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大手家電メーカーの出展が多いことから、CeBIT 2005会場ではディスプレイ関連の展示も目立つ。しかし、多くのメーカーはCESなどで新製品を発表しているのため目新しい製品は少なく、既に日米で発表済みモデルの“欧州向け”製品の発表が多い。
■ Samsungは世界最大の82型液晶パネルを発表
ここ数年、フラットパネルディスプレイ業界の「世界最大」競争はSamsungとLGの間で行なわれてきたが、そこに割って入ったのがシャープが2004年10月に開発発表した液晶テレビ65V型「AQUOS」。 しかし、Samusungは大幅に大型化した82型の液晶パネルをCeBIT 2005に出展、世界最大の座を取り返した。今回は開発表明とのことで、モジュールの発売時期は未定。パネル解像度は1,920×1,080ドット。輝度は600cd/m2、コントラスト比は1,200:1。応答速度は8ms、モジュールの外形寸法は1,080×1,875×45mm(縦×横×厚さ)となる。 この82インチパネルは、第7世代のマザーガラスから2枚生産。独自のS-PVAを採用し、開口率を大幅に向上させ、視野角を拡大。低散乱カラーフィルタも採用し、高輝度/高コントラストを実現している。試作機では2系統のHDMIやアナログRGB入力などを備えている。 また、CES 2005で発表した世界最大の102型PDPも出展。多くの来場者の注目を集め、一般来場者が列をなして並んで記念写真を撮っていた。 また、Smooth Picture技術を採用した1080p対応71型DLPリアプロジェクションテレビ「SP71L8HX」も発表。輝度は500cd/m2。HDMI入力や1,600×1,200ドットまでのPC入力を備えている。
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■ シャープは欧州向けHD戦略を発表。PAL専用パネルで低価格攻勢
シャープのブースでは液晶テレビ「AQUOS」シリーズを出展。2005年夏に発売予定の65型AQOUSも展示し、高い人気を集めていた。 同社では9日に開催されたプレスカンファレンスで、欧州での同社の液晶テレビ戦略を発表。フルHD、HDTV、PAL最適化、SD画質の向上などのキーワードを上げて解説した。 亀山の第8世代ラインの稼働による大型パネルの生産により、高付加価値モデルではフルHD化するほか、今後の発売機種では積極的にHDMI/DVIなどのデジタルインターフェイスを搭載する。 低価格モデルでは、HD放送にも応用可能ながら、PAL方式に最適化した液晶テレビシリーズ「P50」を発表した。37/32/26型が用意され、7月に発売予定。価格は未定だが、「従来モデルより大幅に安くなる見込み」という。 1080iまでのHD放送を視野にいれながら、欧州のアナログ放送で採用しているPAL/SECAMに最適化しているのが特徴で、940×540ドットの欧州仕様のパネルを新規に用意して、P50シリーズで採用した。パネル輝度は450cd/m2、コントラスト比は800:1、視野角は170度。低価格モデルながらHDMIインターフェイスも搭載する予定。 P50シリーズの新パネルでは、PAL/SECAMが576本の水平走査線を利用し、通常のCRTではそのうち540本以下で表示していることに着目し、PALの最適な表示には水平解像度540ドットが最適と判断。1080i(1,920×1,080ドット/インターレース)のHDTV放送でも水平解像度が540ドットのちょうど2倍で、720p(1,280×720ドット/プログレッシブ)の2/3とあって、画像処理回路など小型化できるため低コスト化が図れるという。
■ その他
LG電子のブースでは71型のPDPや55型液晶などの大型ディスプレイに加え、LEDバックライトのデモなどを行なっている。 また、無線LAN伝送に対応した26型ワイヤレステレビや、DVDプレーヤー内蔵型液晶テレビも人気を集めている。 そのほか、Panasonicやビクターも欧州向け新製品などを展示。フロントプロジェクタに関しては、IT関連の展示会ということもあり、基本的にデータプロジェクタが中心で、目新しい製品はなかった。
(2005年3月13日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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