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マイクロソフト株式会社は、車載情報端末用OS「Windows Automotive 5.0」(WA 5.0)を発表した。自動車メーカー、車載情報端末メーカー、車載情報端末向け開発者に7月12日より提供を開始する。ライセンス料や、具体的な搭載数の目標は明らかにしていない。 同社は12日、車載機器メーカーや、サービスプロバイダのエンジニアなどを対象に、「Microsoft Windows Automotive Conference 2005」を開催。WA 5.0の概要説明や、新機能のデモのほか、Windows Automotiveを採用した製品の展示などを行なった。
WA 5.0は、Windows CE 5.0をベースにした車載端末向けのOS。ナビゲーションやメディアプレーヤー、携帯電話のハンズフリー操作など多機能の並行開発を容易にする「AUI」(Automotive UI Toolkit)に加え、新たに、各ソフトに最適なリソース配分を行なえる「AST」(Automotive System Tools)を搭載する。 発表時の基調講演では、米マイクロソフト デバイス・サービス・eXperience グループ担当 コーポレートバイスプレジデントのトッド・ウォーレン氏が、WA 5.0の魅力について「映像や音楽など多彩なエンターテインメントを車に持ち込むことが可能になり、DRM対応によりコンテンツホルダーの権利を守ることができる」と紹介した。 また、「これまでアルパインやパナソニックなど多くのメーカーに支持されている。今後も車載機器メーカーや自動車メーカーと協力してWA 5.0を発展させたい」と述べた。
続いて、ゲストスピーチとしてアルパイン株式会社のAVNC製品開発副担当 理事の相馬聡氏が登壇した。 同社は2003年に初めてWindows Automotive 3.5を採用して以来、同シリーズを搭載するDVDナビやHDD/DVDナビを発売。2007~08年をめどにWA 5.0搭載のHDDナビを日本や米国、EUなどでリリースする予定となっている。 同シリーズを採用する理由としては、「エンターテインメント機能の融合や、市場拡大への対応、複数GUIを統合するソリューションとして最適」とした。WA 5.0についてはDLL専用のメモリ空間が拡張されたことや、AUIの機能が向上したことを挙げた。
また、今後は、互換性の取れたバージョンアップ化や、トラブル対応の迅速化、ロイヤリティの最小化などに期待すると述べた。 さらに、マイクロソフト・プロダクトディベロップメント・リミテッド ITS戦略統括部の平野元幹氏が、WA 5.0の新機能についてデモを交えて紹介した。 新たに追加されたASTでは、3D映像と動画、アニメーションを同時に表示しても、各スレッドの動作する優先順位を指定することで、スムーズな再生が行なえることを実証した。 また、端末のスキンを変更するデモを行ない、搭載する車種に合わせたスキン変更がメーカーごとで容易に行なえることを紹介した。
AUIについては機能強化により開発効率を向上。ASTについては、「PCとは異なりハードウェアを簡単に増設できない車載端末にとって新しいツール」であり、「将来は組み込み機器開発に必要不可欠なキーテクノロジへと進化させたい」とした。
基調講演後の記者発表では、Windows Automotive採用のカーナビやカーオーディオ製品を展示。WA 5.0はまだ搭載されていないが、同シリーズの優位性や今後の可能性について、現行製品を使ってアピールした。
□マイクロソフトのホームページ (2005年7月12日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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