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オンデマンドTV、NTT東西の光ファイバを使ったVODサービス
-定額制VODサービス。ADSLユーザーも視野に


「オンデマンドTV」のマスコットキャラクター。名前はまだない
3月9日サービス開始


 株式会社オン・デマンド・ティービーは7日、伊藤忠商事株式会社、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)の協力を得て、NTT東西の光ファイバーサービス「Bフレッツ」のユーザー向けに、映像の有料配信サービス「オンデマンドTV」を提供すると発表した。

サービスの概念図

 受付けは3月7日から行なわれ、3月9日よりNTT西日本の大阪エリアからサービスを開始する。NTT東日本エリアでは6月頃のサービス開始を予定。加入料は5,250円で、そのほかに月額利用料金が必要。また、専用のSTB(セットトップボックス)のレンタル料も月額315円(購入の場合は15,750円)必要となる。

 オンデマンドTVは、インフラとしてNTT東西の光ファイバー網を利用し、動画コンテンツを専用のSTBでストリーミング受信、テレビなどに表示する動画配信サービス。最大の特徴は、双方向機能を利用し、試聴したいコンテンツをメニューから選択すると、その場で再生が始まるVODサービスに対応したこと。同サービスは毎月2本まで試聴できる「おてがるプラン」と、見放題の「みほうだいプラン」の2種類を用意。「おてがる」は月額577円で、「みほうだい」は同2,100円で利用できる。

 さらに、スカイパーフェクTV! で放送中の専門チャンネルの中から20チャンネルを、オンデマンドではなく再送信する多チャンネルサービスも4月から実施。「多ちゃんねるプラン」に入ることで、月額2,100円で20チャンネルすべてが視聴できる。また、同サービスとVODのどちらも見放題になる「よくばりプラン」も月額3,150円で用意する。なお、これら基本料金に含まれないチャンネルも各105円~420円で用意する予定。

 また、NTT東西の光ファイバーサービスと契約していれば、ISPを選ばず利用できるのも特徴の1つ。配信システムにIPv6を利用しているため、NTT西日本のフレッツ・光プレミアム/Bフレッツ/フレッツ・V6アプリのいずれか、もしくはNTT東日本のBフレッツ/フレッツ・ドット・ネットのどちらかに契約していれば、ISPを問わずに利用可能。なお、フレッツ・ADSLユーザーにもNTT東西共に2005年9月頃からの対応を予定しているという。

起動画面 メイン画面。GUIはスクウェア・エニックスが製作した コンテンツの検索はランキングやおすすめ、ジャンルなどから選択可能

ランキングのイメージ 再生中は早送り、巻き戻し、一時停止も自由に行なえる 多チャンネルサービスでは、EPGも利用できる


■小型のSTBを採用

バッファロー製の専用STB

 STBの開発はバッファローが担当。IPv6に対応したことで、複雑なネットワーク設定などが不要で、プラグアンドプレイで認識が行なえ、手軽に設置できるという。操作は付属のリモコンで行ない、GUIの開発はスクウェア・エニックスが担当。「マニュアルを読まない子供を相手にしたゲームソフトで培ったノウハウを投入し、コンテンツの視聴までができるだけ容易に行なえるGUIを目指した」(スクウェア・エニックスの和田洋一社長)という。

 出力端子はD1、コンポジット、アナログ音声を各1系統装備。Ethernet端子に加え、前面に拡張用のUSB端子も備えているが「現在のところ利用できない。将来的には、ゲームパッドなどを接続して、エンターテイメント機能を強化していきたい」とした。

 配信フォーマットはMPEG-2で、ビットレートは約4Mbps。ただし、夏から秋にかけてH.264フォーマットへの移行を予定しており「H.264に対応した受信機も夏頃から導入し、しばらくはMPEG-2との共存状態を続け、最終的にはH.264に集約する予定」だという。なお、H.264の導入によりADSLユーザーにも対応できるようになるほか、映像のHD対応や音声の5.1ch化も検討されている。

 なお、エラー補正にはFEC(フォワードエラーコレクション)技術を採用。パケットの中に誤り訂正を行なうデータをあらかじめ入れておくことで、パケットロスによる画像の劣化を低減するというもの。コンテンツの著作権保護用技術として、ウォーターマークやビデオ出力のマクロビジョン対応なども施されている。

背面。出力端子はD1、コンポジット、アナログ音声を各1系統装備 操作は付属のリモコンですべて行なう 前面に拡張用のUSB端子を装備。ゲームパッドの接続などを検討している


■コンテンツは伊藤忠商事が窓口に

多チャンネルで放送予定の番組一覧

 提供するコンテンツは、初年度に洋画800本、邦画200本、テレビドラマ300本、アニメ800本など、計約2,800本。5年後には約5,500本を予定している。コンテンツの収集は伊藤忠商事が窓口となって進めており、ワーナー エンターテイメント ジャパンと、ソニー・ピクチャーズ エンターテイメントとは既に契約を締結。

 「チャーリーズ・エンジェル」、「メン・イン・ブラック」、「マレーナ」など、洋画の話題作もラインナップしていくという。詳しいタイトル情報は同社のWebサイトで公開されている。

 また、前述の通り多チャンネルサービスは、スカパー! で放送中の番組の中から20タイトルを放送事業者であるアイキャストが提供する。なお、オプティキャストが展開している集合住宅向けの光ファイバー動画配信サービス「ピカパー!」との連携も予定しており、オンデマンドTVは、ピカパー! に含まれるVOD用の1メニューとして取り入れられるという。それに伴い、ピカパー! 用とオンデマンドTV用STBの一体化も検討されている。


■「VODを1,000億円市場に育てたい」

 オンデマンドTVの梶原浩社長は、今回のサービスについて「コンテンツごとに課金され、視聴本数で月額料金が変動するVODサービスはすでに他社が提供しているが、定額で見放題のプランは珍しい」と、魅力を説明。

 今後の展開については「映画やドラマ、アニメなどのコンテンツ拡充を続けるほか、映像だけでなく、オンラインゲームやカラオケなどの娯楽コンテンツ、テレビショッピング、遠隔講義などのコミュニケーションなど、双方向を活かしたサービス展開を進めたい」とした。

  さらに、「レンタルビデオ市場は約2,500億円と言われているが、既にサービスを開始している他のメーカーと切磋琢磨しながら、家でリモコンを押すだけでレンタルできるというVOD文化を広めていきたい。初年度の会員数は7万7,000人、3年後には40万人を見込んでいる。他社と共に、VODの市場規模を5年後、早ければ3年後に約1,000億円に育てていきたい」と、今後の展望を語った。

オンデマンドTVの梶原浩社長 今後のロードマップ

□オンデマンドTVのホームページ
http://www.ondemandtv.co.jp/
□バッファローのホームページ
http://www.melcoinc.co.jp/
□STBのニュースリリース
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2004/089_1.html
□スカパー! のホームページ
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2004/089_1.html
□ニュースリリース(PDF)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104795/00031028.pdf

(2005年3月7日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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