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SEDやフルHD PDPなど、ディスプレイ関連が注目を集めるCEATEC 2005だが、製品化も見えてきた次世代DVD関連のブースも賑わいを見せている。ここではHD DVDプロモーショングループのブースを中心に、HD DVD関連の展示をレポートする。
■ 東芝 大きな注目を集めているのは、東芝サムスン ストレージ・テクノロジーが2005年中にサンプル出荷を開始するノートPC用のHD DVD/DVD/CDドライブ「TS-L802A」。HD DVD-ROMの再生と、DVD/CDの記録再生に対応した薄型ドライブで、HD DVD再生とDVD/CDの記録再生の光学系を1つの対物レンズで構成することで、12.7mmという薄さを実現した。ハードウェア的にはほぼ完成しており、「著作権保護規格であるAACSの策定を待ち、細かなファームアップなどを行なった後、量産出荷を開始したい」としている また、ドライブ単体の展示に加え、東芝製のAVノートPC「Qosmio G20」に同ドライブを実装した試作機も展示している。搭載PCは2006年初頭の発売を予定しており、Qosmioシリーズの上位モデルと位置付けられる予定。詳細な発売時期や価格は未定だが、「価格は30万円台を予定している」という。デモではHD DVD-ROMの10~20Mbps程度の映像を再生しているが、時折コマ落ちする場面もあった。同社では、「発売時のハイスペックPCなら問題なく再生できると考えている」と話していた。
据え置き型のHD DVDプレーヤーは、IFA 2005で展示されたものと筐体のデザインが変更され「ほぼ製品版のデザイン」(同社)となった。メニューやチャプタ機能、iHDを使った双方向機能、音声出力対応のHDMIなども搭載。「価格は決定していないが、10万円を切りたい」としている。
また、「ドイツワールドカップ前の2006年5~6月上旬」と発売がアナウンスされているHD DVDレコーダも参考展示。録画/再生デモなどは行なわれていないが、展示された機体でHD DVD-ROMの再生もサポートしているという。詳しい仕様は未定だが、「HDDを内蔵し、HD DVDにムーブするような利用方法も考えている」としている。
また、HD DVDプロモーショングループの外壁には、HD DVD-ROMのビデオソフトとして発売が決定したタイトルが展示されている。主なタイトルは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man」(バンダイビジュアル)、「アビエイター」(松竹)、「バットマン ビギンズ」(ワーナー)、「リディック」(東芝エンタテインメント)、「バイオハザード」(東芝エンタテインメント)、「戦国自衛隊 1549」(角川)など。 ソフトのパッケージとして展示されている32本に、ポスターのみのタイトル3本の計35本。なお、HD DVD-ROMプレーヤーと同時発売されるタイトルなどは未定。
■ 三洋/NEC、その他 三洋は、1チップでHD DVD/DVD/CDの記録再生に対応した信号処理LSIを展示。HD DVDの記録再生、DVD±R/RWの記録再生、DVD-ROM/RAMの再生、CD-ROMの再生、CD-R/RWの記録再生をサポートしており、パッケージは216ピンのLQFP。1チップ化することで「省スペース、低消費電力に加え、低コスト化に貢献できる」という。ほかにもHD DVD用のピックアップも展示している。 また、据え置き型のHD DVD-ROMプレーヤーも展示。2層ディスクの再生にも対応しているが、メニューやチャプタ表示、「iHD」を使ったインタラクティブ機能などは実装されていない。HDMI端子は備えている。
NECはHD DVD-ROMドライブ「HR-1100A」を出展。年内の発売を予定しており、NEC製のPCや、東芝のHD DVDプレーヤーなどに搭載予定。IFA 2005に展示されたものとほぼ同じで、インターフェイスはIDE/ATAPI。DVD±R/RW、CD-R/RWなどの書込みが行なえるが、HD DVD-R/RWの記録はできない。最新のAACSに対応しており「完成度は非常に高いレベルにある」(NEC)という。
■ PC用のHD DVD対応再生/オーサリングソフト ソニックソリューションはDVDオーサリングソフト「Scenarist」の最新版として、HD DVD-ROMのオーサリングに対応したバージョンを展示している。一部のオーサリングスタジオなどへの出荷を既に開始しており、著作権保護技術などは策定次第バージョンアップで対応していくという。 主な操作はScenaristと同じだが、HD DVD-ROMならではの多機能なメニューなどが作成可能。映像を表示しながら半透明のメニューを重ねて表示したり、任意の場所で画面下からポップアップする特典映像、インターネットに接続して会員限定のコンテンツを見るなど、様々な機能を利用できるという。
インタービデオとユーリードシステムズのコーナーでは、HD DVDの再生に対応した「WinDVD」を参考展示している。デモでは、25Mbps程度のVC-1映像を表示していたが、デュアルコアのCPUを搭載したハイエンドマシンでも時折映像がコマ落ちする場面があった。「リリース時期や価格は未定だが、DVDの場合と同じように、HD DVDドライブにバンドルしての販売を予定している」という。 また、サイバーリンクではHD DVD対応の「PowerDVD」を展示している。メニュー表示はサポートしているがネットワーク接続機能などは未実装。PCにかかる負荷は「MPEG-4 AVC/H.264の映像ではデュアルコア/デュアルCPUなどのハイスペックマシン必要となるが、VC-1やMPEG-2ならばミドルレンジのマシンでも十分再生できる」としている。 ただし、「特典映像などでPinP表示を行なうと、負荷が急激に高くなるのが問題点。Windowsはもともと2つの動画を同時再生するのに適していないこともあり、今後の調整が必要」だという。
□CEATECのホームページ
(2005年10月4日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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