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社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は22日、都内で記者会見を行ない、日本国内の電子工業生産に関する2005年の見込みと2006年の予測を発表した。2005年の国内電子工業生産金額は前年比4.0%減の18兆9,622億6,000万円となる見込み(2005年1~9月は実績、同年10~12月は前年比4%増と予測)。 昨年12月に発表した2005年の予測値である同2.9%増の21兆670億200万円に比べ、かなり低い金額にとどまる見通し。2004年後半に始まった在庫増の調整に要する期間が昨年の予測よりも長期化したこと、製品価格の下落が予想以上に大きかったことなどが生産金額の減少を招いたと分析している。
国内電子工業生産金額と伸び率の推移において、過去に最高を記録したのは'97年の25兆3,934億円。2002年以降は20兆円をわずかに下回る状態が続いている。2004年の実績は前年比2.3%増の19兆7,460億6,100万円。昨年12月にJEITAは2004年の生産金額が20兆円を突破するとの見通しを発表していたが、実現しなかった。
■薄型テレビは2桁越える伸び JEITAは日本の電子工業生産を「民生用電子機器」(液晶テレビ、プラズマテレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラなど)、「産業用電子機器」(パソコン、サーバー、携帯電話機、電気計測器など)、「電子部品・デバイス」(半導体、液晶パネル、プリント基板、抵抗、コンデンサなど)の3分野に大きく分けて生産金額を公表している。 民生用電子機器の生産金額は、2005年に前年比2.3%増の2兆5,452億円となる見込み。電子工業全体に占める割合は13.4%で、前年に比べて0.8ポイント上昇する。2006年の生産金額は同2.5%増の2兆6,083億円になるとJEITAは予測した。 2006年の生産金額では液晶テレビが同20.0%増、カーナビゲーションシステムが同12.0%増と、プラズマ、液晶などの薄型テレビや、カーナビゲーションシステムは2桁を超える堅調な伸びを示しているものの、DVDビデオ、デジタルカメラは価格下落の影響などで前年割れとなっている。特にDVDビデオの落ち込みは大きく、全体として2005年、2006年とも微増に留まると予測されている。
産業用電子機器の生産金額は、2005年に前年比3.1%減の7兆2,502億5,000万円となる見込み。電子工業全体に占める割合は38.2%で、前年に比べて0.3ポイント上昇する。2006年の生産金額は同2.0%増の7兆3,976億9,000万円になる。携帯電話機と電子応用装置(医用測定器、X線装置など)が全体を引っ張る。
分野別生産金額では、2006年は主に、無線通信機器(携帯電話など)と電子応用装置が成長に寄与する。パソコンの生産金額は2004年(実績)が前年比0.5%増の1兆2,073億1,700万円、2005年(見込み)が同6.2%減の1兆1,324億6,000万円、2006年(予測)が同0.1%増の1兆1,335億9,000万円。
電子部品・デバイスの生産金額は、2005年に前年比6.2%減の9兆1,668億1,000万円となる見込み。電子工業全体に占める割合は48.3%で、前年に比べて1.2ポイントも低下した。集積回路が前年比8.8%減、液晶デバイス(液晶パネル)が同9.5%減と大きく落ち込んだことが響いた。2006年の生産金額は、在庫調整が完了した集積回路が同3.6%増と回復することが全体を押し上げ同2.4%増の9兆3,830億6,100万円となるが、液晶デバイスは同3.0%減とマイナス成長が続くと予測している。
□JEITAのホームページ
(2005年12月22日) [ Reported by 福田昭 ]
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