ビクター、トウモロコシでんぷんを利用したDVDディスク －量産性を確認。CDやブルーレイにも応用可能

環境に優しいDVDディスク(8cmディスク)

12月6日発表

　日本ビクター株式会社は6日、トウモロコシのでんぷんから合成されたポリ乳酸を使用した「環境に優しいDVDディスク」を開発したと発表した。

　ポリ乳酸を主成分としながらも、耐熱性に優れた光ディスク用透明プラスチックを東レ株式会社と共同開発。ナノテクノロジーを駆使したディスク製造技術により、室内使用時において実用可能な信頼性を実現したという。

　また、通常のDVDディスクと同様の射出成形方式で微小な信号ピットを形成するので、高い量産性を確保。さらに、DVDだけでなくCDやブルーレイディスクなど、多くの光ディスクに適用が可能という。

　ポリ乳酸は、トウモロコシなどのでんぷんを用いて合成された植物原料由来のプラスチックのため、二酸化炭素増加の抑制や、石油の消費量節減など、環境負荷低減が可能という。しかし、従来の透明なポリ乳酸は、プラスチックに比べ一般的に耐熱性が低く、光ディスクの基板として用いると再生機器内の温度上昇によりディスクの変形が起き、再生が困難になる可能性があった。しかし、今回独自技術により耐熱性の向上を図っている。

　なお、今回耐熱性の向上と、現行ディスクと同等の量産性は確認できたが、原材料比が通常のDVD/CDディスクで利用されるポリカーボネードの約3倍と高価なため、現在のところ量産の予定は無いとしている。ただし、今後の原材料の価格低下や、多少高価でも環境性能の要求が高まるなどで、市場性があると判断できれば順次製品化を行なう予定。

□日本ビクターのホームページ
http://www.victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.victor.co.jp/press/2004/eco_dvd.html

(2004年12月6日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]

Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.