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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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アジア最大規模のデジタル総合展「WPC EXPO 2004」が20日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は23日までで、入場料は2,000円(事前登録で無料)。 ここでは、同日に日本語版の「Windows Media Player 10」や「Windows Media Center Edition 2005」、ポータブルビデオプレーヤーとの連携を可能とする「Windows PMC(Windows Mobile based Portable Media Centers)」などを発表したマイクロソフトのブースを中心に、会場のレポートをお届けする。
■ SMEもWMAフォーマットをサポート 20日に公開された「Windows Media Player 10(WMP10)」日本語版は、音楽や映像の有料オンライン販売などの面で特に機能を強化したMedia Playerの最新バージョン。同社のページから無料でダウンロードできる。対応OSはWindows XP。 デザインはよりソフトなイメージに変更され、PC内の映像・音楽ライブラリの閲覧、ファイルの取り込み、接続したオーディオプレーヤーなどへの楽曲の転送などの各機能がツールバー上部に集約されている。
また、ツールバーの右上をクリックするとプルダウンメニューが現れ、WMP10が対応するオンラインストアが一覧表示される。接続したいストアをクリックすると、Media Player 10のウインドウ内にストアのページが表示されるという仕組み。なお、接続するサイトによってMedia Player 10のデザインやカラーが若干変化する。
対応するストアは、映像配信サービスが「PRISMIX.TV」、「ShowTime」、「バンダイチャンネル」、「WOWOW GENETICS」、「Sky PerfectBB」(参加予定)、「CinemaNow」(12月開始予定)。音楽配信は「MSNミュージック」、「Excite Music Store」、「Listen Music Store」、「Sony Music MORRICH」に加え、新たにレーベルゲートが20日より開始した「MusicDrop」にも対応している。 Music Dropには、ソニー・ミュージックエンタテイメントも楽曲を提供しており、従来のMora方式(著作権保護技術/OpenMG+音声圧縮技術/ATRAC3)に加え、WMAフォーマットとWMP10が対応している著作権保護技術「Digital Rights Management 10(DRM10)」もサポートすることとなる。
これについてマイクロソフトの古川享バイスプレジデントは、「ATRAC3だけでなく、利用者の利便性を確保しつつ著作権を保護できるDRM10も採用してくれたことは非常に嬉しい。新しいプラットフォームを発表しても対応するコンテンツが無いという状態は多いが、WMP10は発表と同時にこんなにも多くの事業者が参加してくれ、光栄だ」と語る。 さらに古川氏はAppleが日本で放送したiPodのCMの話題とからめ、「CMの最後で“Goodby MD”と表示される。ソニーさんは怒ったんじゃないかと思っていたが、出井会長は“Goodby MDはむしろ自分達が言うべき言葉だ。常に自分自身を変革していかなければならない”と語ったと聞いている」と述べた。
また、古川氏はWMP10において、ポータブルプレーヤーとの連携を行なうために「Windows Media Connect」の技術が使われていることを明らかにし、「DLNAへの対応なども考慮しつつ、ホームネットワークのコア技術として今後も開発を続け、デジタル家電などとの連携を実現させていきたい」と今後の抱負を語った。
ブースではWMP10をインストールしたPCと、DRMに対応したポータブルオーディオ機器がセットで展示されており、実際にダウンロード購入した楽曲の同期や、購入した映像コンテンツの視聴などを体験できる。 また、11月中旬にクリエイティブが発売するWindows PMC対応のポータブルAVプレーヤー「Creative Zen Portable Media Center 20GB(CZPMC20U)」(直販価格:57,800円)も展示。実際に動画コンテンツの再生も行なえる。
さらに、20日に発表されたWindows Media Center Edition(MCE)の最新バージョン「MCE 2005」の展示も行なわれている。前バージョンとの違いはWindows XP Service Pack2のコードを適用しセキュリティ面などで機能が向上しているほか、デュアルチューナをサポート。EPGを使った録画予約で、同時間帯で重複した番組の予約も行なえる。さらに、DVDライティング機能の強化や、映像や静止画の視聴中にメッセンジャーの応対が行なえるようになっている。なお、MCE 2005にはMedia Player 10も含まれている。
