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米Appleは11日(現地時間)、Macworld Conference&Expo 2005で新製品を発表した。新製品は512MB/1GBのフラッシュメモリープレーヤー「iPod Shuffle」や、小型のMacintosh「Mac mini」のほか、HD対応の低価格ビデオ編集ソフト「Final Cut Express HD」、マルチメディア統合ソフト「iLife '05」、オフィススイートの「iWork '05」など。 アップルコンピュータ株式会社は12日に新製品発表会を開催。11日に開催された基調講演の模様を日本の報道関係者に上映し、新製品の解説が行なわれた。 ■ iPod shuffle登場 新シリコンプレーヤー「iPod shuffle」の発表は、講演の一番最後に行なわれた。まず、iTunes Music Storeでは、いままでに2億3,000万以上の楽曲を販売し、一日の平均販売曲数は125万曲に及ぶという。競争が激化したにもかかわらず、世界シェアの70%を占めるという。オーディオソフトのiTunesは、iPod shuffleに対応したiTunes 4.71が公開されている。
iPodについては、一昨年の年末商戦でのiPodの販売数は73万3,000台だったが、今年の年末商戦では約5倍以上の450万台となった。昨年12月16日に累計1,000万台を突破したが、そのうち800万台が2004年に販売したものという。 また、既に発表済みのBMWのほか、メルセデスベンツ、日産、アルファロメオ、フェラーリなどのカーオーディオ製品にiPodを統合することで協力関係を結んだという。メルセデスが2005年後半から2006年に発売するMercedes Benz MクラスなどでiPodに対応予定という。
また、「iPod miniではハイエンドのフラッシュマーケットを狙い、その結果多くのシェアを獲得した。その次はメインストリームのフラッシュメーカーになる」と述べ、フラッシュメモリプレーヤーの投入を明らかにした。 Rio Chibaなどを例に引き「いままでのフラッシュプレーヤーでは、単4電池で、小さなディスプレイ。使いづらいインターフェイス、クリックホイールがない」などの不満点を上げ、「これを使うのは拷問みたいなもの。聴きたいものを見つけられない」と従来の製品への不満を明らかにした。 「われわれは、新しいオリジナルのアイデアをベースにした」とし、シャッフル機能を重視したシリコンプレーヤー「iPod shuffle」を公開した。「ガムより小さく、1オンス以下の軽量。ありとあらゆる場所で聞くことができる」と語り、その手軽さとシャッフル再生のわかりやすさを強調。また、iTunesで作成したプレイリストの再生もできるという。 日本では内蔵メモリの容量により512MBモデル「M9724J/A」と、1GBモデル「M9725J/A」の2モデルをラインナップする。AppleStore価格は512MBモデルが10,980円、1GBモデルが16,980円。 液晶ディスプレイは搭載しておらず、前面の再生/停止、曲送り/戻し、ボリュームボタンと背面の電源/再生モード選択用スライダースイッチのみというシンプルなインターフェイスを採用。
再生できるフォーマットはMP3/AAC。USB 2.0端子を本体底部に装備しており、パソコンと直結してオーディオ転送を行なう。また、iTunes上で領域を指定することでUSBのデータストレージとしても利用できる。 ライブラリからレートや再生回数などに応じて、iPod shuffleの容量にあわせた楽曲を転送する「Autofill」機能も搭載。オートフィルボタンを押すことで、ライブラリから、ある順序、あるいはランダム、自動で、iPodにあったデータを転送する。 また、アームもバンドやスポーツケース、ドック、単4乾電池×2の拡張バッテリパックも2週間以内の発売を予定。価格はいずれも3,570円。
■ QuickTime7でH.264対応
