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三菱、映像情報ソリューションフェアを開催
-業務用DLPリアプロや300型オーロラビジョンを展示


開催期間:11月10~11日


 三菱電機株式会社は10日、東京ドームのプリズムホールで「オーロラビジョン」などの業務用映像情報機器を中心としたソリューションを各業者向けに展示・解説する「映像情報ソリューションフェア」を開催した。

常務執行役営業本部長の佐藤秀一氏

 冒頭、常務執行役営業本部長の佐藤秀一氏は、映像情報ソリューション事業における今後の展開について「成長性と収益性、効率性、健全性を維持し、バランスのとれた経営を目指す」と説明。さらに、これまで各事業分野毎で個別に行なっていた成長戦略をコーポレートレベルで全体的に推進していくために、各本部長やスタッフ、関係事業部長などから成る「戦略事業協議会」を設立したことを発表した。

 具体的な戦略については、「VI戦略」と「AD戦略」という2つの戦略を紹介。VIはビクトリーの略で、FA機器やエレベーターなどの昇降機、自動車用の電装品など、従来から同社が得意としている事業をさらに強化していく。ADはアドバンスの略で、強い事業を核としつつ、様々な事業の要素を取り入れ、トータルなソリューションとして顧客に提案していくというもの。

 例えば、従来のようにDLPのリアプロジェクションモニタや、オーロラビジョンを製品として個別に販売するだけでなく、そこに表示する情報の伝送・配信機器などと組み合わせ、トータルなシステムとして提案していく。

全社的な成長戦略を推進するため、戦略事業協議会が設立された 映像分野における同社のキーテクノロジー

 佐藤氏は「業務用の映像機器は毎約6.5%プラス成長だが、システム市場は7.8%の成長が見込まれている」と、システム市場の有望性を説明したうえで、「今後は事業分野を超えた連携を実現し、分野毎にバラバラだった販売ルートの垣根も無くし、国内外の需要に対応していきたい」と抱負を語った。


■ 46型の業務用液晶ディスプレイを参考展示

 会場は「アミューズメント」、「駅・交通」、「学校・教育」、「競技場」、「監視制御」、「医療」などの分野にわけられ、オーロラビジョンやDLP方式のリアプロジェクタ、全方位カメラ、超指向性スピーカー、反射型デバイスを使った「トレインビジョン」などが展示された。

 主な新製品としては、三菱電機ビジュアルシステムズの液晶ディスプレイ「VISEO PRO」シリーズの40型モデル「MDT401S-A」(解像度1,280×768ドット、輝度450cd/m2)を展示。さらに、1,366×768ドット、輝度500cd/m2、応答速度8msの46型モデルも参考展示していた。発売日などは未定。オプションでAV機能ボードやTCP/IPボードを追加できるという。

 また、コンシューマ向けの機種として10月27日に発表された19型の液晶ディスプレイ「MDT191S」も展示していた。解像度は1,280×1,024ドットで、輝度は400cd/m2。8msという応答速度が特徴。12月上旬発売で、実売価格は10万円弱となっている。

参考展示された46型液晶ディスプレイ。応答速度が8msと早く、動画を滑らかに表示できるのが特徴だという コンシューマ向けの19型の液晶ディスプレイ「MDT191S」のブラックモデル

 ほかにも、DLP方式の67型リアプロジェクションモニタや、奥行き26cmの59V型などを展示。それらを複数台組み合わせたシステムも提案している。また、データ用のDLPフロントプロジェクタとして、フラッグシップモデルの「LVP-XL5950」を紹介していた。

奥行き26cmの59V型リアプロを使ったシステム例。計4個の製品を背中合わせで組み合わせ、空港などの情報掲示板として利用する データ用DLPフロントプロジェクタのフラッグシップモデル「LVP-XL5950」 超音波を利用した超指向性音響システム「ここだけ」の屋外システムも展示。屋内用システムは既に何カ所かの博物館や駅に導入されたという

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 「オーロラビジョン」は、RGBの3色を独立したLED素子で映像を表示する大型ディスプレイ用のシステム。主に競馬場や野球場などでの利用を想定しており、現在までの最大サイズとして、香港のシャティン競馬場に横幅70.4mのモデルを納入したという。

 輝度が3,000~5,000cd/m2と高いのが特徴で、屋外での視認性を確保。さらに、画素間の幅を小さくすることで高精細な映像表示にも対応可能。会場では189型(640×480ドット)/3.84×2.88m(横×縦)というモデルにHD映像を表示するデモを行なったほか、屋外では300型(768×576ドット)/6.144×4.608m(同)のパネルを車載したモバイルビジョンシステム「MO-SION」を展示。さらに、採用例として、東京ドーム22番ゲートに設置されたオーロラビジョンなども紹介された。

189型モデルでHD映像を表示するデモ ジャンボジェット機の翼と同じ横幅70.4mのシステムも製作した。世界一長いディスプレイとして、ギネスブックに認定されているという 東京ドーム22番ゲートに設置されたオーロラビジョン

300型の車載システム「MO-SION」。ディスプレイが真ん中で折り畳まれ、荷台に収納される。展開/収納システムは油圧式で、配線などを行なう必要がないため、素早い設置/撤収が可能。HD映像の表示が可能で、信号はHD-SDI/D1-SDI/DVI/コンポジットなどに対応。全天候型で、雨天でも表示が可能

電車内で各種表示を行なう「トレインビジョン」システム 反射型表示デバイスを使った「オーロラビジョンR-STAY」システム。バックライトを使わない反射型のため、日光の下でも視認性が高い。また、無電源でも表示を保持する記憶型デバイスとなっており、ランニングコストが低いのが特徴。駅の電子時刻表として利用する場合、平日/休日の表示切り替え時に一度通電し、表示を書き換えれば、コンセントを抜いても掲示板としての機能を維持できる。ダイヤ改正時の書き換えや緊急メッセージの表示などにも適しているという


□三菱電機のホームページ
http://www.mitsubishielectric.co.jp/

(2004年11月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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