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MM総研、‘04年度のDVDレコーダ市場概要を発表
-出荷台数前年比2倍。パイオニアが4強から脱落


6月1日発表


 株式会社MM総研は1日、2004年度の国内DVDレコーダの市場概要を発表した。それによれば、2004年度の出荷台数は前年比104.1%増の443万台となった。また、出荷金額でも前年比43.8%増の2,300億円を記録。立ち上がりから3年で世帯普及率15%を超え、普及率80%を越えるVTRとの置き換えが進んでいる。

 理由について同社は、「新規参入メーカーの登場などで低価格競争が激化し、消費者の“買い頃感”が一気に高まったことや、メーカーがDVDレコーダを重点商品として広告を大量出稿したこと、家電量販店において薄型テレビ購入時に蓄積されたポイントを利用してレコーダを購入するというパターンが定着したことなどが要因」と分析。「アテネオリンピックの特需が収束した下期でも高い成長率を意地するなど、市場は活性化している」とする。

 メーカーシェアは、1位が松下電器産業(27.1%)、2位がソニー(20.5%)、3位が東芝(15.6%)となり、上位3社は2003年と変動がなかった。4位以下では、前年5位だったシャープが10.2%のシェアで4位に上昇。5位はパイオニア(9.6%)となった。

 なお、2004年度からレコーダ市場に本格参入した三菱電機と日本ビクターのシェアは、低価格戦略を取り入れた三菱電機が特に健闘し、7%。ビクターは5%となっている。

メーカーシェアのグラフ
※出典:(株)MM総研 [東京・港]

 メーカーの戦略と効果についてMM総研は「松下はアテネ商戦に投入した最大級の広告や、DVD/HDD/VHSの3 in 1レコーダの早期投入が効いた」と分析。ソニーはアテネ商戦での低価格戦略や年末商戦の新製品投入、東芝はWチューナモデルや、600GBという国内最大容量の「RD-X5」を投入したことなどを評価ポイントとして挙げた。

 また、全体では「2003年は松下、ソニー、東芝、パイオニアがシェア89.1%を占有する4強時代だったが、パイオニアはアテネ商戦を境に4強から脱落した」と指摘。その理由について「WチューナやVHSとの2/3 in 1モデルなどに対してキャッチアップできなかったことや、価格下落のスピードに対応しきれなかった」と分析した。


■ 収益性悪化の対策は「アップルを見習うこと」

 出荷金額は、2003年度の1,600億円から2,300億円へ43.8%増加したが、平均出荷単価は51,900円となり、2003年度の73,700円から21,800円の大幅下落となった。

 単価の下落による収益性の悪化についてMM総研は「DVDレコーダの状況はデジタル家電の中でも特に深刻。これはPC市場が辿った道とまったく同じ状況で、川上の部材メーカーと川下の消費者しか旨みがない“スマイルカーブ現象”だ」と分析。

 これに対する対抗策としては、「iPodとiTunes Music Storeの組み合わせで北米で成功した“第2のアップル型戦略”のような発想が必要。レコーダをゲートウェイとして家庭にコンテンツを配信するソフトサービス一体型のビジネスを確立し、レコーダ事業の周辺で利益を確保出来るかが鍵になる」と予想する。

 さらに、価格の下落に関しては「流通業界の価格競争の影響を受けないためにも、Web通販を使った直販を強化すべき。流通経費を圧縮し、周辺商品やサービスを含めたセルアップやロイヤルカスタマーの囲い込みなどを行なう必要がある」とした。

 なお、2005年の出荷台数については、アテネオリンピックのような特需が見込めるイベントはないものの、「VTRからの乗り換え需要を中心に、引き続き成長性を維持していくだろう」とし、前年比26.4%増の560万台、2005年度末の世帯普及率は約27%と予測。「これは、MM総研が予測している2005年度の個人向けPC出荷台数(565万台)に迫る勢い」という。


□MM総研のホームページ
http://www.m2ri.jp/
□ニュースリリース
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120050601500

(2005年6月2日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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