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米Microsoftと米RealNetworksは現地時間の11日、RealNetworksがMicrosoftを相手取って起こしていた反トラスト法(米独占禁止法)訴訟に関して、Microsoft側がRealNetworksに7億6,100万ドルを支払うことで和解が成立したと発表した。今後両社は音楽配信やオンラインゲームなどの分野で協力関係を構築するという。 この訴訟は、2003年12月にRealNetworksが「PCメーカーがMicrosoftと競合するメーカーのメディアプレーヤーソフトを自社のPCにプリインストールするのを、Microsoftが独占力を利用して妨害した」などとして、反トラスト法違反の疑いでMicrosoftに損害賠償の支払いを求めていたもの。 和解の成立はシアトルで開催されたイベントの中でMicrosoftのビル・ゲイツ会長兼CSAと、RealNetworksのロブ・グレーザー会長兼CEOが発表。MicrosoftはRealNetworksに対して、和解金として4億6,000万ドルを支払う。これに伴い、各国で争われていた独占禁止法訴訟は全て和解となるほか、RealNetworksは欧州連合(EU)や韓国政府がMicrosoftとの間で争っている独占禁止法訴訟からも離脱する。 また、MicrosoftはポータルサイトのMSNにおいて、RealNetworksの音楽やゲームのサービスに対して3億100万ドル相当のプロモーションを18カ月以上に渡って実施する。 さらに、サービスやソフトウェア開発、DRMの面でも協力。Windows MediaとRealのHelix Digital Rights Managementの互換性を強化。Windowsを搭載しないコンピューターやWindowsをサポートしないポータブル機器などで、Windows Media DRMが施されたコンテンツの再生をRealが自社のソフトで推進できるようになる。 また、次期Windowsである「Windows Vista」において、ユーザーがRealメディア用ファイルを再生しようとして再生ソフトがインストールされていない場合、RealPlayerのダウンロードサイトにダイレクト接続できるようにする。 ほかにも、RealNetworksが検索サービスのMSN Searchをサポートするほか、携帯音楽プレーヤー向けの音楽配信サービス「Rhapsody To Go」をWindows Media Technology(WMT)対応の携帯音楽プレーヤーのユーザーに利用してもらうようプロモーションを行なう。また、RealNetworksが開発するゲームを、MSN GamesやXbox 360のXbox Live Arcadeを通して提供するという。 そのほかの展開として、MSN Messengerのチャット中に、チャット相手とRhapsodyの100万曲以上のライブラリの中から同じ音楽が聴ける機能追加を予定。さらに、RealPlayerの中からMSN Searchが利用できる機能を追加。 MSN Searchで音楽関連の検索を行なうとRhapsodyへのリンクが表示されるようになるほか、検索結果の中にRhapsodyの楽曲解説情報を掲載することも検討している。
今回の和解についてロブ・グレーザー氏は「RealNetworksとMicrosoftの訴訟問題は適切かつ公平な形で解決した。今後は生産的で協力的な関係を構築する。RealNetworksのサービスはMSNと統合することで、より多くのユーザーに良質な製品とサービスを届けることができるだろう」と語っている。
□米Microsoftのホームページ(英文)
(2005年10月12日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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