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凸版印刷、リアプロ用フルHD対応新FCスクリーンを開発
-米国の生産拠点を増強。‘05年300万セットを目指す


米国パウエーの生産拠点に完成した第2工場

1月27日発表


 凸版印刷株式会社は27日、リアプロジェクションテレビ用のFCスクリーンの新モデルやレンズを開発したと発表。さらに、米国におけるスクリーン生産拠点であるTOP(Toppan Optical Products)に第2工場が完成したことも明らかにした。

 新たに開発されたのは、1080pのフルHD解像度の高精細映像に対応できるというスーパーファインピッチFCスクリーンと、広視野角に対応するというマイクロレンズFCスクリーン、クロスレンチFCスクリーン。さらに、50インチで奥行き20cmのリアプロテレビを実現できるという薄型フレネルレンズの4つ。

 スーパーファインピッチFCスクリーンは、従来の98μから64μへ、ピッチ幅の縮小を実現したスクリーン。ハイビジョン放送や次世代DVDの高解像度映像も鮮明に表示できるという。まだ、拡散板と光学特性を整合することで、画素レベルにおける表示線明度を向上。42インチ前後で発生しやすかったモアレも防止した。

 既にサンプル出荷は開始されており、光学設計、レンズ金型の製造、レンズ形成にいたるプロセス条件の最適化を実現したほか、微細化に限界のある押出製法に依存しない、独自の製造技術による量産化技術も確立したという。

 マイクロレンズFCスクリーンは、微細なマイクロレンズをスクリーン上に正確に成形し、全方位の視野角を拡大するというもの。従来と比較し、垂直視野角を約2倍に拡大できるほか、全方位からの視野角を均一化できるとしている。量産化技術も確立しており、2006年の市場投入を目指す。

 クロスレンチFCスクリーンは、同一のシート上に水平、垂直の両方向の視野角拡大レンズを一体化して成形したもの。拡散板に依存していた垂直視野角の拡大をレンズ部を主体として実現。垂直視野角を従来の約1.5倍に拡大したという。同一シート上で一括形成するため、製造コストが低く抑えられるのも特徴。2005年の市場投入を予定している。

 また、50インチで奥行き20cmを実現するというフレネルレンズを開発。透過型のレンズ方式を応用したことで、従来よりも鋭角な光の入射角度に対応。従来の金型製作機を使って加工ができるため、製造コストが抑えられるという。50インチは既にサンプル出荷を開始しており、2005年夏から市場投入される予定。春以降には70インチにも対応。将来的には全反射型のフレネルレンズを開発し、50インチで奥行き20cm以下を目指すという。


■TOP第2工場完成

 第1工場の3倍となる、28,859m2の延床面積を持つ第2工場は、2004年末に完成。市場に応じて順次生産能力を増強し、拡大が見込まれる2005、2006年の需要にも対応するという。

 また、現在国内に分散配置しているレンズ金型の生産拠点を幸手工場内に順次集約。スクリーン生産部隊と密に連携をとることで、開発スピードと金型の生産能力を向上させるという。

 これらを踏まえ、同社ではFCスクリーン、セットの販売数量の見込みを、2004年度に200万セット、2005年に約300万セット、2007年には約500万セットと予測。なお、現在は国内工場と米国TOPの生産能力を合わせて月40万セットの生産体制となっている。設備投資額は100億円。

□凸版印刷のホームページ
http://www.toppan.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toppan.co.jp/aboutus/release/article0205.html

(2005年1月28日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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