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ソニーは、業界最小の容積0.06cm3の手ぶれ検出用2軸ジャイロモジュール「GSU-350」を開発、8月初旬よりサンプル出荷を開始すると発表した。サンプル価格は5,250円。 従来は上下と左右方向の手ぶれ量を検出を、1軸のジャイロセンサとアンプやフィルタなどの周辺回路を2組搭載することで行なっていたが、GSU-350では、2個のジャイロセンサとアンプ、フィルタなどの周辺回路を1ユニット化。外形寸法が7×7×1.3mm(縦×横×厚さ)と、2軸モジュールでは業界最小容積で、より小型な機器への手ぶれ補正機能の搭載が可能になるとしている。 ジャイロセンサには、近接して配置すると機械的振動、電気的結合によりジャイロセンサ同士の干渉が起こる問題があるが、今回新たに干渉によるノイズを取り除く信号処理回路を搭載。2つのジャイロセンサ同士の干渉の影響をなくし、小型での1パッケージ化を実現した。 また、新開発のジャイロセンサ(振動子)は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術による高精度の微細加工と薄膜技術による圧電素子の形成で小型化。なお、圧電薄膜技術は、独立行政法人産業技術総合研究所と共同開発している。 さらに、同社独自のジャイロセンサ構造を採用や、検出回路とアンプ・フィルタなどの周辺回路を1チップICとして集約したほか、新開発ICにS/N向上を図るための信号処理回路を搭載するなどして、小型ながら従来品と同等の感度を確保。同社従来品の1軸ジャイロを2個使う場合と比較して、面積で1/5、厚さで1/3となっている。 消費電力の面でも、1チップIC化によってレギュレーターなどの共通回路部を半減することで、同社従来品の1軸ジャイロ2個の場合と比較して約2割の低電流化(最大8mA)を実現している。
なおGSU-350は、同社社製品への搭載が検討されており、「ジャイロモジュールビジネスをデバイスビジネスにおける新しい領域として成長させる」としている。
□ソニーのホームページ
(2005年7月14日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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