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シャープ株式会社と富士通株式会社社は7日、富士通の液晶デバイス事業をシャープに譲渡することで基本合意に達したと発表した。両社は譲渡に関する具体的な条件について協議を行ない、2005年3月を目処に正式契約を締結する予定。譲渡金額などは明らかにされていない。 今回の基本合意により富士通は、子会社である富士通ディスプレイテクノロジーズ株式会社(FDTC)の液晶デバイスの開発・製造・販売に関する事業、および株式会社富士通研究所(FJL)のFDTCの事業に関連する研究開発のための設備をシャープに譲渡。 シャープは、FDTCの従業員と生産拠点である米子工場、FDTCの事業に関連する研究開発に関わるFJLの従業員、富士通グループの液晶デバイス事業に関連する知的財産権を継承する。これにより、富士通は液晶デバイス事業から、「ほぼ事実上撤退した」(富士通広報IR室)ことになる。 シャープではAQUOSなどで展開している大型液晶に加え、「中小型液晶についても、携帯電話やゲーム機などモバイル機器の旺盛な需要に加え、車載用など新規分野の需要増加に対応すべく三重工場を中心に生産体制の増強を図っている。今回の合意により譲渡されるFDTCの米子工場も加え、さらに中小型液晶の開発・生産能力の拡大を目指す」と、今回の合意の意義を強調している。 また今後の富士通との関係は、「液晶デバイスの供給先として強化し、液晶事業の経営基盤のさらなる強化を図る」という。 富士通はFDTCで、PCディスプレイ向けの高精細液晶を中心にしており、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)パネルの開発などの技術開発も行なっていた。しかし、PCディスプレイ事業は、パネル価格が低下し続けており、黒字化が難しいことから「この市場においてトップの実力をもつシャープに譲渡することで、液晶デバイス事業の一層の発展を図ることが最適であるとの結論にいたった」(富士通)という。 また富士通は同日、同社と同社の全額出資子会社である富士通ヴィエルエスアイ株式会社(富士通VLSI)が、富士通VLSIの設備事業を株式会社アルバックに譲渡することを基本合意に達したとも発表した。具体的な条件の検討を行ない、4月1日に譲渡を完了する予定。 アルバックは、真空技術をコアとして広範囲な事業展開をおこなっており、液晶ディスプレイを始めとするフラットパネルディスプレイ製造装置事業を行なっている。 富士通VLSIは、半導体回路の設計・開発事業、および液晶関連装置を主力とした製造装置事業を展開しているが、「液晶を含むディスプレイ関連事業は、市場競争が激化する一方、未だ技術の変革期にあるため、競争力を向上させていくためには、設備装置専業メーカーへ営業譲渡するのが最良の選択と判断した」という。これにより、富士通VLSIは半導体回路の設計・開発事業に特化するとしている。
□シャープのホームページ
(2005年2月7日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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