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ボーズ株式会社は、ポータブルオーディオやPCなどとの接続を想定しながら、スタジオモニタースピーカーとしての利用にも耐える音質を実現したというアクティブスピーカー「Micro Music Monitor」(M3)を2006年3月3日に発売する。価格はペアで49,980円。直販サイト、および直営店限定の販売となっており、先行予約は2006年1月20日から受け付ける。 マルチメディアスピーカー「MediaMate II」(15,540円)の上位モデル(プレミアムモデル)と位置付けられているが、新開発の低音再生技術やドライバー、アルミ製のエンクロージャを採用するなど、音質は大幅に向上している。
2chのアクティブスピーカーで、ACアダプタを接続しての駆動と、単3電池4本での駆動も可能。右チャンネルにデジタルアンプを内蔵しており、定格出力はACアダプタ接続時に20W×2ch、電池使用時に2W×2chとなる。電池は左チャンネルの底部に内蔵。信号とともに電流も通す専用ケーブルで両チャンネルを接続する。
最大の特徴は、外形寸法60.4×122.5×122mm(幅×奥行き×高さ/1本)という手のひらサイズの筐体を採用しながら、豊富な低音再生能力を実現したこと。新開発の独自技術「ハイパーレゾネーター」方式を採用しており、エンクロージャの内容積を最大限に活用することで、キレのある低音が再生できるという。 ハイパーレゾネーターの詳細は明らかにされていないが、エンクロージャを横に貫通するように、側面にスリット型のポートが空いており、内部を見るとスピーカーユニットに使われるマグネットのようなものが、スピーカーの背面側と前面側に取り付けられている。しかし、搭載するユニットは新開発の50mm径フルレンジユニット1基のみとされている。同社は「技術の概要は、今後徐々に明らかにしていきたい」と説明している。
エンクロージャの素材にはアルミ材を使用。小音量再生時でも音のバランスを保つ「P.A.P.回路」も備えている。また、アンプ部には過大入力時の歪みを防ぐデジタルコンプレッション回路も装備する。 入力はステレオミニのアナログ入力1系統のみ。ステレオミニケーブルは0.4mと1.8mの2種類を、左右のスピーカーを接続する専用ケーブルは0.6mと3mの各2種類を同梱。音量調整と電源のON/OFFが可能なシンプルな赤外線リモコンを同梱。重量は左右ともに0.6kg(左チャンネルに電池は含まず)。
■モニタースピーカー「101MM」を越える 佐倉住嘉社長は「低音を再生するためには、大きな振動板を持ったユニットや、大きなエンクロージャが必要」というスピーカーの常識を語った上で「小さなスピーカーで低音を再生することは、物理的に非常に難しい。しかし、“拳大の小さなスピーカーで、生演奏のような深みのあるサウンドを再生したい”というのが、創始者であるボーズ博士の夢だった」と説明。その夢をかなえる新製品として「M3」を紹介した。
開発時のコンセプトは、‘82年に発売されて以来、モニタースピーカーとしてロングセラーを続けている「101MM」(40,740円/ペア)の音質を凌ぎ、より小型化を実現すること。その成果を示すため、発表会は都内の録音スタジオで行なわれ、実際に101MMとM3の比較試聴も行なわれた。
M3のエンクロージャは101MMの6分の1程度のサイズしかないが、低音の量や質感はM3に軍配が挙がり、分解能や音像の精密さも引けをとらないという印象を受けた。なお、当初M3の間にダミーのサブウーファが置かれており、2.1chスピーカーとして紹介されていた。しかし、実際はサブウーファは結線されていなかったというサプライズがあり、M3の低音再生能力の高さに驚かされるデモとなった。
□ボーズのホームページ
(2005年12月1日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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