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国内最大の映像機器展「Inter BEE 2005」が、幕張メッセで16日から18日まで開催されている。Inter BEEは放送業界向けの展示会となっており、最新ビデオカメラや、デジタル放送用の送出システム、放送局用のスイッチャーなどが、出展されている。 放送機材やソリューションのHD対応に加え、今年の傾向としてIPネットワークを利用したHD伝送ソリューションなども多く見受けられ、従来のInter BEEから若干の変化も感じさせる。入場は無料だが、事前登録もしくは会場での当日登録が必要となる。 ■ ソニーはXDCAMをHD対応。新CRTマスモニも発表
ソニーは、青色レーザーを利用した23GB容量の光ディスク「Professional Disc」による放送用光ディスクソリューション「XDCAM」をHDへ対応。「XDCAM HD」として対応カムコーダやデッキを発表した。 「PDW-F330」は、HD記録に対応したビデオカメラ。撮像素子には1/2型、156万画素の3CCDを搭載する。2006年4月より発売され、価格は200万円前後の見込み。 XDCAM HDではHDVと同じMPEG-2 Long GOPを採用し、記録モードはHQ(ビットレート35Mbps/記録時間約60分)/SP(25Mbps/約90分)/LP(18Mbps/約120分)の3モードを用意。また、DVCAM方式での記録再生も可能となる。従来のXDCAMと同様にプロキシAVデータの仕様も継承している。
XDCAM HD用のレコーダ「PDW-F70」とプレーヤー「PDW-F30」も発表された。XDCAM HDの記録に対応し、リニア編集のプレーヤーとして利用できる。また、F70では、HD-SDI出力を搭載する。PDW-F70は2006年4月、PDW-F30は2006年7月の発売を予定している。 そのほかにも、HDV用として、スタンダードサイズのDVテープと対応デッキも参考展示。ビデオカメラとしては採用予定は無いが、長時間へのニーズの高さや、スタンダードテープへの対応の声が多かったとのことで、デッキ、テープともに発売を計画しているという。発売時期や価格は未定。
CRTビデオモニタの新モデル「BVM-Aシリーズ」も参考展示している。放送用に開発されたHRトリニトロンブラウン管を採用したマスターモニターで、20型のセパレートモデル「BVM-A20FM1」と、14型の「BVM-A14F5M」が用意される。BVM-A20FM1は2006年2月より、110万円で、BVM-A14F5Mは2006年3月より48万円で発売する。 BVM-A20FM1はコントロールユニット「BKM-15R」も別売となる。さらに両モデルとも入力ボードが別売で、HD-SDI用の「BKM-62HS」が45万円、D2入力の「BKM-61D」が168,000円、RGB/コンポーネント入力の「BKM-68X」が68,000円。 ともにEBU規格蛍光体を採用し、デジタルユニフォーミニティ回路を搭載することで、忠実な色再現を実現。HD/SDのマルチフォーマット対応で、HD-SDI入力ボートとの組み合わせで、1080/50i、1080/60i、1080/24PsFの4:4:4 RGBやY/PB/PRの4:4:4 HD信号に対応する。
□ソニーInterBee 2005出展のニュースリリース ■ 1080p対応VC-1用リアルタイムエンコーダが登場
報映産業のブースでは株式会社EVCが扱う、HD対応H.264エンコーダやVC-1(WMV9)のHDリアルタイムエンコーダを出展している。 注目されるのは、米Inlet製のVC-1 HDハードウェアエンコーダ「Fathom(ファソン)」。1080pまでのVC1をリアルタイムでエンコード可能なPCIカードで、HD品質のVC-1をリアルタイムエンコードできる製品はFathomが初という。価格は283万5,000~493万5,000円。 Blu-ray/HD DVDなどの次世代光ディスクでは、MPEG-2のほか、H.264やVC-1がプレーヤー側の必須コーデックとなっている。そのため、Fathomも次世代光ディスクのポストプロダクション向けの販売活動を予定しているという。 大型のPCIカード上にVC-1エンコード用に8基のDSPを搭載、それらを並列動作させ、HD-SDIのほか、10bitAVIやQuickTimeなどのソースファイルから、1080i/pなどのHD映像をリアルタイムエンコードが可能となっている。エンコード時のCPU負荷率は10%程度。 ビデオ分析ソフトの「Semaphore」も同梱。上位バージョンのFathom Proではソースの任意の箇所だけビットレートを変更し、再エンコードできるSeen by Scene機能も搭載。エンコードの結果、一部箇所の品質に満足行かない場合、その箇所だけをより高ビットレートに設定し、再エンコードが行なえる。
また、modulus video製のH.264対応のリアルタイムエンコードシステム「ME6000」も出展されている。Sunのワークステーションをベースにしたネットワーク送出向けのシステムで、12月より販売開始する。価格は1,700万円。 MPEG-2の約半分のビットレートで同等の画質を実現可能で、H.264のMain Profile Level 4でのリアルタイムエンコードが可能。 そのほか、HD対応のハイビジョン伝送については、多くのブースでさまざまなソリューションが案内されている。 ■ その他
また、報映産業ではHDV記録対応HDDストレージ「FireStore FS-4 HD/FS-4Pro HD」を出展。Pro版はAvid DV OMF/Pinnacle AVIなどに対応するほか、デイジーチェーン接続が可能などの機能強化が図られている。 40GBモデルと、80GBモデル(Proのみ)が用意され、価格は8~15万円。HDVカメラとi.LINK(6pin)接続して、HDVのMPEG-2 TSファイルを直接記録できる。40GBモデルは3時間、80GBモデルは6時間の録画が可能で、電源は内蔵バッテリ、もしくはACアダプタを利用する。対応HDVカメラはソニーHDR-FX1/HC1、HVR-Z1J/A1Jと、キヤノンXL-H1(予定)。 松下電器のブースでは、放送用機材のほか、P2メモリーカードを利用したHDビデオカメラ「HVX200」を大々的にアピールし、実写デモなどを行なっている。また、ワンセグ用の試験放送も行ない、端末での再生デモなどが行なわれている。
マクセルのブースでは、ホログラムディスクに記録した映像の再生デモを実施。米InPhase Technologiesの開発したホログラムディスクと再生装置から、映像を読み込み実際に再生している。現在は数100MB程度の記録容量だが、2006年度中の製品投入を目指している。 当初はライトワンスで、データバックアップ市場での展開を予定。立ち上げ時の容量は300GBとなる予定。
□InterBEE 2005のホームページ (2005年11月16日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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