シャープ、液晶テレビ「AQUOS」の筐体リサイクル技術を開発 －リサイクル効率化のため、ガイドラインも独自に策定

AQUOSシリーズ

　シャープ株式会社は6日、同社の液晶テレビ「AQUOS」シリーズのキャビネットに利用している「ノンハロゲン樹脂」を、同一素材として再生するリサイクル技術を開発したと発表した。よりリサイクル性に優れた新しいキャビネット材料を、2006年度末を目処に開発。液晶テレビのリサイクル技術の確立を目指す。

　現在、AQUOSシリーズのキャビネットには、焼却してもダイオキシンが発生しないノンハロゲン樹脂が使われている。この樹脂はポリカーボネイトとアクリロニトリルブタジエンスチレンを混合したものに、りん系の難燃剤を加えて作られている。

　キャビネットとしての歴史が浅いため、これまで同一素材として再生するマテリアルリサイクル技術は確立されていなかった。しかし、同社では、20年間使用したのと同じ状態まで劣化させたキャビネットを使い、そこから新しいキャビネットを再生するリサイクル技術を開発した。

　具体的な手法は、古くなったキャビネットを破砕。塗膜剥離を行ないペレット化。そこに改質剤をブレンドし、キャビネットを再成形する。同社では2005年8月13日から施行される欧州の廃電気電子機器リサイクル指令(WEEE)や、日本の家電リサイクル法の改正などを想定し、今回開発した技術も含め、液晶テレビのリサイクル技術の確立を目指すという。

リサイクルフロー

「液晶パネルリサイクル処理ガイドライン」の中から、液晶テレビのリサイクル処理の一例

　また、リサイクルを効率的に進めるために、「液晶パネルリサイクル処理ガイドライン」の日本語版と英語版、さらに「液晶テレビ 蛍光管の手解体ガイドライン」(日本語版のみ)を策定。易解体設計の普及を図るために、広く公開していくという。

　なお、同日には「環境・社会報告書2005」も発行している。この中で、「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」という企業ビジョンの実現に向けた取り組みなどを紹介している。このビジョンは、2010年度までに、同社が生産した太陽電池によって生み出したエネルギーと、同社の新製品が消費するエネルギー効果による温室効果ガス削減量が、全世界の事業活動で排出する温室効果ガスの量を上回るようにするとしている。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース(液晶テレビのリサイクル技術)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050706-b.html
□ニュースリリース(環境・社会報告書2005の発行)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050706-a.html

(2005年7月6日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]

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