■ Rio、デザインにこだわったオーディオプレーヤー Rioのブースでは、フラッシュメモリを内蔵したオーディオプレーヤーの新シリーズ「SiGN(サイン)」を展示している。横長の「Si-300」と正方形の「Si-200C」をラインナップ。各モデルに128MB/256MBを用意しており、価格は128MBモデルが共通で15,000円前後の見込みだが「同容量の従来シリーズよりは若干高価になる」とのこと。いずれも年内の発売を予定している。 鏡面仕上げの筐体が特徴で、どちらも有機ELディスプレイを搭載。外形寸法と重量(充電池含む)は、Si-300が68.5×16.3×25.7mm(幅×奥行き×高さ)、38g。Si-200Cが45×13×45mm(同)、49gとなっている。どちらもMP3/WMA(DRM)、WAVフォーマットに対応し、ID3タグの日本語表示もサポートする。
機能面ではSi-300が高機能モデルとなっており、マイクを内蔵しADPCM形式で録音が可能。FMチューナも内蔵している。Si-200Cはシンプルなモデルだが、背面に宝石のダイヤをイメージした飾りが埋め込まれるなど、よりデザインにこだわったモデルとなっている。どちらもネックバンドタイプのイヤフォンと通常のイヤフォンの2種類のイヤフォンを同梱する。
ほかにも、ポータブルプレーヤーとの接続を想定した2.1chスピーカー「LIVE air」も展示している。12月の発売を予定しており、価格はオープンプライス。予想価格は15,000円~2万円程度。出力は1W×2ch(8Ω)、2W(4Ω)となっており、2chスピーカーはユニットが天上に向けて設置されている。360度無指向性システムとして利用できるほか、スピーカー上部にリフレクタ板を設けることで、音波を反射し、前方へ音を出す。 また、トランスミッタ機能を内蔵しており、オーディオ機器と接続するためのステレオミニ入力を備えた送信部を同梱。本体に向けて2.4GHz ISM帯を使って無線伝送する。
■ DLNAに対応したホームネットワークのデモも盛況
シャープのブースでは、AVセンターPC「PC-TX26GS/TX26G」との組み合わせとして、DLNA(DiXiM)に対応したネットワークメディアプレーヤーを参考展示している。UPnP AVに対応しており、Ethernetコネクタや無線LANも内蔵。AVサーバPCに収められた動画・音声などのコンテンツをテレビなどで視聴できる。「あくまでコンセプトモデル。サポートするホームネットワーク規格も含めて、まだ決定はしていない」とのことで、価格や発売日は未定。
東芝のブースではAV機能を充実させたノートPC「Qosmino(コスミノ)」の展示の中で、ホームネットワークのデモを実施。著作権保護されたHDコンテンツをEthernet経由で配信し、著作権保護規格DTCP-IPのON/OFFで、表示の可否が変わるデモを行なっている。担当者は「デジタル放送の著作権保護でユーザーは不便になると思われているが、DTCP-IPをしっかりとサポートすれば利便性は変わらない。DLNAのホームネットワークでも、このあたりの技術をしっかりと固めながら開発していきたい」と語った。
■ 多くのコンセプトモデルを展示したモバイル放送
モバイル放送のブースでは、12月24日に発売される、PCカードタイプのモバイル放送チューナ「MBT0102A」を展示。また、シャープや東芝のポータブル端末も展示しており、実際に20日からスタートした本放送を受信することができる。
さらに、コンセプトモデルとして、モックアップだがチューナ内蔵の携帯電話や、チューナ内蔵のスマートフォン、さらに音声専用受信端末なども展示している。なお、モバイル放送では東京ビッグサイトからりんかい線の「国際展示場駅」までの区間で、モバHO! が体験できるバスを運行している。座席2つに1台専用受信端末が置かれており、移動する車内で受信状況を確認することができる。
■ そのほか アスクのブースでは、Albatronのヘッドフォン用ワイヤレスユニットを展示。クレードルタイプの送信機と、そこに載せる受信機で構成されており、アナログ入力された音声を2.4GHz帯を使ってワイヤレス伝送する。受信機にヘッドフォンを接続すれば手持ちのヘッドフォンがワイヤレス仕様になるという製品で、価格は1万円弱を予定している。
ビクターのブースでは、DVカメラにSDIOタイプの無線LANカードを接続し、DVカメラをネットワークカメラとして利用する「ネットムービー」の参考展示が行なわれている。DVカメラにサーバー機能を内蔵しており、携帯電話やPCのMedia Playerから家などに設置したDVカメラの映像を動画で確認できる。同社は「運動会など、特定の機会しか使われないことの多いDVカメラの新しい利用用途として提案した」と説明しており、反響を見ながら今後のDVカメラ開発に役立てていきたいという。
□WPC EXPO 2004のホームページ
(2004年10月20日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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