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ユーリード、WMV HD対応の「VideoStudio 9」
-最短2工程で編集が完了。自動ズーム機能も


6月17日発売

標準価格:7,329円~18,690円


 ユーリードシステムズ株式会社は、ビデオ編集ソフト「VideoStudio」シリーズの最新版として、16:9のワイド映像やWMVのHD出力に対応した「VideoStudio 9」を6月17日に発売する。通常版に加え、アップグレード版、アカデミック版など計7種類を用意しており、価格は下表の通り。対応OSはWindows 2000/XP。なお、ESD版以外には静止画作成ソフト「Cool 3D」と素材集CDが付属する。

品名 Cool 3D 3.0SE
素材CD-ROM
価格
通常版
15,540円
アップグレード版 8,379円
乗り換え版 10,290円
アカデミック版 8,190円
ESD版(ダウンロード版) × 9,240円
ESD版(ダウンロード版) アップグレード版 × 7,329円
入門セット
(ガイドブックとトレーニングDVD付き)
18,690円

クイックDVDウィザード

 映像や静止画の素材を選び、任意のスタイルを選択すると、音楽やオーバーレイ、トランジション、ビデオフィルタなどの編集作業を自動的で行ない、合計3ステップで手軽にオリジナルビデオが作れるという「おまかせモード」を採用したビデオ編集ソフト。タイムラインを参照しながら細かい編集が行なえるモードも備えている。

 おまかせモードと詳細編集モードは従来から搭載していたが、今回のバージョンから新たに「クイックDVDウィザード」を搭載した。これは、DVカメラをPCに接続し、取り込みたいシーンを選び、あらかじめ用意されたテーマテンプレートを選択すると、2ステップでDVDビデオが作成できるというもの。

 BGMやトランジション、タイトル画面なども自動で挿入される。なお、同様の機能は「おまかせモード」でも利用できるが、「クイックDVDウィザード」ではDVDメニューが付加されず、各効果も固定で変更できない。その反面、ユーザーが選択する工程が少なく、より手軽にDVDが作成できるモードとなっている。

 また、おまかせモードにも新たに「パン&ズーム機能」を追加。素材として静止画を利用した際に、静止画内の人間の顔を自動的に認識し、そこに自動でズームする。これにより、静止画のスライドショーに動きと演出が加えられるという。なお、人間の顔だけでなう電車や花など、画面の中にある目立つ物にも自動パン&ズームが行なえる。

おまかせモードでは、素材を選択し、任意のスタイルを選択するだけでビデオ編集が完了する。なお、メディアに書き出す前に詳細モードに受け渡し、各効果の調整などを行なうといった使い方もできる

静止画内の目立つものに自動的にズーム&パンする機能を搭載 トップメニューからは「クイックDVDウィザード」、「おまかせモード」、「VideoStudio 9(詳細モード)」が行なえる

VideoStudio 9(詳細モード)の画面。トランジション効果が128種類から191種類に、フィルタが39種類から45種類に増加した

 詳細編集モードは、新たにリップル編集に対応。タイムライン上で映像の不要な1部分を削除し、映像全体の長さが変化した際でも、音楽やトランジションなどの演出要素がズレることなく、自動的に調整され、再配置されるという。

 また、オーバーレイ機能の一種としてクロマキー編集にも対応。単一色の背景前で撮影した映像を利用することで、異なる映像同士を違和感なく同じ画面に合成できる。また、画面の任意の箇所を切り抜き、マスク処理することで、映像をフレーム内表示させるマスク処理機能も利用できる。

 ほかにも、トランジション効果が128種類から191種類に、フィルタが39種類から45種類に増加。ハングアップした場合でも編集中のデータが失われない自動保存機能や、トランジション効果や静止画素材などを同社のページから入手できるスマートダウンロード(詳細未定)などを追加。さらに、色補正を手軽に行なう機能や、動画から静止画を作り出し、その印刷にも対応。画像や映像の回転、逆再生などの機能も追加した。

映画のVFXなどで使われるクロマキー編集にも対応。単一色の背景を家庭で用意するのは難しいが、カーテンなどで代用できるという

 さらに細かいところでは、文字のアニメーションの動きがカスタマイズできるようになったほか、二カ国語のソースなどで片方のチャンネルの音声を、左右のチャンネル両方に割り当てる「オーディオチャンネル複製機能」などを搭載。また、レンダリング前のDV AVIの編集時に、プレビューウインドウにタイムコードが表示できるようになった。ただし、VMR(Video Mixing Renderer)互換のビデオカードが必要になる。

