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ソフトバンク株式会社と、ヤフー株式会社は19日、ヤフーが提供していた動画配信サービス「Yahoo! 動画」をリニューアル。CM挿入型の無料動画や、有料動画コンテンツ、直接再生機能を備えた動画検索サービスなどを総合的に提供する。運営は共同出資の新会社「TVバンク株式会社」が担当する。自社コンテンツだけに留まらない動画ポータルサイトという位置付けになっており、視聴者数4,000万人を目指す。 従来「Yahoo! 動画」が取り扱っていたコンテンツ数は約4,000本だったが、リニューアルに伴い約10万本と大幅に増加する。ただし、10万本の内訳は、無料配信分が16,000本、有料配信分が15,000本。残りの7万本は動画検索コーナーでの検索インデックス情報数となっている。 なお、12月19日のスタートは「ユーザー参加型のベータテストに近いイメージ。コンテンツプロバイダやユーザーの意見を取り入れながら、2006年3月頃に商用サービスを正式にスタートさせたい」(ヤフーの井上雅博社長)という。
■ サービス概要 パソコン向けに、プロバイダや回線を問わずに利用できる動画配信サービス。検索サイト「ヤフー」のページ内で「動画」というリンクをクリックすることで手軽にアクセスできる。無料、有料コンテンツを揃え、無料コンテンツはユーザー登録を行なわずに利用可能。有料コンテンツはYahoo!ウォレットに登録したYahoo! JAPAN IDが必要になる。また、Yahoo! BB会員、およびYahoo! プレミアム会員(月額294円)向けには、見放題のコンテンツも用意するという。 ビットレートは動画によって異なるが、1.5Mbps以上のコンテンツも用意。プレーヤーはWindows Media Player 9以上を利用。Media Playerのウインドウが立ち上がるタイプや、ブラウザ内にプラグインとして埋め込まれるタイプも用意。全画面表示も行なえる。配信はストリーミングのみで、ダウンロード型配信は「強い要望がユーザーなどからあれば考えるが、日本のインフラは高速なため、利便性やセキュリティの面からもストリーミングが適している」(ソフトバンクの孫正義社長)という。 OSはWindows 2000/XPを推奨。ブラウザはInternet Explorer 5.5以上。なお、無料動画には、本編再生前に広告を挿入。ページ内にバナー広告なども掲載する。広告代理店として電通、博報堂、アサツーディ・ケイ、サイバー・コミュニケーションズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムなどと協力関係を構築している。 広告収入と有料コンテンツの視聴料収入は、手数料を除いた上で、試聴回数や売上高に応じてTVバンクとコンテンツホルダで分配する。
配信するコンテンツは多岐に渡るが、大きく「グラビア」、「お笑い」、「映画・ドラマ」、「アニメ」、「音楽」、「スポーツ」、「ゲーム」、「趣味とくらし」、「リラクゼーション」、「ビジネスと教養」を用意。洋画や韓国ドラマでも無料試聴(広告挿入)できる作品を用意するほか、有料コンテンツではワーナーのハリウッド映画なども提供する。 コンテンツパートナーとしては、角川映画や松竹、東北新社、GONZOなどの国内コンテンツホルダが参加。また、NHKも実証実験に参加。日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京との間でも具体的な配信コンテンツの選定、提供形態、提供開始時期について協議を進めている。 テレビ各局が独自に展開している配信サービスのコンテンツと重複する可能性もあるが、Yahoo! 動画のみで観賞できるコンテンツの提供を求めることなども計画しているという。さらに、米国/韓国/台湾の地上波テレビ局などからもコンテンツの供給を受ける。
■ 動画ポータルサイトとして検索・表示機能を実装 また、最大の特徴として、Web上の動画コンテンツを検索する機能を用意。例えば「ハリー・ポッター」と入力すれば、映画の公式サイトのトレーラーや、映画サイトの出演者インタビュームービーなど、様々なWeb上の関連動画が検索結果として表示される。 さらに、特許申請中という独自機能も実装。検索結果にはサムネイル静止画が付けられているが、同部分にマウスカーソルを乗せるとサムネイルが中サイズに拡大。その場で動画を再生する。ただし、サムネイル動画の再生時間は約20秒で、同ページには「本編はソース元でご覧下さい」という注意書きがある。
サムネイル下部の「動画を見る」ボタンを押すことで、そのサイトにアクセスせず、直接動画ファイルにアクセスしてMedia Playerなどで再生できる。また、検索で取得した約20秒の動画冒頭を自動的につなげてダイジェスト再生する「キーワードチャンネル」という機能も用意。ハリー・ポッターに関する動画を連続再生する独自の「チャンネル」が自動的に生成されることになる。 検索で表示されるサイトは、必ずしもYahoo! 動画のページから直接動画を配信することを許可していない場合もある。冒頭の約20秒という制限はあるが、動画ファイルへの直接リンクも備えているため、著作権的にグレーな部分がある。この点に関して井上社長は「2006年3月の正式サービス開始までに権利者の方々から意見聞き、サービスの形を形成していきたい」と語った。 さらに、ユーザーが撮影した動画を投稿できる「動画投稿」コーナーも開設する予定。2006年1月より作品を郵送で受け付ける。定期的にコンテストなども開催し、内容はハプニング映像からお笑い、ペットのパフォーマンス、オリジナル楽曲の披露など、様々な分野を想定しているという。締め切りは2006年春を予定。なお、春以降にはネット経由での投稿も行なえるようにしていくという。
■ 静止画/文字だけでなく、動画でも「ヤフー」を玄関に
孫社長は日本のブロードバンドインフラの普及率や、米国の50倍に達しているという回線スピード、利用料金の低さなどを解説した上で「日本は今や世界一ブロードバンドが速くて、かつ低価格に利用できる国になった。だからこそ、ネットを使った動画配信という新たなビジネスのモデルケースになりうる国だ」と説明。「今後、インターネットは動画コンテンツの時代へとソフトする」とし、それを「インターネットII」と表現した。 また、ビジネスモデルとしては「魅力的なコンテンツが、メディアの価値を向上させ、さらに魅力的なコンテンツの創出に繋がる」というサイクルを説明。利用者数の4,000万人という数字については「現在のヤフーの利用者数と同じ。今までは文字や静止画を検索していたが、今後は動画もヤフーで検索し、楽しむというスタイルを定着させたいという思いを込めた数字。できるだけ早く達成したい」と語った。
さらに、井上社長はヤフーが10周年を迎えたことを説明した後「この10年は、アクセス数などの“量”を追求して来た。そして、インターネットというメディアを社会から信頼してもらうために費やしてきた」と語る。その上で「今後は量よりも質が重要になってくるだろう」との考えを示し、動画配信という新たなビジネスに向けた意気込みとした。
■ 上戸彩やボブ・サップも応援 発表会場には、各ジャンルのコンテンツを代表して、上戸彩さんや、ソフトバンクホークスの新垣渚投手、SUPER AGURI Formula 1の鈴木亜久里代表、K1からはボブ・サップ選手が登場。「見たい時に見たいものが見られる」という動画配信サービスへの感想や期待を語った。 ボブ・サップ選手は「本当に便利なサービスだと思う。けれど、K1の試合はチケットを買って生で見て、その後でWebで観賞して欲しい」と笑いを誘った。
□ソフトバンクのホームページ
(2005年12月19日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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