俊次 委員長は、BDの技術動向について解説。 2002年に策定され、既にソニーの「BDZ-S77」や松下電器の「DMR-E700BD」などの対応機器が発売されている書換え型のBD-REに加え、パッケージメディア向けの「BD-ROM」やライトワンスの「BD-R」の規格策定状況について説明された。 ・物理フォーマットはベアディスク化。ファイルシステムにUDFに RE/R/ROMともに、物理フォーマットではベアディスク化、論理フォーマットではファイルシステムにUDFの採用。規格化作業を進めているという。 物理フォーマットではBD-RE Ver.2.0が10月に、BD-R Ver.1.0が9月に策定予定、BD-ROM Ver.1.0が6月に策定済みとなっている。いずれもベアディスクが標準となり、カートリッジはオプション扱いとなる。容量は25GB(1層)/50GB(2層)で、-REと-Rは2倍速記録に対応、-Rでは2005年に4倍速記録対応のVer.1.1も予定しているが、まだ作業は始まっていないという。
論理フォーマットは、7月にBD-RE/R Ver.2.0を策定。BD-ROMについては、「HD画像のベーシックなところは完成しているが、(H.264などの)アドバンスドコーデックやJava対応、ネットワーク対応などを考えている。10月にスタートするBDAで意見を頂きながら決めていきたい」という。そのためVer.0.9の策定を12月に予定、Ver.1.0については「2005年になる見込み」という。
なお、BD-RE/R Ver.2.0とBD-ROM Ver.1.0では、ファイルシステムにUDF 2.5を採用する。従来発売されているBD-RE Ver.1.0対応製品では、BD-FSをファイルシステムに採用していため、大きな変更となる。これについては、「家電機器とPC製品との相互運用性や、データの運用性を重視した」という。 BD-RE Ver.1.0機器のBD-RE/R Ver.2.0対応や、今後発売されるBD-RE/R Ver.2.0機器がBD-RE Ver.1.0をサポートするか否かについては「機器メーカーの判断による」とのこと。なお、メディアについてはBD-RE Ver.1.0のメディアもフォーマット形式を変更し、BD-RE/R Ver.2.0機器で利用可能という。 ・BD-ROMのビデオコーデックは検討中
また、BD-ROMのビデオコーデックについては、MPEG-2のMP@HL、MP@MLを基本としながら、「より低ビットレートで高画質が実現可能なビデオコーデックも検討している」という。 実際に、ハリウッドのスタジオ関係者を招き、MPEG-4 AVC(H.264)を改良した「MPEG-4 AVC High Profile(HP)」を用いた画質テストなどを実施しており、良好な結果を得ているという。オーディオコーデックについては、ドルビーデジタルやDTSを候補としているが、他にも多くの提案も受けているため、各社と話し合って検討するという。 また、ポップアップメニューやボタンクリックサウンドのサポートなどの新ナビゲーション機能や、JAVAやインターネット接続を利用した新サービスなどについても簡単に解説した。実際に、インターネット経由で日本語字幕をダウンロードするデモなども行なわれた。 これらの新コーデックやBD-ROMの新機能のについても、BD-ROM Ver.0.9以降で正式に決定していくという。
大原氏は、BDで採用したMSK/STWダブルアドレッシングや、17pp変調方式、2層記録についても説明。また、TDKが開発したBD用のハードコート技術についても解説した。
TDKでは従来より、独自のハードコートを施したDVDメディア「超硬」シリーズなどを発売しているが、BDでの採用を予定している次世代ハードコード技術では、さらに指紋の付着を抑えるコーティングを施した。指紋の付着を抑えたほか、指紋が付いた場合でも記録/再生に及ぼす影響を低減。新コーティングの採用により、BDのベアディスク展開を図るという。 実際に会場では指紋の付着したディスクの記録/再生デモなどが行なわれていた。TDKでは、既に技術的には量産可能な段階で、ベアディスク対応機器の発売に合わせて、同社のベアディスクメディアに採用していくという。また、同技術のライセンスなどについては「現在検討中」としている。 ■ 規格化はJTCにて実施
またBlu-ray Disc Association準備事務局の森瀬真琴氏は、BDAの概略を解説した。BDAでは、従来のBlu-ray Disc Foundersの13社を中心に、家電、IT、コンテンツ業界などからの参加を呼びかけている。 BDAでは、最上位組織の「Board of Directors」と、実際の規格策定を担当する「Joint Technical Committee」、互換性テストやテスト仕様を策定する「Compliance Committee」、プロモーション活動を担当する「Promotion Committee」を設置。また、事務局の「Secretary Office」や、特定の課題用の専門家組織「TaskForces」などで、それぞれの課題に対応する。
規格策定活動の中心となるJTCには、5つのTEG(Technical Expert Groups)が用意される。それぞれの活動内容は以下のとおり。
なお、BDAの会員には、全体の戦略/意思決定を行なう「Board of Directors」と、規格開発を行なう「Contributors」、一般会員の「General Members」の3レベルを設定。Board of Directorsは2年に1度、ContributorsかBoardから選出される。年会費はBoardが5万ドル、Contibutorsが2万ドル、General Membersが3,000ドル。 また、会場にはソニー、Samsung、パイオニア、TDKなどがブルーレイ関連製品を展示していた。
□Blu-ray Disc Associationのホームページ(英文) (2004年8月3日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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