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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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松下電器産業株式会社は1日、デジタル家電向けの統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」を開発し、今後発売する同社製品に導入すると発表した。
UniPhierは、CPUとビデオコーデックなどを統合したシステムLSIと、ミドルウェアやOSなどのソフトウェアプラットフォームからなるデジタル家電用の統合プラットフォーム。2005年度上期よりUniPhier搭載製品を導入し、2006年度には導入を完了する予定。 テレビやDVDレコーダ、ホームサーバー、携帯電話、カーAVなどで共通で利用できるコアプラットフォームとして展開する。同社が各製品ジャンルで培った高品位AV技術や、低消費電力技術、リアルタイム処理技術、セキュア技術などを集約したという。 CPUとメディアプロセッサのUniPhierプロセッサによるハードウェアは、スケーラブルな構成になっており、分野や製品別に最適な機能を実装する。ソフトウェアも各製品で基本仕様を共通化しながら、ミドルウェアで機能を追加していくことができる。
UniPhierの導入の最大の目標は、ソフトウェア開発効率の向上が挙げられる。従来は、携帯電話やDVDレコーダ、ホームサーバー、デジタルテレビなど各製品群ごとにハードウェアを用意し、そこからマイクロコードやOS、ミドルウェア、アプリケーションなどを個別に開発してきた。 UniPhierによる統合プラットフォームでは、ベースハードウェアの上に各製品固有なソフトウェアを開発するだけですむため、ソフトウェア開発効率を5倍以上に高めることができるという。また、実績あるプラットフォームを用いるため、信頼性の向上が図れるほか、一度作成したソフトの他製品での再利用なども行なえる。
基本のハードウェア構成として、携帯電話系とパーソナルAV系、カー/ホームAV系の3タイプを用意している。各機器で共通のプラットフォームとなることで、異なる製品ジャンルの融合製品などの開発も容易となるという。 ハードウェアでは、CPUの規定は特に無くARM系や松下製のCPUが選択できる。新メディアプロセッサのUniPhierプロセッサは、C/C++言語に対応し、AV用途に最適化した命令並列プロセッサをベースに、データ並列プロセッサや、MPEG-2/H.264など各メディアに対応したハードエンジンなどの拡張が行なえる。 なお、VIERAに搭載している画質改善エンジン「PEAKSプロセッサ」なども順次UniPhierに統合していくという。
松下電器産業株式会社 半導体社の古池進社長は、「2010年には誰もがネット家電を利用するユビキタスネットワーク社会が訪れる。2010年に向けて、ホームサーバーや携帯電話、デジタルテレビなどが融合した製品の登場が予想される。しかし、現状のデジタル家電の開発工程は、ソフト開発規模か急増しており、すでに限界に来ている。こうしたソフト開発工程の爆発に対応すべく、効率の良いプラットフォームを開発した」とUniPhierの開発背景を開発した。 UniPhierの共通プラットフォームの導入により、各分野間の技術の壁を省き、開発効率と設計品質の向上を図る。UniPhierは「Universal Platform for High-quality Image-Enhancing Revolution」の略で、「統一するという意味を込めて命名した」という。なお、UniPhierの外販も予定しているが、基本的にパナソニック製品への導入が先行するという。
発表会場では、Uniphierを採用した1セグ放送用の携帯電話や、パーソナルAV製品向けにH.264やAAC+SBRのデコーダを搭載したプラットフォームなどのデモが行なわれた。
□松下電器のホームページ (2004年9月1日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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