基調講演では2005年の第1四半期に投入を予定しているMac OS Xの新バージョン「Tiger」を紹介した。 Tigerでは、ブラウザのSafariにRSSリーダ機能を搭載するほか、OSに統合された新検索エンジン「Spotlight」を搭載する。SpotlightはインターネットやMacintosh内の任意のファイルや写真、動画データなどを高速に検索できる機能で、「googleもMSNも素晴しいが、OSに組み込まれたSpotlightの敵ではない。Spotlightの機能は開発者向けに公開しており、利用したアプリケーションも登場するだろう」と述べた。 また、Tigerに組み込まれる新QuickTimeも紹介。QuickTimeのダウンロード数は3億3,000万を超え、9割はWindowsのユーザーという。QuickTimeの新バージョン「QuickTime 7」ではH.264もサポートする。ジョブズ氏は、「次世代DVDのブルーレイとHD DVDでも採用された技術で、どちらが勝ち残ろうと対応できる」とコメントし、1080iのフルHD映像のデモなどが行なわれた。 iChatを利用した4人が参加したビデオカンファレンスのデモも実施。これらもH.264で行なわれるなど、AppleとしてH.264のソリューションに積極的に取り組んでいく姿勢を明らかにした。 ■ 2005年はHDの年になる
さらに「2005年はHDの年になる」と宣言し、動画編集ソフトの廉価版「Final Cut Express HD」を紹介。299ドルで発売する。 続いてマルチメディアスイートの「i.Life」を紹介。iPhoto 5ではMPEG-4が取り込めるようになったほか、ハイエンドデジタルカメラなどで利用されるRAWデータにも対応。また、編集機能も搭載し、明度や露出、ヒストグラム、サチュレーション、色度などの調節ができる。
iMovie HDでは、パフォーマンス向上やトランジション/エフェクトの追加、MPEG-4編集機能などが追加されているほか、HD映像の編集に対応した。1080i/720pの編集ができ、「ブルーレイが出てくれば、HDディスクの作成も可能」と語った。 ここでジョブズ氏が、1カ月前から使って気に入っているというソニーのHDVカメラ「HDR-FX1」を紹介。HDの魅力を語りながら、ソニーの安藤国威社長を招き入れた。安藤社長は「2005年HDが家庭に持ち込まれる年になる。ブルーレイやデジタルカメラ、カムコーダ、フラットパネルディスプレイ、DVDレコーダ、放送関連機器など全てのハードウェアはHDに対応していく。私の持論では素晴しいソフトウェアは、ハードをうまく動かす“接着材”といえる。だからアップルとの協力関係は非常にうれしい。できれば、(iPodなどのハードを作らず)ソフトウェアだけ作っていただければ助かるのだが」と語り、笑いを誘った。
また、安藤社長「最後にひとつだけ」と述べ、「スティーブが気に入ってくれたHDカメラもまだ大きい。これからは放送用途にも十分対応できる、小型のカメラを出していく」と民生用のHDカメラ展開についても言及した。 iDVDでは、DVD±R/RWをサポートしたほか、柔軟な動画メニューでの作成が可能となる。また、Garage Bandでは、8トラックの同時録音や、リアルタイムの譜面作成、ピッチタイミング修正、オリジナルのループ作成などの機能が追加される。 ■ Mac Mini
約165×165×50.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.32kgと超小型のMacintsh「Mac mini」も発表。上位機種ではPowerPC G4 1.42GHz、256MBメモリ(最大1GB)、80GB HDD、DVD-ROM/CD-RWコンボドライブ、ATI Radeon 9200(32MB)を搭載する。 インターフェイスはUSB 2.0×2、IEEE 1394a×1、DVI/VGA出力×1を装備する。価格は上位モデルが70,140円。CPUをPowerPC G4 1.25GHz、HDDを40GBとした下位モデルは価格は58,590円。 ただし、キーボードやマウスは付属しない。ジョブズ氏はMac miniのコンセプトの一端として「BYODKM(Bring Your Own Display Keyboard and Mouse)」のキーワードを紹介、「ほかのPCのディスプレイとか、マウス、キーボードを使えばいい」と述べ、米国での価格が499ドルと紹介されると、会場からは拍手が巻き起こった。ジョブズ氏は、「今までで一番安いMac。(Windowsからの)Switchを考えているならば、とにかくSwicthしよう」と語った。
□アップルのホームページ (2005年1月12日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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