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株式会社日立製作所は15日、2006年4月1日をもって庄山悦彦社長が会長に就任し、現代表執行役執行役副社長の古川一夫氏が新社長に昇格すると発表した。 社長交代とはなるが、庄山新会長は引き続きグループ全体のマネージメントを担当し、古川新社長は庄山新会長とともにグループを統括しながら、構造改革の推進や新戦略の立案などを進めていく。
新社長に就任する古川一夫副社長は、'71年の入社以来、情報通信を専門にキャリアを重ね、2003年6月からは情報・通信グループ長/CEOに就任している。同社8人目の社長となるが、中核部門ともいえる重電出身以外での社長就任は異例で、歴代の社長が努めた工場長職も経験していない。 '99年に社長に就任した庄山社長は、「i.e.HITACHIプランなど構造改革を推進し、本格的な連結企業経営の導入など、激変する状況の中グループとしての一体感を高めてきた。燃料電池や自動車関連の事業創出など、社長として充実した時間を過ごすことができた。しかし、経営改革に終わりはなく、さらなる改革を急ピッチに進めるためには、若くと、改革の意欲の高い人が必要だ」と述べ、社長退任について説明。 また、古川新社長の略歴を「情報通信のエンジニアとして入社以来、情報通信の分野でIPネットワーク事業を立ち上げ、日立の中核事業の一つに育て上げた。ユビキタス社会におけるuVALUE戦略で情報通信を横つなぎし、安心/安全な社会の実現に向け、大きな役割を担っていこうとしている。新しい価値を創造し“Inspire The Next”を実現してくれる人物」と紹介した。 古川副社長は、IPネットワーク事業や情報通信事業のグローバル化、グループシナジーの向上などの経験を紹介し、「多方面でライバルとしのぎを削っている。失敗もあるかもしれないが、それに誠意を持って立ち向かう。この先の日本、この先の日立を思い描き、その夢に向かって実現していく。若い人が仕事の中で夢を実現できる会社にしたい」と意気込みを語った。 情報通信以外の分野での事業経験がない点については「事業の基本は同じ」とコメント。さらに、現在の日立の事業分析については、「(2003年~2005年度までの中期経営計画)“ieHITACHIプランII”に則って、おおむね順調という認識だ。ただし、HDD、ディスプレイ、薄型テレビの3事業は価格下落に対応できず、ieHITACHIプランIIを達成できなかった。これらの事業不振の原因ははっきりしており、これを立て直すのが最初の大きな仕事。私のリーダーシップにかかっていると感じている」と説明した。 ディスプレイやHDDは、「価格下落が大きく、グローバル競争が厳しい」としながらも、「液晶のIPSなどユニークな技術を徹底的に強くしていく。テレビも年度前半はシェアを失ったが、ラインナップを揃え、順調に回復している。すでに2005年度中に手は売っており、2006年の後半には全ての事業の黒字化を達成する」とした。 また、情報通信については「社会インフラに強い会社で、そこでは絶対負けないので、インフラを一つ一つしっかりやっていくことが重要」としたほか、重電についても、「グローバルでエネルギー投資が拡大している。技術そのものも新しくなるなど、一気にホープフルな事業になっている。戦略事業として重点を置いてやっていく」とした。 また、庄山社長は共同ファブや独立ファウンドリなど、半導体業界の統廃合や再編について、エルピーダの成功例やルネサスの経験を例に挙げて、引き続き積極展開するという。ただし、「単に共同ファブを作ってこれに参加しても、やる人が本気にならない限りダメ」とコメント。また、古川副社長も、「一企業としてというより、日本として必要なこと」と説明した。 なお、グループの再編については、「うまく運用できており、今のまま進めていく」としながらも、「いろいろな可能性は検討する。アライアンスやM&Aが必要であればそれはやっていく」とした。 □日立製作所のホームページ (2005年12月15日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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