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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は2日、国内製DVDなどのコンテンツに適用する「コンテンツ海外流通マーク」を諸外国に商標出願したことを明らかにした。統一のマークをコンテンツに付けることで、海外で流通する国内コンテンツの海賊盤に対し、商標権に基づいた権利行使(エンフォースメント)を行ないやすくするのが狙い。出願国で商標登録が降りるのは2005年以降と見られ、コンテンツホルダーへの働きかけを順次行なう。
元来、DVDビデオなどの海賊盤の取り締まりには、著作権に基づく権利行使が用いられる。しかし、著作権の行使には数多くの証明が必要となり、現地への鑑定人派遣が必要になるなど、アジア地域での取り組みで困難を伴っていた。 そこで、CODAが中心となり、CODA会員企業や関連団体の加盟企業が使用できる統一マークを策定。商標権を切り口にするため、関係当局への証明も著作権ほど複雑ではないという。「“にせものだ”といえば動いてくれる」(児玉昭義企画委員長、日本映像ソフト協会専務理事)。また、「小売ベースだった従来の取り締まりから、製造元をたたく方法もとれる」(CODA)のも狙いの1つとしている。 コンンテンツホルダーは海外の現地ライセンシーに、マークの添付を義務付け、マーク付きの商品を流通させる。もし、マーク付きの模造品が見つかれば、「マークの商標権を侵害した製品」として、その国の関係当局に申し立てることができる。また、マークのない模造品なら、「明らかな海賊盤・品質が劣るもの」とし、「製品品質法違反」や、「著作権法違反」として申し立てを行なう。
発表されたマークは「Content Japan(CJ)」を図案化したもので、CD、DVD、ゲームソフト、出版物、玩具、オンラインコンテンツが対象。出願国・地域は、中国、香港、韓国、台湾、米国、EU諸国。 同機構代表の角川歴彦氏(日本映像ソフト協会長、株式会社角川書店社長)は、「商標権を使うのはなかなかのアイデア。こちらから働きかけることができる重要な第一歩」と評した。 また、「(海賊版問題は)取り締まるだけではなく、各国での教育も必要。韓国でDVDに市場が切り替わらないのは海賊版のためであり、日本からのDVD輸出がうまくいかないのは当然のこと。(今回の商標出願で)日本側から『何をするか』を示せたのが重要」と述べた。 マーク自体は、同日に開催した総会において、図案が承認された段階。今後、各国での登録状況を見ながら、コンテンツホルダーが各自で対応する。マークをパッケージ印刷に取り込むのか、それともシールを添付だけとするのかなど、具体的な方法はコンテンツホルダーの判断にゆだねられている。たとえばシールの場合、現地で「横流し」される恐れが高くなるので、現地ライセンシーや製造元の管理を厳重にする必要がある。 実際の権利行使については、「米メジャーの使っているエンフォースメント部隊と近々に協議したい」とした。ライセンス料は「当面無料」としている。 また、マークそのものを複製されるおそれも残っている。それについては「将来的には、特殊インク、ホログラムなどの採用も考慮したい。まずは明らかな海賊盤対策として実施したい」(同機構)と説明した。 同機構は、日本映像ソフト協会、日本レコード協会、日本音楽著作権協会などの諸団体と、出版社などからなる。事務局は文化庁および経済産業省。 □関連記事【2003年11月28日】JASRAC、シンポジウム「知的財産立国の実現に向けて」を開催 -JASRAC/RIAJ/JVA会長によるパネルディスカッションを実施 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031128/jasrac.htm (2004年9月2日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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