|
エイベックス ネットーワーク株式会社は15日、高音質な音楽配信サイト「@MUSIC HD Sound」を開設し、配信を開始した。 4月に発表した、「音質への飽くなきこだわりを持つ」という小室哲哉氏をエグゼクティブ・アドバイザーに迎えた「High Definition Sound with TK」プロジェクトが、「High Definition Sound laboratory(HD Sound Lab.)」を設立。@MUSIC HD Soundは、その第一のステップとして公開された。 ただし、まだ試験運用との位置づけのため、大々的なプロモーションやパブリシティなどは行なっていない。20日現在に試聴・購入できるのは、globeの楽曲が5曲だけ。価格は1曲210円で、通常の音楽配信とかわらない。フォーマットはWMA9 Lossless形式(16bit/44kHz)。ファイルサイズは、1曲あたり45MBありと、通常の音楽配信サイトの5MB程度に比べると巨大だ。 現在のところ16bit/44.1KHzでの配信のため、従来の音楽配信と異なるのはLosslessであることだけだが、同社では今後、体制が固まり次第16bit/48KHzへ、さらに近い将来には24bit/96KHzへ拡大する予定としている。
またHD Sound Lab.では、今夏に「HD Sound Laboratory Studio」をオープンし、複数のマスタリングソフトを含むDAWを備え、各機器にマッチしたマスタリング技術の実験、開発が予定されている。
エグゼクティブ・アドバイザーの小室哲哉氏は「'90年代初頭にシンクラビアを使って、サンプリングレート100KHzで、ナイトレンジャーのブラッド・ギルズに演奏してもらい収録して聞かせてみると、『オレはこんなにヘタじゃない』と憤慨した」とのエピソードを披露。
「そのくらいシンクラビアで録音した100KHzの音は、克明に記録してしまっていた。ピッキングミスとかスクラッチノイズとかごまかせないレベルでわかってしまう。もちろん、CDにするときに16bit/44.1kHzにするので、わからなくなってしまう微細なミスではあるのだが」。 「しかし、ブラッド・ギルズは100KHzで録音した自分の演奏を聴いて、そこから練習をはじめた。プロのミュージシャンとして、よりよい音を伝えたいという思いは強い」と語り、作り手の側からも高音質で伝えたいという強い欲求があると語る。 「今後は、CDのように真ん中のものだけを作るのではなく、圧縮音楽と高音質な音楽の両方によりそった音作りが求められてきていると思う」とし、選択肢を広げていくこと重要であると強調した。
□エイベックスのホームページ
(2005年6月20日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|