静止画を使ったWMV HDのデモ再生も行なわれた

 オーサリング機能ではモーションメニューに、画質面では2Passエンコードに対応。また、出力フォーマットではWMVのHD(1,280×720ドット)出力をサポートした。なお、HDソースとして同社は高画素のデジタルカメラを例に挙げており、「パン&ズーム機能と、WMV HDの再生が可能なネットワークDVDプレーヤーなどと併用すれば、高画質のスライドショーが楽しめる」と説明している。

 なお、HDVフォーマットなどへの対応については「市場の広がりとユーザーニーズを見極めながら、プラグインとして供給するなどの展開を検討していきたい」とした。

 さらに、DVD±VRフォーマットや、16:9のワイド映像にも対応。画面比率を変更せずにソフト上で表示でき、4:3映像と混合したビデオも作成可能。また、前バージョンまではプラグインとして別売で供給されていたドルビーデジタル音声にも標準で対応した。ライティング機能では2層のDVD±Rもサポートしている。

【入力・編集可能なフォーマット】

  • 映像:AVI、FLC、FLI、FLX、GIF、MPEG-1/2、QuickTime、UIS、WMV
  • 静止画:BMP、CLP、CUR、DCS、EPS、FPX、GIF、ICO、IFF、IMG、JPG、PCD、PCT、PCX、PIC、PNG、PSD、PXR、RAS、RLE、SCT、SHG、TGA、TIF、WMF
  • 音声: AC3、AIF、AIFC、AIFF、AU、AVI、MOV、MP3、MPEG-1/2、QT、WAV

■「インタービデオと協力し、弱点を補い合う」

ピーター リン社長

 ピーター リン社長は、最新バージョンの開発にあたり「ビデオ編集とは何か? という原点に戻って使いやすさや機能などを考えた。ビデオ編集という言葉を聞くとハードルが高いイメージを持たれるかもしれないが、あまり難しく考えさせたくないという一心で開発を進めた。“とにかく一回やってみませんか?”という気持ちを込めた新製品」と説明。

 その上で、「メモリースティックやSDカードに動画や静止画を記録する製品も増えており、ケーブルの接続など、複雑な準備をしなくても動画編集が行なえる時代になりつつある。その中でWMV HDの対応など、使いやすさだけでなく、次世代のクオリティも体験できるソフトだ」と魅力をアピールした。

 また、リン社長は3月14日に、米InterVideoが、Uleadに対して株式の公開買い付け(TOB)申請を行なったことにも触れた。リン社長は「最近マスコミでTOBが話題になっていて、面白いなと思っていたが、他人事ではなかった」と苦笑。その上で、「我々は前向きに考えています。インタービデオはDVD関連の高い技術を持っているが、オーサリング系はユーリードが強い。このように、お互いの足りない所を補い合いながら、次世代DVDや次世代OSに対応する体制を構築していきたい」と、今後の抱負を語った。

 さらに、新体制を考慮に入れた2006年までの戦略ロードマップも決定しており、「VideoStudio 10も素晴らしいソフトに仕上げて、私が皆さんにお披露目すると約束します」と、今後も同シリーズが継続して開発・販売されることを強調した。なお、買い付けの有効期限は4月13日までとなっており、3月29日の発表によれば、インタービデオがユーリードの発行済み株式の50.1%~85%を所有することになるという。

ステージでは、ビデオ編集ソフトのある生活の魅力を、劇団ビックスマイルが演劇形式で紹介 VideoStudio 9の公式サイトで、自らの生い立ちや生活などを題材としたビデオ作品を発表するという、女優でカリスマ主婦の松岡幸恵さんもゲストとして登場した

□ユーリードのホームページ
http://www.ulead.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.ulead.co.jp/about/release/2005/050413.htm
□インタービデオがユーリードシステムズの経営権買収意向を発表
http://www.intervideo.co.jp/company/pressroom/press/2005/050329.html
□関連記事
【2004年4月14日】ユーリード、自動編集機能を備えた「VideoStudio 8」
-DVD±VRに対応し、静止画のエフェクトも強化
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040414/ulead.htm

(2005年4月13日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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