イクス、フラットTV向けディスプレイプロセッサに参入 －ダイナミック・ガンマなど内蔵。シェア10%を目指す

XV910

11月25日発表

　株式会社イクスは、フラットパネルテレビ向けのディスプレイプロセッサ新製品「XV910」を発表した。サンプル価格は5,000円で、2005年1月からの量産出荷を予定している。

　イクスは、画像処理関連に特化したファブレスのICベンダで、液晶テレビやPDP向けのビデオデコーダで高いシェアを有しているという。

XV910の基本仕様

　「XV910」は、ダイナミックガンマ機能や高度誤差演算処理機能、10bit ADコンバータ、3次元動き適応型IP変換機能などを内蔵したフラットパネルディスプレイ用のプロセッサ。製造はTSMCで、プロセスルールは0.18μm。

　液晶テレビとPDPの双方に応用可能で、パネル解像度はVGA(640×480ドット)～WXGA(1,366×768ドット)までをサポートする。D1/D2/D3/D4のハイビジョン信号の液晶パネル表示が可能なほか、既に発売中のビデオデコーダ「XV750C」を利用することで、ローコストでNTSV/PAL/SECAM対応のテレビを構成できるという。

リファレンスボード	XV750C

XV910のブロック図

　12bit精度のダイナミックガンマ機能により、黒つぶれや白つぶれを適正な明るさに自動補正。また、ディザリング法による誤差演算処理により、擬似輪郭の低減を図ったという。

　10bit/74.25MHzのDAコンバータも装備するほか、3次元動き適応型のIP変換回路を搭載する。また、SDRAMを省いても2次元のI/P変換が可能なため、ローコストな小型テレビなどでも応用できるという。バックライトの明るさを画面の明るさにあわせて最適化するバックライト適応制御やノンリニアスケーリングも装備する。また、4:3/16:9のテレビで生じる上下左右の黒帯を検出して、16:9画面に入力された4:3映像などの画面サイズを自動調整するオートワイド機能も備えている。

　これらの高画質機能はリファレンス設定はあるものの、絵作りについては各テレビメーカーで設定が行なえるようになっているため、メーカーの特色を生かした製品化が可能。また、20型以下の中小型のパネルのほか、最大45型の大型テレビまで利用できるとしている。

　発表会では、同社セミコンダクタマーケティング事業本部 セールス&マーケティング部の小木恵介部長がVX910の特徴を解説。PDP/液晶テレビの市場予測を紹介しながら、「現在のビデオデコーダの市場シェアと同レベル、世界市場で10%のシェアを目指す。既に国内メーカーを中心に交渉を進めている」とした。

会場では同種のパネルを利用した他社製品(左)との比較デモを実施。ダイナミック・ガンマの効果や擬似輪郭の抑制などをアピールした

□イクスのホームページ
http://www.iix.co.jp/

(2004年11月25日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]

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