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日本TI株式会社は12日、48bitのDSPを内蔵した8chのPWMプロセッサ「TAS5518」を発表した。1,000個受注時の単価は7.95ドル。すでにサンプル出荷を開始しており、薄型デジタルAVアンプなどへの組み込みを想定している。
TAS5518は、全8chで110dBのダイナミックレンジを実現したPWMプロセッサ。2004年2月に発表された「TAS5508」の上位モデルとなっており、ΔΣ変調回路やマスタークロック回路などを改良することで、ジッタの低減とダイナミックレンジの拡大を図っている。 回路は入力信号処理回路と、PCMのマルチビット信号をPWMの1ビット信号に変換するPWMモジュレータ(スイッチング信号生成回路)、1ビット信号を増幅するパワースイッチング回路、スイッチング成分を除去するローパスフィルタで構成。
出力100W(6Ω)のパワーステージ「TAS5182」などとの組み合わせを想定しており、インターフェイスから最終のフィルタまでをフルデジタルで構成できる。同社が2000年に吸収したデンマークのトッカータ・テクノロジーが開発した「EQUIBIT(イキュービット)」技術を無帰還フルデジタルアンプに投入しており、こうしたシステムを「ピュアパスデジタルアンプ」と呼んでいる。 アナログ/デジタルの変換を最小限に抑えることで、音の鮮度を保持したままの増幅が行なえるという。さらに、出力段デバイスの効率は、ディスクリートのMOSFETを外付けしてHブリッジを構成することで、95%を超える高効率を実現。放熱特性に優れるという「PowerPad」パッケージと組み合わせることで、放熱と電源の要求を緩和、AVアンプなどの厚みを従来の4分の1まで削減できるとしている。
発表会場では、TAS5518とTAS5182を組み合わせた評価ボードを展示。さらに、同ボードを使ったマルチチャンネルアンプの視聴も行なわれた。評価ボードということもあり、音色はニュートラルそのもの。音場や音像の精密さはもちろんだが、低域の解像度も特筆すべきものだった。
■ メーカーが音のこだわりを追求できる、絵の具とキャンバスを提供
DCESカンパニー デジタル・オーディオ事業部長の杉木雄三氏は、EQUIBIT技術を導入し、タクトが'98年に製品化した世界初の無帰還フルデジタルアンプ「ミレニアム」から始まる同社のデジタルアンプの歴史を振り返り「より良い音、より原音に忠実な音の再生へ今後もこだわっていきたい。また、これらのモジュールを導入した日本メーカーが、自分達の音へのこだわりを実現できる絵の具とキャンバス(ソリューション)を提供したい」と抱負を語った。 また、杉木氏は日立のプラズマ/液晶テレビのWoooシリーズや、ケンウッドのAVアンプ「VRS-N8100」や「VRS-7100」に、同社のPWMプロセッサやパワーステージが採用された事例を紹介。「アナログアンプのデジタルアンプへの置き換えを今後も推進していきたい」とした。
□日本TIのホームページ
(2004年10月12日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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