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キヤノンは、LCOSパネルを採用したSXGA+液晶プロジェクタ「SX50」を11月下旬より発売する。価格627,900円。
反射型液晶パネルのLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を採用した液晶データプロジェクタ。0.7型の1,400×1,050ドットのLCOSパネルを採用したほか、新開発の光学エンジン「AISYS(Aspectual Illumination System)」により、SXGA+プロジェクタながら外形寸法284×286×96mm(幅×奥行き×高さ)、重量3.9kgと小型/軽量化を実現している。 LCOSの採用により、一般的な透過型液晶プロジェクタで発生する画素間の格子の少ない、滑らかな映像を実現。細かな表やCADデータの線の表現など、プレゼンテーション用途での画質、見やすさも大幅に向上したという。LCOSパネルは日本ビクター製。
新光学エンジンAISYSは、光源ランプからの光を制御する照明光学系とLCOSパネル、光をRGBの三原色に分離合成し、投写レンズへ送る色分離合成光学系から構成される光学エンジンとなっている。特に照明光学系での独自技術採用により、高輝度/高コントラストを実現している。コントラスト比は1,000:1、明るさは2,500ルーメン。 LCOSパネルは入射する光の角度に従って光の偏向処理が変わっていく性質がある。この入射角依存性により、LCOSへ入射する光の角度や方向によっては偏向処理が正しく行なえない場合があったという。 従来のLCOSプロジェクタは、入射する光の角度がつかないよう、照明光学系の焦点距離を長くとり、大きい光源ランプで明るさを挙げることで明るさと高コントラストを実現していた。そのため、筐体サイズが大きくなっていたという。 しかし、AISYSでは照明光学系に、光源ランプからの光を水平方向と垂直方向で独立制御する方法を導入。LCOSへの理想的な形での入射光を実現したという。垂直方向は光源ランプからの光を収束させて明るさを高め、水平方向では光軸に対して平行に近い光で光漏れを防ぎ、コントラストを高めているという。
また、2枚の非球面レンズを採用した新開発の光学1.7倍ズームレンズ(F1.85~2.5)を搭載。ゴーストやフレアの発生を低減したという。投写画面サイズは40~300型。投写距離は1.2~9.1m。
R(赤)/G(緑)/B(青)、C(シアン)/M(マゼンダ)/Y(黄)の合計6色の色合いや色の濃さを調整できる6軸色調整機能や、階調を自動的に補正するダイナミックガンマ機能なども装備。画質モードはスタンダード/プレゼンテーション/sRGB/シネマの4モードが用意される。上下左右±20度の台形補正機能も搭載する。 入力端子はD-Sub 15ピン×1(アナログRGB/コンポーネント入力兼用)、DVI-I 29ピン×1、S映像×1、コンポジット×1、ステレオ音声(ステレオミニ)×1。DVI-IはHDCPに非対応となっている。出力端子はD-Sub 15ピン×1。マウスコントロール用のUSB端子も装備する。ランプは200W超高圧水銀ランプで、ファンノイズは34dB(サイレントモード)/37dB(ノーマルモード)。自照式のリモコンも付属する。
キヤノン販売株式会社 常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆氏は、「キヤノンでは、入力から出力までの全てのイメージング機器をサポートしたソリューションを、提案している」とプロジェクタ市場への取り組みを紹介した。 さらに、LCOSの採用や、AISYSによる高輝度、高コントラスト化などを簡単に説明し、SX50のキャッチフレーズとして「原理から新しい次世代プロジェクター。映像革新」を掲げ、「2006年のプロジェクタ市場で、SXGA+でシェア80%、プロジェクタ市場全体で20%以上を達成。トップグループ入りを目指す」と意気込みを語った。 LCOS採用の理由については、「DLPなどの方式も検討したが、AISYSによる小型化などキヤノン独自の技術を生かせる最適な方式がLCOSと判断した」という。なお、AISYSの外販の予定については「現在のところ無い」とのこと。 シアター向け製品展開については「現在の段階では未定」という。特に、今回のSX50ではプレゼンテーション用途を前提に、投写時の“白”を基本に色を決めており、“黒”を基本に考えるシアター用途向けとは考え方がかなり違っているという。しかし、「LCOSやAISYSを生かして、ホームシアター向けでもいい製品ができる。ホームシアターや民生市場向けの展開も、(平面テレビの)SEDとあわせて今後検討していきたい」という。 □キヤノンのホームページ (2004年10月13日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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